2020年7月21日火曜日

マスク義務化のフランスは、コロナウィルス第2波を避けられるのか?


 

 フランスで、公共の屋内スペースでのマスクが義務化になって、もしかしたら、ロックダウンの時のように、警察がウロウロして、コントロールをしているのかも??と思いながら、買い物に出かけると、街中は、いつもどおりで、警察がコントロールしている場面には、出会いませんでした。

 しかし、コマーシャルセンターの中に入ると、ビックリするほど、みんながマスクをしており、135ユーロの罰金の威力、恐るべし!と思いました。(みんながマスクをしていてビックリするところが何なんですが・・)

 これも、初日のことですから、これが、いつまで続くのかは、甚だ疑問です。多くの人がコロナウィルスが怖くてというよりも、罰金が怖くて仕方なくマスクをしているからです。警察のコントロールが緩いとなれば、マスク率も一気に下がると思われます。何と言っても、今は、警察の人もたくさんの人がバカンスに出ていますから、どうしても警戒は、緩くなります。

 しかし、マクロン大統領をはじめ、政府の官僚たちも、これまでマスクなしで経済復興アピールをしているのかと思われるほど、公の場でも、マスクをしていなかったのに、一斉にマスク姿でそれぞれの場に登場して、マスク着用をアピールしていました。

 マスクを着用していない場合は、入店(もしくは入場)できないわけですから、また、それなりの軋轢も生まれそうで心配です。いみじくも、先日、マスクを着用していなかった乗客に注意して殺されたバスの運転手さんの埋葬がマスク着用義務化初日と重なったことは、とても皮肉なことです。

 これだけマスクの義務化の必要性を訴え、実際に罰則付きの義務化が施行されても、フランスでは、15%の人は、マスクの義務化に反対しています。(18歳〜34歳の人たちの間では、22%の人が反対)

 街に出てみれば、若い子でも、洋服と素敵にコーディネートして、マスクをファッションの一部として楽しんでいる人もいるし、ブティックなどでもおしゃれなマスクを売り始めているのですが、残念ながら、それは、ごく一部のことです。

 
ジャケットの赤とパンツとマスクとバッグの黒がいいな


 先日のバスの運転手さんが殺された事件や、注意すると逆ギレして、店員に食ってかかったりする人がいるフランスでは、マスクをするように注意することさえ、命がけです。店舗の人も、「これ以上、感染が広がって、再びロックダウンになっては堪らない・・マスクをするのは、仕方がない・・」と、渋々、受け入れているのがわかります。

 屋内でマスクをしていない人がいた場合は、当然、当人はもちろん、その店舗や商業施設等も管理責任を問われるわけで、注意をすること自体がリスクである国では、規制は、ありがたいはずは、ありません。

 そのような事態を予測してのことか、店頭に、「マスク着用は義務です」「納得いかない人は、下記にご連絡を!と、大統領官邸と首相官邸の電話番号を書いてあるお店もあるほどです。

 しかし、手段はいかにしても、これで少しでもマスクをする人が増えてくれるのは、少しでも感染の拡大を防げます。

 先日のパリ祭では、いつもどおりの軍事パレードは、行われず、いつもは目にすることのない戦車などの軍用機を見ることはできませんでしたが、今は、どんな勇ましい軍事兵器をもってしても勝つことができない目に見えないウィルスにマスクで立ち向かっているのは、力(チカラ)とは、何なのかを考えさせられます。

 実際に、フランスは、第2波を避けるためにと言っていますが、もはや、感染状況を見れば、第2波は、始まっている状態です。先週の週末は、3日間続けて、新規感染者数は、800を超えています。ですから、第2波は避けられなかったわけで、始まってしまった波をどれだけ低く抑えることができるのか? 

 それがフランスの課題=マスク着用義務化なのです。

<関連>
「マスクのポイ捨ては、罰金135ユーロ でも、フランス人はルールは、守らない」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/06/blog-post_9.html
 

 










 

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