2020年2月16日日曜日

遺産相続




 父の死亡に伴い、遺産の相続手続きの必要がありました。

 父は、特別に遺言書も残しておらず、私も弟も、とりあえず、父の暮らしていた家があることは、承知していても、その他に、一体、父の財産が、どこに、どれだけあるのかもわからず、また、二人とも海外で生活していることから、容易に手続きを進めることも、なかなか困難で、相続手続きには、一応、相続税の申告期限があるために、そのまま、なあなあにして、放置することもできずに、親戚の伝手を辿って、大手の信託銀行にお願いすることになりました。

 また、私たちには、相続に関する法律的な知識もなく、また、その法律も度々、変わるため、その時の法律や優遇措置など、まずは、父が所有していた財産の把握ですら、個人で滞りなく進めることは、とても難しいことです。

 私も弟にも、日本には、持ち家がないため、家を相続する場合の優遇措置があることもその時に、銀行の方に教えていただきました。

 相続にまつわる、家族間での相続争いなどという話も世間では、よくある話と聞きますが、我が家の場合は、そんなに、大金持ちの相続ではないので、もともと、揉め事になる心配もないのですが、事務的に、法廷どおりに、私と弟は、きっちりと半分ずつ父からの遺産を相続しました。

 幸いにも、プロに手続きをお願いしたために、トラブルもなく、滞りなく、相続手続きは、進み、その間には、一度、銀行からの説明や相談のために一度、帰国しただけで、あとの書類は、銀行からパリの自宅へ郵送してもらってサインしたり、必要な書類は、大使館で発行してもらって、それを郵送することで、全て、完了しました。

 やれやれとホッとしていると、しばらくして、日本の税務署から、パリの自宅宛に弟と半々に相続した実家の固定資産税の請求が来ました。税務署がパリの自宅まで把握していることにも驚きましたが、税金には、支払い期限もあり、銀行に問い合わせるよりも、直接、税務署に一度は、出向いて、きっちりと自分も状況を把握した上で、自動引き落としにしてもらった方が良いと、その際は、慌てて、日本に帰国したこともありました。

 いくばくかの財産を相続させてもらえたことは、とても有り難いと思っていますが、なかでも、私が、両親に最も感謝していることは、何よりも、親戚とのつながりを私たちに繋いで、残していってくれたことです。

 我が家は、両親ともに兄弟が多く、父方、母方ともに、叔父や叔母、従姉妹、従兄弟もたくさんおり、子供の頃から、頻繁に親戚付き合いをしてきました。私は、子供の頃は、どちらかというと、引っ込み思案で、親戚づきあいというのは、はっきり言って、あまり好きではありませんでした。

 それでも、今、家に残された写真を片付けて、眺めていたりするにつけ、親戚の集まりの食事会や旅行などの写真が山ほど残されており、それなりに楽しい時間を共有してきたことを改めて、思い起こします。

 それなりにお金もかかっていただろうし、そのための時間も多く費やして来れたことは、今になってみると、とても有り難い、大切な積み重ねであったと思います。

 こうして、同じ時間を過ごしてきた従姉妹たちや、叔父や叔母たちが、両親のいなくなった今も、私や娘を支えてくれています。

 彼らは、私たちが、日本に帰ってくるたびに、ここぞとばかりに美味しいものを用意して、振舞ってくれたり、困ったことがあれば、親身になって、相談にも乗ってくれます。

 私たちが、両親が残してくれた、最も貴重な遺産相続は、これまで両親が積み重ねつつ、私たちに繋いでくれた、一日にしては、築くことができない、親戚との繋がりであったと思っています。

 

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