2020年7月24日金曜日

フランスでの一日の新規感染者数1000人突破と暴力事件増加


File d'attente devant un laboratoire à Paris pour un test coronavirus, le 18 juillet 2020


 ここ1〜2週間ほどで、フランスのコロナウィルス新規感染者数は、ぐんぐん増加して、一週間前までは、500人前後を行ったり来たりしていると思っていたら、今週に入って、800、900、1000と、とうとう1000人の王台に乗り、1062人になってしまいました。

 今は、バカンスに出ている人が多くて、思うように検査が捌き切れないと言いながら、この数字、近隣のヨーロッパの国々は、どうかな? と覗いてみると、イタリア306、ドイツ661、イギリス769、スペイン2615といずれも上昇中で、フランスは、スペインに続いています。

 スペインは、もうすでに、数カ所の地域でロックダウンの措置を取っているので、かなり危険な状態であると政府が判断していたと思われますが、フランスは、今のところ、屋内スペースのマスク義務化だけで、それ以上の措置は、取られていません。

 だいたい、一度、ロックダウンを解除したら最後、マスクを義務化するだけでも大変な騒ぎで、家族4人で一枚いくらのマスクを一ヶ月使うとこれだけの負担になる!などと騒ぎ出し、洗えるマスクが配布されることや、心臓疾患、糖尿病などの持病を抱えた人には、サージカルマスクが全額保険適用になることになりました。

 バカンスには、平気でお金を使うくせに、マスクとなると、途端にお金がかかって負担になると騒ぎ出す。要は、なんだかんだと難癖をつけては、マスクをしたくないのです。3万人以上の死者を出して、2ヶ月もロックダウン生活をして、さらに現在の一日1000人を超える感染者を出しても、まだ駄々を捏ねるフランス人には、呆れ返ります。

 1000人以上の新規感染者に加えて、一日で10件以上のクラスターも発生しているのです。また、感染者の増加とともに、これまで下がり続けてきた集中治療室の占拠率が下がらなくなったことが発表されています。つまり、一定の人数が毎日、亡くなったり、治癒して出て行くとともに、新しく、集中治療室に入る人が増え始めたということです。

 イルドフランス、グランエスト、オードフランス、ガイアナでは、集中治療室の71%が埋まっている状態です。

 だいたい、コロナウィルスの第一波が来た時は、最初の症例は前年の11月に見られており、そこから全国に蔓延するまで3〜4ヶ月、それを考えると、5月のロックダウン解除から現在2ヶ月半が経っていますが、この数字の上昇の仕方は頷けるような気がするのです。

 おまけに、7月からヨーロッパ内の国境が、解禁していて、国外から来る、例えばフランス以上に感染が広まっているスペインなどからも毎日、たくさんの旅行者が入ってくるのに、空港では、なんの検査もせずに野放し状態なのです。

 さらに、バカンスに入って、デモも休暇状態に入ったと思ったら、フランス国内各地では、リヨンで通行中の若い女性が車で500メートルも引きずられて殺されたり、ニースでのドラッグを巡ってのいざこざから発砲事件が起こったり、高速を走行中の車が突如炎上したり、暴力事件、しかもかなり過激な事件が次から次へと起こっています。

 ロックダウンのストレスとバカンス突入の開放感からか、タガが外れたような人が増えているのです。

 ロックダウンの最中から、外から聞こえてくる救急車のサイレンには、ずいぶんと慣れましたが、今は、コロナウィルスの患者さんだけでなく、他の事故や事件もあるわけで、どうにも止まらないフランスの混乱状態、頼みの綱がマスクだけというのは、あまりにも心細いではありませんか?

<関連>
「マスク義務化のフランスは、コロナウィルス第2波を避けられるのか?」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/07/blog-post_21.html

「コロナウィルス監禁生活でのストレスの矛先 DV・暴動」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/04/blog-post_21.html

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