フランスのル・モンド紙(フランスの大手新聞)は、日本でのコロナウィルスの感染が増加していることを7月17日の紙面で報道しています。報道では、「日本のコロナウィルスの症例は、首都・東京や米軍基地で増加しており、病院は、財政的に追い詰められ、低所得に不満を抱く医療介護者の山に直面しています。」
「7月17日金曜日、日本の首都は新規感染者数293と発表しました。これは1日の感染者数としては、パンデミックが始まって以来の記録的なものです。 5月と6月に停滞した後、7月の初めから毎日の感染が増加しています。東京感染症専門委員会のメンバーである大曲典男氏は、「感染経路が不明なケースは、1週間で2倍になった」と語っています。
パンデミックの発生以来、死者数は、1000人を超えていません。
東京都知事の小池百合子氏は、7月15日に、国民は、予防策が効果を発揮するために状況の緊急性を理解しなければならない・・と、レベル4の最高警戒態勢を敷きました。 住民は再び動きを制限し、距離の測定とマスクの着用を尊重し、外出を避けるように求められました。東京都は、現在3,000件に対して、毎日10,000件のテストをすることを約束しています。新たな汚染の多くは歌舞伎町と池袋の夜間地区のバーやナイトクラブで記録されており、当局は施設の入口で検温テストを受けることを勧めています。
さらに、7月22日に開始予定の「Go Toキャンペーン」(割引で旅行するためのクーポン)は、地域で広がるリスクを減らすために、東京を除外することに決めました。」
この報道を見て、どの口が言っているのか・・と私は、思いました。事実?を報道しているといえばそれまでですが、他国のことを言っている場合なのか・・と。
フランスのコロナウィルスの死者数は、30152人(7月17日現在)、日本の死者数が1000人に迫ろうとしているとしても、30倍以上です。(ちなみにフランスの人口は、日本の約半分です)
また、日本の新規感染者数がパンデミック以来の数字を記録したといっても、300人前後、フランスの新規感染者数は、836人(7月17日)で、全体の感染者数は、ロックダウン中のピークの期間の数字をすでに超えているのです。7月に入って以来、毎日の感染増加の度合いは、フランスの方が明らかにヤバいのです。
それなのに、この事実を棚上げしての、日本の感染者数増加の報道には、何を余裕こいてんだよ!と思ってしまいます。
日本は、この段階で、警戒態勢を敷くのは、賢明だと思います。フランスは、マスクが義務化となったものの、今日もパリのメトロには、スーツケースを持った人がたくさんで、バカンスに出る人の多さが伺えます。
また、街中も、レストランなどは、テラス席がかなり拡張されて、外のスペースで食事をしている人がほとんどですが、これは、テラス席好きのフランス人にとっては、テラス席が増えただけで、ほとんど、いつもの日常で、レストランのスペースでは、食事をすることもあって、マスクをしているのは、店員さんだけです。
現在は、多かれ少なかれ、どこの国も綱渡りの状態、特にフランスは、ほとんどサーカスのような状態です。
早め早めの対応が大事なことは、多くの犠牲者を出したフランスがわかっていないはずはないのに、マスクが義務化されただけで、大騒ぎのフランス。300人の新規感染者で最高警戒態勢を敷く日本と836人の新規感染者が出ても、みんながバカンスに出かけるフランス。この危機感の違いに、もはや、ため息も出ません。
まさか、また、国民のショックを考えて・・などとしていることなら、少しは、ショックを与えてもらいたいくらいです。
<関連>「バカンスを、何よりも優先するフランス人 フランスに Go Toキャンペーンはいらない」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/07/blog-post_12.html
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