2020年4月21日火曜日

コロナウィルス監禁生活でのストレスの矛先 DV・暴動


Police


 平常時でさえも、フランスでは、深刻な問題であるDV(家庭内暴力)の被害は、ロックダウンから約一ヶ月経った今、さらに深刻な問題になっています。フランスでは、家庭内暴力の通報は、119番で相談、通報できるようになっていますが、この家の中に封じ込めの状態で、助けを求めるのは、普段にも増して、難しい状況なのです。

 以前、私の職場にも、DVの被害に遭っている女性がいましたが、最初は、転んだとか、そんな言い訳をしていて、あまりにそれが、頻繁なことから、発覚したのですが、DVの被害者は、なかなか、それを告白したり、通報したりしないのです。

 それでも、平常時には、仕事に行ったり、日常生活は、一日中家にいるわけではないので、まだ、逃げ場がありますが、このロックダウンの状態では、DVが横行する家庭内は、地獄です。

 ただでさえ、慣れない監禁生活で、ストレスが溜まるところを、普段は、平和に生活を送っている人でさえも、精神的な均衡を保つのは、難しいところです。

 フランスでは、119番に加えて、合言葉まで用意して、全国の薬局でのDV被害者の救済に当たっています。

 ところが、やはり、4月に入った頃から(ロックダウンから2週間ほど)DVの通報が増え始め、一週間の通報件数が3000〜4000に増加しています。

 そして、さらにビックリしたのが、ここへ来て、子供に対しての暴力が急激に増加しているということです。狭い空間で、一日中、家族が共に生活していれば、軋轢も生まれるでしょうが、それが、暴力にまで発展することは、ウィルスの感染に加えての恐怖です。

 平常時さえ、フランス人の熱量というものは、デモや暴動などの様子を見ていても、明らかに、日本人とは、違うと感じることもしばしば・・、しかも、クズ男のクズさ加減も桁違いだと感じることが多いので、DV被害というのは、さぞかし恐ろしい状態なのだと思います。

 フランスのテレビを見ていると、しばしば、流されるコロナウィルスへの警告(人との距離をとりましょう、手を洗いましょう、具合が悪くなったら・・などなど・・)とともに、DVに対する救済(被害にあったら、119番に電話してください)というコマーシャルも頻繁に流されるようになりました。

 また、昨日は、パリの郊外の少なくとも5つ以上の地域で、外出のコントロールにあたっている警官と住民の衝突が発生しています。厳しい警官の封鎖に反抗するために、車に火をつけたり、警官に向かって火薬を投げたり、これに対する警察が、これにゴム弾と催眠ガスで応報するという騒動が、このロックダウン中の街中で起こっているのです。

 そんな騒動に周囲の人たちまで集まってくる騒ぎは、2時間近く続いたと言います。

 ロックダウンのストレスの矛先が、ついには、警戒に当たる警察にまで矛先が向き、いつものデモや暴動さながらの状況が繰り広げられる状態は、これまでの監禁生活が水泡に期す危険を孕んでいます。

 良い時は、情熱的、しかし、悪い時は、やたらと血の気の多いと感じられるフランス人のロックダウン、長くなればなるほど、別の問題も起こってきています。

 とはいえ、昨日で、コロナウィルスによる死亡者も20000人を超えたフランス(20265人・4月20日現在)、まだまだ、自由の身になる日は遠いのです。

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