2020年7月27日月曜日

ファッションの国、フランスで服飾品が売れなくなった



 現在、絶賛進行中のフランスのSOLDES(ソルド・バーゲン)ですが、どうにも売れない現状に、財政難に喘ぐブランドが増え続けています。コロナウィルスのロックダウン以前から、すでにこの業界は、ここ数年、衰退しており、Camaïeu、Celio、さらにはNaf-Naf:困難なブランドのリストは日々増え続けています。

 2ヶ月にも渡るロックダウン生活で、今もリモートワークなどが続く中、たとえ外出の際でも、以前よりも、よりラフなスタイルに移行している傾向にあるようです。リモートワークなら、極端な話、上半身だけちゃんとしていれば、良いわけですから・・。

 以前は、出かける時には、もっと指輪やネックレスなどのアクセサリーもたくさんつけていたけど、長く、家にいる生活をしていて、外出する時もあまりおしゃれをしなくなってしまった・・そんな人が多いのです。

 これには、私も大きく頷くところです。通常でも、私は、家に帰って来た時点で、腕時計、指輪、ネックレス等の装飾品は、全て外し、解放されて、シャワーを浴びてスッキリして、部屋着に着替えてしまうのですが、その室内モードの生活をずっと送ってきてしまったので、さて、出かける時には、・・まず、マスクとアルコールジェルと・・などと考えていると、他のものは、ついつい億劫になってしまって、外出の際の一連の流れがすっかり変わってしまいました。

 ましてや、マスク姿でおしゃれをしても・・と、どうにも、おしゃれをする感が削がれます。お化粧でさえも、マスクをするために、口紅は、つけないし、顔の上半分というお粗末さで、先日、久々にフル装備?をして外出したのが新鮮に感じられたほどです。

 あらためて、おしゃれなフランス人にとって、マスクはまことに彼らの美的感覚にそぐわないものであることを実感します。中には、マスクでさえもファッションの一部としている人もいますが、それは、ほんの一部の人に限られています。

 おまけにロックダウン中に皆、家の整理をした人も少なくなく、家のクローゼットには、すでに売るほどのたくさんの洋服があることに気付いてしまったのです。

 そして、一般の店舗は、さらに悲惨な状態が加速し、顧客は、ロックダウン中にすっかり浸透したオンラインショッピングに大幅に傾いています。昨年の時点でフランスのネットショッピング売上高は、1000億ユーロを超えています。これは、10年前の4倍の数字です。

 もともと日曜日が閉店のフランスのお店でショッピングをするには、チャンスは、土曜日のみ、お店に行くには、マスクをしなければならないし、週末は、お店で買い物をするよりも田舎や自然の多い場所に行きたいフランス人なのです。

 もともとネットショッピングに抵抗のあった世代は、買い物を控え、若い世代は、素材に触れたり、試着したりする必要性を感じることなく、気軽にネットで買い物をして、気に入らなければ、返品します。

 元来、古いものを大切にし、中古品も喜んで使う国民性のフランス人、古着でさえも、メルカリのようなネットのサイトに溢れかえっています。

 そういう私も今年のソルドで買ったものは、ロックダウン中にやたらと傷んだスリッパだけです。

<関連>「フランス人のおしゃれの仕方」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_71.html

 












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