2020年8月5日水曜日

世界中で9月の学校再開が決められない 




 国連は、コロナウィルスの感染拡大により、現在、世界のおよそ100ヶ国で学校を再開する時期を決められずにいる史上最大の教育システムの混乱が起こっており、各国に対して感染の封じ込めに全力を挙げるとともに、教育予算を増やして早期の再開を目指すことを呼びかけています。
 
 このおよそ100ヶ国の中にフランスは、入っているのだろうか?と、私はふと思います。確か、フランスは、5月11日にロックダウンを解除した段階では、9月には学校は、再開する予定、もしできなかった時のリモート授業のシステムを継続的にレベルアップしていくと発表していました。

 フランスでは、3月から2ヶ月間にわたるロックダウン中も学校は閉鎖されていましたが、リモートで授業はずっと継続されていました。しかし、ネット環境の問題や学習意欲の持続や家庭での学習サポート有無などから、脱落してしまった生徒もおり、ますますの格差が生まれてしまった事が問題となっていました。

 5月にロックダウンが解除になって、少しずつ学校は、再開したものの、感染の危険を考える親は、子供を学校へは行かせず、そのまま夏のバカンスに突入してしまった子供も少なくありません。

 今から考えると、現在の新規感染者数は、ロックダウンが解除になった直後よりもずっと多く、感染はずっと広がっている状況です。しかしながら、フランスは、例年どおりとまでは行かないまでも、多くの人がバカンスに出ており、バカンスへは行くけど、学校再開は認めない・・なんてことは、おかしなことだとは思いますが、絶対にそう言って、フランス人は騒ぎ出すと思うのです。

 フランスでは、9月の新学期は新年度の始まりでもあり、一年で最も重要なスタートの時期です。もう9月の新学期のスタートまで一ヶ月を切りましたから、教育現場もそれなりにあらゆるケースを考えて、準備を始めていても良さそうなものなのですが、フランスの学校は、多分、何もしていません。フランスの学校はバカンスの時期(一年に何度もある)は、学校も先生も全く働かないのです。

 たとえば、教師の研修などの機会があったとしても、それは、決してバカンス中には、行われないのです。こんなにたくさんバカンスがあるのに、なぜその期間に研修に行かないの?と思いますが、フランス人にとって、教師とて、バカンスの権利は、絶対なのです。

 日本で感染が拡大しているのは、自粛と言いつつも、GO TOキャンペーンで出かける人が増えている事が理由の一つに挙げられていますが、それを考えれば、フランス人のバカンスでの移動ぶりは、桁違いで、この結果が恐ろしい限りです。

 屋内でのマスク義務化が施行されて、その成果が出れば良いのですが、ほとんどの人がマスクをしている日本で感染が広がっていることを考えれば、あまり期待はできません。その上、秋になって気温が下がってきたら、ウィルスもさらに活発化するのは確実で、今年ほど、秋がくるのが恐ろしいと思う年はありません。

 実は、我が家の娘も、とうとう6月から8月にかけてのイギリスでのスタージュは、結局、リモートワークのみで終わりそうで、さらに10月からは、別の国への留学が決まっているのですが、このままでは、それもリモートという形になってしまうかもしれません。

 しかし、何はともあれ、まず健康でいてくれる事が一番、やっぱり無理はして欲しくないと思う親心なのです。


<関連>「9月のフランスの学校再開へ向けての準備  予定の立たない今後の予定」

 

 















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