2020年8月16日日曜日

とうとう一日の新規感染者が3000人を超えたフランス コロナウィルス第2波

 

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 ここ数日のフランスのコロナウィルスの新規感染者数は、2524人、2669人、2846人と増え続け、とうとう昨日は、3000人の王台を超えて3310人になりました。

 つい、一ヶ月前は、500~600人、せいぜい800人前後であったのが、7月末には、1000人を突破し、8月に入ってもグングン増え続け、とうとう3000人を突破してしまいました。

 7月に入って、ギリギリまでバカンスの予約を躊躇っていたフランス人も、結局は、バカンスを諦めることはせず、行く先を海外から国内に変更したり、公共交通機関を避けて、車での移動に切り替えたりする工夫をしながら、バカンスシーズンに突入しました。

 バカンスシーズンに突入と同時に、各国の経済復興を鑑み、ヨーロッパ内の往来ができるようになりましたが、感染状況が酷いスペインなどには、行かないように呼びかけられたりしていました。

 スペインは、ロックダウン解除後、ヨーロッパの中では、他のヨーロッパの国に比べるとかなり多くの新規感染者を出していましたが、フランスがここへ来て、スペインを追い越しそうな勢いです。

 3000人の壁を超えたのは、いみじくも、本格的に多くのフランス人がバカンスに出るタイミングの8月1日から、ちょうど2週間後のことです。その間も感染が増え続けたため、フランス各地で屋外でもマスク着用が義務化が広がり始めました。

 しかし、マスク着用義務化もフランスでは、なぜか簡単なことではありません。マスク着用義務化の地域が拡大されるたびに、マスクは必要か? どうやって徹底させるか?といったマスク論争が延々と続けられています。折しも先週は、猛暑日が一週間近くも続き、ただでさえマスク嫌いのフランス人にとって、マスク着用は、さらに厳しいものになりました。

 しかし、マスクを付けることが、なぜ、そこまで徹底できないのか、日本人である私には、全く理解ができません。娘に言わせると、マスクをする習慣が全くない人にとっては、大変なことなのだと言います。(彼女はマスクをしていますが・・)

 このタイミングで感染が拡大していることを考えれば、バカンスがフランスの感染拡大の大きな原因になっていることは、明らかですが、もう一つの大きな要因は、「油断」です。

 フランス人の多くは、「まあ、自分たちは、大丈夫だろう・・」と思っているのです。ここへ来て、屋外のマスクの義務化が進む中、会社内でのマスクの義務化をどうするか?という論争になっています。

 一日、8時間以上、マスクをし続けるのは、危険ではないか? 一日中、パソコンの画面に向かって仕事をしているのにマスクは必要ないのではないか? などなど、マスクをしない言い訳を探しています。しかし、そもそも一日中、パソコンに向かっているなら、出社する必要があるのでしょうか? ロックダウン中は、リモートワークが推奨されていた中、ロックダウンが解除になって、リモートワークの割合が減少しています。

 現在は、バカンス期間中ですが、大学生にとっては、一般企業などでのスタージュ(インターンシップ)の期間でもあります。今の状況で、スタージュを受け入れてくれる会社を探すことだけでも大変ですが、実際に、つい先日まで一般企業でスタージュをしていた娘の友人などは、明らかにリモートワークでできる業務内容でありながら、出勤することを余儀なくされていたと言います。社員ではなく、スタージュの学生でさえも出社している・・そんな状況が感染を拡大させる一因となっているのです。

 みんながバカンスに出かけていることで、あたかも安全な状況になっているような錯覚を抱いているのです。少なくとも、マスク問題に関しては、5月11日にロックダウンを解除する時、まだ、コロナウィルスに対して国民がかなりの恐怖心を持っていた時点で、外出の際には、マスク着用を義務化するべきでした。

 その時点から、義務化されていれば、フランス人ももう少し、マスクをすることに慣れていたと思います。

 ロックダウンの2ヶ月間でせっかく減少したコロナウィルスの感染状況が、台無しになりそうな気配です。これまで、スペインが危険だ!とヨーロッパ内ではスペインが避けられていましたが、ここへ来て、イギリスがフランスからの帰国者に対しては、2週間の自宅待機を義務付けることを発表し、フランスに来ていたイギリス人が慌てて帰国し、ユーロスターのチケットが一時、急騰したそうです。

 このような状況でも、フランスでは、コロナウィルスの第2波が来た場合は・・などと話しているのを聞くと、第2波の定義は、何なのか? 今、新規感染者が急増している状態が第2波と言うのではないのか?と疑問に思ってしまいます。

 8月末まであと2週間、現在、フランス国内の中でも、パリとブッシュドローニュ(フランスのプロバンス・アルプ・コートダジュール県)での感染がレッドゾーンとされています。何といっても、人口の多いパリの住民がバカンスから戻って、新年度を迎え、学校も始まり、気温も下がり始めます。

 バカンスに入る前から予定されているデモも9月には、再開されます。

 新規感染者が2000人を超えたのが、一週間前です。一週間で1000人増加は、やはり尋常ではありません。この増加傾向をなんとか抑えないまま9月を迎えれば、大変なことになるのは、必須です。

 

<関連>「猛暑の中の感染拡大・新規感染者2000人超えのフランス」

https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/08/2000.html

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