コンビニのない世界
フランスに、コンビニは、ありません。コンビニどころか、大抵のお店は、日曜日は、お休みです。コンビニもどきのお店はあっても、それは、ごくごくパリの街中のチェーンのスーパーマーケットのミニチュア版か、アラブ系の人がやっている種々雑多なものがおいてあるお店のことで、たいていは、日曜もやっているというだけのことで、大して、便利でもありません。
フランスに来た当初は、日曜にお店が閉まっているということだけで、信じがたく、ほとんどの女性が働いているフランスで、どうして、お店を日曜日に閉めるのか、理解に苦しんだものです。
どうやら、労働組合が強いフランスでは、日曜出勤を組合側が反対しており、なかなか、解禁にならないようです。これだけ失業者が多い国なのですから、日曜だけ働くという人を雇っても良さそうなものですが、そんなことも進まない国なのです。
そこへ行くと、日本のコンビニは、凄まじいものがあります。始まりは、セブンイレブン=朝の7時から夜の11時までの営業だったコンビニが、あっという間に24時間営業、しかも、年中無休になり、しかも、その数もびっくりするほど増えて、そのサービスも、お金の振り込みから、荷物の配送まで、銀行や郵便局の代わりにもなる、本当に便利なものです。
私が、海外に出て、20年以上が経ちますが、当時の日本は、ここまでではなかったにせよ、海外にでた当初は、コンビニどころか、生活ひとつひとつが全て不便で、しかも、ストレス満載でした。
しかし、すっかり、そんな生活に慣れてしまった今では、日本帰国時には、「あ〜そうか・・日曜日もやっているんだ・・・」と、いつの間にか、思うようになっていました。
日曜日にお店が休みなら、違う日に買い物を済ませて、日曜日には、他のことをすれば良いのです。代わりに日曜日には、家族とゆったり過ごす時間が得られます。
「無ければ、無いなりに、なんとかする。」のは、海外生活の基本で、日本のような便利な国は、世界中、どこを探したって、そうそうあるものではないのです。
必ずしも便利ではない暮らしだからこそ、代わりに得られるものがあることに、私は、最近になって、気付き始めているのです。
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