2020年4月25日土曜日

コロナウィル感染・自宅隔離の危険性 フランスは、これで失敗した


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 フランスのテレビでは、厚生省が頻繁にコロナウィルスに対する呼びかけのコマーシャルを流しています。

 少し前までは、「もしも、咳が出たり、熱が出たりしたら、家にいてください。他人との接触を避けてください。そして、あなたのかかりつけのお医者さんに電話で相談してください。通常は、病状は、数日、安静にしていることで回復します。しかし、もし、呼吸が苦しくなったり、息切れがするような、深刻な病状が出てきた場合は、すぐに☎️15に電話してください。」という内容でした。
(現在は、違う内容のものが、大半になっていますが・・)

 咳が出たり、熱が出たりしたら・・医者にかかりなさい!ではなく、家にいてください・・というところで、ズッコケそうなところですが、これが、みるみる感染が拡大してして、医療崩壊を起こしてしまったフランスには、あまりの事態の急激な変化と感染拡大の速度の中で、とりあえず、取れる処置だったのです。

 ところが、結果的に、それは、家庭内での感染に加えて、手遅れになり、病院に入る状態に陥った時には、即、ICU行き、呼吸器を必要とするケースに繋がり、致死率を上げて行きました。

 全ては、最初のロックダウンのタイミングが遅く、かなりのウィルスの蔓延状態になってからの後手後手の対応になってしまったことに、端を発しているのですが、今の日本を見ていると、フランスが辿ってきた最悪のシナリオに似ているような気がしてなりません。

 日本では、ホテル業者などが、感染者受け入れを名乗り出ている、感染者の隔離ができる宿泊施設が確保できた・・などというニュースを見ていたので、少し、安心していたのですが、肝心な検査が充分にできない状態は、致命的なうえ、せっかく確保できている宿泊施設を充分に稼働できていないでいることは、とても残念なことです。

 コロナウィルスの性質を考えれば、感染してから悪化するまでのスピードが異様に早く、自宅待機などという悠長なことをしていては、手遅れになる可能性が高いのです。

 コロナウィルスは、無症状のまま感染している状態の人が、感染を何倍にも撒き散らす恐怖と共に、コロナウィルスによって起こる肺炎が、サイレント(無症候性)低酸素症という酸素欠乏を本人が気付かない初期から起こしていることがわかってきています。

 検査もできず、病院にも行けずにいる場合、他に手立てはないわけで、自宅で血中の酸素濃度をチェックできる機械(パルスオキシメーター)が急激に売れています。

 つまり、実際に本人が息苦しさや呼吸困難を感じた時点では、すでに、肺炎は、かなり深刻な状態に進行しており、ICUに直行する事態に繋がってしまいます。

 ですから、フランスは、この観点からしても、「熱や咳が出始めたら、家にいて下さい。息苦しさを感じたら、救急車を呼んでください!」という呼びかけは、結果、多くの重症患者、呼吸器の不足、死者を増加させる結果となりました。そして、一度、ICUに入れば、その治療は、長期化するのもこの病気の特徴です。

 ICUでの治療の長期化は、後遺症の危険も増加させます。

 もちろん、そのまま、状態が落ち着く場合もあるのですが、どちらにしても、熱や咳などの症状が発症した時点で、すぐに、PCR検査をする必要があったと思います。
フランスの場合は、感染爆発に気付くのがあまりにも遅くて、そんな余裕がなかったのですが・・・。

 一番の課題は、PCR検査がもっと、広範囲で容易に行われる環境を作ることです。何でも、フランスの数倍のスピードで、事が運ぶはずの日本に、できないはずは、ないと思うのですが、どうも、政府が絡むと途端に減速するところが、外から見ていて、どうにも歯痒いばかりです。

 そして、このウィルスの進行の経過の仕方を、一番最初に体験してきたはずの中国が、情報を公開してくれていれば、どれだけの世界中の命が救われたかと思うと残念でなりません。

























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