2020年2月6日木曜日

フランスのゴミの収集 フランス人の衛生観念


フランス人には箱を潰して捨てるとか、そういう観念はない


 以前から、フランスのゴミの扱いについては、色々と疑問に思うことも多かったのですが、ここへ来て、コロナウィルス騒ぎの最中に、そのゴミ収集のストライキという、信じ難いことが起こっています。

 今は、アジア人が咳をするだけで、周りの人がさーっと避けていくとまで、言われている状況下で、ゴミ収集をせずにいれば、衛生上の問題は、それは、アジア人の咳どころではない不衛生な状況を生むわけで、日頃は、ストライキ・デモ・主張することを誇りとしているフランス人を、これもフランスの文化だと、どこか、諦めて眺めている私も、今度ばかりは、この状況の中のゴミ収集のストライキには、神経を疑います。

 コロナウィルスを恐れて、アジア人差別のようなことをやりながら、ゴミは放置して、ストライキを断行するのには、「おまえら、命がけなのかい!」と言いたくなります。でも、ゴミの収集とウィルス問題対策として結びつけて考えることができないフランス人の衛生観念は、極めて低いと考えざるを得ません。

 日頃から、駅のトイレや駅自体の汚さや、ネズミの多さなどから、間違ってもパリが清潔で衛生的な街であるとは、思っていませんでしたが、これは、やはり衛生に関する意識が根本的に欠如していると思わざるを得ません。

 普段のゴミの分別なども、なかなか大雑把で、箱などは、崩さずにそのまま捨てるし、きちんと仕分けされていないことを不満に思っていましたが、まだ、ゴミをゴミとして出すだけでもマシなのかもしれません。

 実際に、フランス人が日本へ行くと、街中にゴミ箱が少ないことを非常に不思議に思うようです。日本が、ゴミ箱を安易に設置しないのは、ゴミの分別をキッチリとするためなのでしょうか?

 そこへ行くと、日本のゴミ出しは、本当に大変です。ここのところ、日本へ行くと、家の片付けをしていることもあり、まず、チェックするのがゴミの収集日の確認です。

 曜日によって、ゴミを分別して出さなければならないし、しかも、ゴミの種類によって、やけに早い時間帯に来たり、昼近くまで、来なかったり、ゴミの収集車が来る時間帯も違ったりするので、下手をすると、ゴミを出そうとした時には、もうすでにゴミの収集車は行ってしまった後・・なんてこともあるので、慣れない私には、とても、複雑で厄介な作業です。

 私でさえ感じるのだから、高齢者にとっては、かなりの負担を伴う作業だと思います。

 日本では、ゴミにカラス除けのネットを被せたりしていますが、フランスでは、ゴミに寄ってくるのは、人間で、特に、粗大ゴミ、家具などが捨ててある場合は、驚くほどの速さで、ゴミ収集車が来る前に、誰かが拾っていきます。
 そして、いよいよゴミ収集車が来る頃には、ほんとうにどうしようもないものだけが残されています。

 フランスは、壊れても、古いものでも、直して使う人が多いのです。
これは、無駄を嫌い、古いものでも修理しながら、使うフランス人の考え方は、悪くはないと思うのですが、ゴミがなくなるスピードには、目を見張るものがあります。

 ですから、私がゴミを捨てる時には、もしかして、まだ使う人がいるかもしれないと思われるものに関しては、普通のゴミからは、よけて捨てるようにして、その自分の出したゴミが、あっという間に消え去っていることを見て、なんだか、無駄にせずに済んだと、妙な満足感を味わっています。

 それにしても、こんな日常のゴミ問題にもお国柄が現れるものだなあと思うのです。

 

 


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