2020年2月29日土曜日

日本での「おフランス」の高級イメージ商法





 高いからこそ、価値があり、高いことによって、ますますその価値が上がるという不思議な現象があります。多くのフランスの製品は、その「おフランス」とも揶揄される漠然としたイメージから、高級品扱いされ、実際に高価になってしまっているものが、多いです。

 ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメス、ディオールなどのブランド品などは、実際のデザインやクオリティーも優れていますが、果たして、それらにつけられる値段には、イメージという不確かなものも、上乗せされています。

 それは、モードやファッション、化粧品や香水などばかりではなく、身近なところでは、食料品などにも及びます。

 日本に行って、見て歩くのは、ファッションなどのブランド品ではなく、もっぱら、食料品ばかりの私ですが、フランスの食料品の値段には、ちょっとびっくりさせられます。

 いやいや、ちょっとじゃなくて、だいぶです。

 チョコレートやマカロンなどの洋菓子類、これらは、もともと、フランスでも、かなりのお値段なので、まずまず、まだ、理解できる範疇ではありますが、こと、乳製品、バターやチーズに至っては、日本での値段は、ちょっと常軌を逸しています。

 もちろん、輸入品扱いになるわけですから、関税がかけられていることもありますが、それにしても、その値段は、とても関税分がプラスされているだけとは思えず、最も日本に出回っているであろうカマンベールチーズでさえ、フランスでは、2ユーロ程度のものが、2000円以上で売られており、10倍近い値段です。

 その他、日本人に人気のエシレバターなども同程度の値段の開きがあります。

 一体、そんな値段のバターやチーズをどんな人が買うのかと思いますが、たとえ一部ではあっても、売り場を占領してでも置いてあるということは、必ず買っている人がいるわけで、ファッションなどのブランド品に比べれば、値段は、大したことはないにせよ、日頃、フランスでの値段を見ているだけに、ちょっと理解し難い値段です。

 日本に行って、外食をする度に、ユーロに換算しては、その安さに驚いて、感激するのですが、(値段に対してのクオリティー、いわゆるコスパが抜群)、逆にフランスの乳製品の値段には、びっくりするくらい高価な値段がつけられているのです。

 日本では、高価なものと安価なものの差が極端なような気がします。

 エシレバターの「エシレ」などは、もはや、立派なブランドであり、「エシレ」と名が付くだけで、パンでもアイスクリームでも、驚くほどの値段に跳ね上がり、たちまち行列ができます。

 フランスのパン屋さんも、進出していますし、日本で見かけるパン屋さんは、たとえフランスには、ないお店であっても、高級なパン屋さんには、フランス語の名前が付いていることが多いです。

 「おフランス」の高級なイメージは、実際のフランス以上に、日本では、至る所に商売に使われていることに、日本へ行く度に、驚かされるのです。

 

 

0 コメント: