2020年2月13日木曜日

フランス人のワイン離れ




 今、フランスの若者の間で最も飲まれているアルコールは、ビールなのです。
フランスなのに、ワインじゃないの? と思われる方も多いかもしれません。

 その手軽さと値段の安さから、若者が一番飲むのは、ビールなのです。
 外食が高いフランスでは、気候の良い時には、ビール片手に公園で友達とおしゃべり、なんてことも少なくはなく、手軽に買えて、手軽に飲め、しかも安いビールが一番人気なのです。

 フランスでは、税金の掛け方が違うのでしょうか? なぜか、ビールは、とても、安いのです。日本からの輸入品である日本のメーカーのビールでさえも、日本で買うより、もしかしたら安い?と思えるくらいの値段ですから、フランスのビールやヨーロッパ内のビールなら、なおさらのことです。

 ワインならば、オープナーなしには、開けられず、また、開けたところで、ラッパ飲みというわけにもいかず、ビールならば、グラスもなしに飲めます。

 休日のメトロなどでは、なかなかのイケメンの若者が小瓶の瓶ビールを片手にちびちび飲みながら、話していたりするのを見かけたりもします。

 これは、明らかにカッコつけてる感じで、そんなちっちゃなビールを手で握りしめて、あっためて、チビチビ飲んでんじゃねーよ!と思わず、突っ込みたくなる感じですが、まあ、なんか、小瓶の瓶ビールをラッパ飲みして、ちょっとカッコつけたいお年頃なのかもしれません。

 そして、ウォッカの人気も上昇中です。
 私は、以前は、ウォッカが好きで、よく炭酸で割って飲んでいました。娘が小さい頃は、スーパーマーケットに行くと、娘が、ウォッカの置いてある場所にいち早く、駆けて行って、「ママ〜!オッカ!オッカ、あったよ〜!」と大きな声で叫んで教えてくれたのには、赤面しながら、フランス人には、オッカの意味がわからなくて良かった・・とこっそりと思ったものです。

 最近、ウォッカが若者に人気なのは、何か他の飲み物(炭酸飲料やジュースなど)と割って飲むことができることから、人気なのだと思われます。

 割って飲むといえば、ウィスキーの人気もここのところ、急上昇中です。スーバーマーケットなどでも、やたらとウィスキーを見かけるようになりました。中でも、日本のウィスキーは、かなりの人気のようですし、漢字が全面にドーンと書いてあるいかにも日本!という感じの、でも、実は、日本では、あまり見かけないような、ちょっと胡散臭いウィスキーなどでさえ、売れているのですから、驚くばかりです。

 私がフランスに来たばかりの頃には、私がウィスキーも飲みます・・などと、うっかり言うと、フランス人からは、「あんなにアルコール度数が高い、強いお酒を飲むの?」とびっくりされたものでした。

 ウィスキーをソーダや水で割って飲むということが、フランス人に知れ渡ったのは、最近のことだと思われます。

 しかし、圧倒的な消費量を誇るのは、やはり、ワインであることには、変わりはないし、コスパを考えると、フランスでは、私としては、やはり、ワインを選んでしまうことが多いです。

 フランスでのワインの消費のほぼ半分は、50歳〜64歳の年配の人に支えられており、35歳以下の若者に至っては、ワインの消費量が年々、著しく、少なくなり、一時、モヒート(ミントの葉、ライムにラムとシロップとソーダ水を加えたもの)が大流行していて、パリの夕暮れのカフェのテーブルは、モヒートだらけだったことがあります。

 それでも、スーパーマーケットなどには、ワイン用のCAVE(カーブ)と呼ばれるスペースが、他のどのお酒よりも大きな場所を占めているのですが、これも、フランスと言えども、今の若年層が歳を取っていくに従って、変わっていくのかもしれません。

 基本的には、保守的で食べるものも、新しいものは、あまり受け入れないし、お酒も変わらずワインという年配の人は、変わらず、ワインを飲み続けているのですが、この世代が消えていってしまった時、フランスのワインは、どうなるのか? ちょっと、不安で、寂しい気がしています。

フランスのスーパーマーケットのワインの棚の一部
酒瓶が並ぶ眺めはいいものです。


  

 

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