2020年7月11日土曜日

9月のフランスの学校再開へ向けての準備  予定の立たない今後の予定


Image d'illustration d'enfants dans un collège -


 コロナウィルスによるロックダウンになった際は、もうフランスは、壊滅状態に向けてまっしぐらの状態であったので、否応なしに、生活の必要最低限の機関しか動かない状態になり、経済もストップし、いつもの日常の多くのことが奪われ、今になって思い出しても、本当に緊迫した日々が続いていました。

 しかし、ウィルスが蔓延し続ける中での、再スタートは、単純に全てを再開するわけにはいきません。それでも、フランスは、新内閣も発足し、前へ前へと進もうとしています。今日、文部省から発表されたのは、2020年度(2020年9月〜2021年6月)の学校再開に際してのビジョンです。

 9月に新学期が始まるフランスでは、夏が終わり、気温が下がり始める(気温が下がるとウィルスが活発化する可能性が高い)時期に学校が再開するという皮肉な新年度を迎えるわけですが、子供達の安全を確保するために、一先ず、手指の衛生を徹底させること、11歳以上の学校の屋内施設でのマスクの義務化、校内の換気、清掃、除菌などの衛生、ソーシャルディスタンスなどに関する規定が発表されました。

 この規定には、国の公衆衛生高等評議会や国防評議会が関わっているとのことですが、フランスにこれまで、公衆衛生高等評議会なるものがあったことは、コロナ以前の街中を見る限り、信じがたいことです。

 また、最悪の事態も想定して、リモートワークのサポートの充実化への準備も同時に進め、感染拡大が起こった場合には、数日内にリモートワークに切り替えられるように備えています。約2ヶ月間のロックダウンにより、教育格差も生まれ、約4%の学生が脱落したと言われています。

 現在、ロックダウン解除から約2ヶ月経ちましたが、もはや、メトロ内、駅の構内の清掃、除菌作業が雑になってきていることも問題視されています。多くの人がマスクもしなくなっている中、公共機関の衛生管理も緩んできているとは、まさに第2波の下地を着々と作っているような状態です。

 また、先日は、新首相のジャン・カステックス氏とCGT(フランス労働総同盟・労働組合連合)のこの経済危機に瀕する状況についての話し合いが行われ、今は、何よりもこの経済危機を乗り越えることに重点を置くという首相に対して、CGT側は、昨年から問題になっている年金問題を差し置くことはできないという主張が衝突し、早々に9月17日の大規模ストライキ・デモが決定しています。

 娘も10月からの留学が一応、決定していますが、「リモートワークになる可能性あり」という但し書き付きの状況で、どうにも予定が立ちません。

 現在は、多くの人が先の予定が立たない状況、それも致し方ないと思いますが、今のところ、はっきりと日時指定で決定していることが、ストライキとデモの予定だけというのがフランスの状況をよく表しています。

<関連>「フランスの駅とトイレの先進国とは信じ難い臭さ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_27.html

「フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/02/blog-post_6.html

 

 
















 

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