2020年4月8日水曜日

コロナウィルス・ロックダウン以来、22日ぶりの買い物



 フランスで、外出禁止令が発令されてから、約3週間、これまで、私は、アパートの中のゴミ捨て場とポスト以外、一切、外出せずに過ごしてきました。

 日頃から、私は、安くなっているものを買っておいては、ストックする母譲りの癖があり、ストックのストックがないと、何となく落ち着かないくらいなので、取り立てて、特に、此の期に及んで、買いだめをしなくても、まあ、3ヵ月くらいは、生き延びられるだろうと思っていました。

 しかし、通常、かかりつけのお医者様に3ヵ月ごとに通って、3ヵ月分の薬の処方箋を書いてもらって、もらってくる血圧等の薬が切れてしまい、とうとう、外出せざるを得なくなりました。

 今は、非常時なので、常用している薬に関しては、新しい処方箋を貰うために医者に行かなくとも、前回の処方箋で、薬を出してもらえるとのことで、一昨日、薬局へ出かけました。

 我が家は、コマーシャルセンターから、歩いてすぐのところにあり、薬局に行くなら、外出するついでにスーパーマーケットにも寄ろうと思っていたのです。

 このウィルス騒ぎの最中、外出するのは、もう恐怖で、マスク、抗菌手袋、メガネをして出かけましたが、薬局は、いつもと変わらずスムーズに、薬もとりあえず、一ヵ月分だけということで、もらえたのですが、スーパーマーケットは、長蛇の列(並ぶにも1m以上の間隔を取っているので行列は、余計に長くなります。)で、行列に並んで、長いこと待つのはバカバカしく、翌日の朝、開店と同時に行く事にして、その日は、あっさり、薬だけもらって、帰りました。

 買い物をしようと思い始めると、新鮮な野菜や果物、ヨーグルトやパンやお菓子類なども欲しくなり、翌朝、また、マスクに手袋、メガネの重装備をして、出かけました。開店と同時なら、余裕だろうと思っていたのに、並ばずに入れたものの、結構な人と、すっかり様変わりしたスーパーマーケットの様子は、少なからず、ショッキングでした。

 人と人との距離を取るため、入口や、レジ付近の床には、テープが貼られ、すれ違う人も、お互いに近寄らないように、沈黙を保っています。 

    

 小麦粉は、相変わらず、品切れで、買い置きのできるパンなども棚のほんの一部で、ガラガラです。
 中でも、チョコレートの棚がほとんど品切れになっているのもビックリでした。私が欲しかった板チョコは、品切れで、ふぇ〜??と、立ち尽くしていたら、側にいたおじいさんが、得意げに何枚もチョコレートを抱えて行ったので、私も真似して、おじいさんと同じ板チョコを買ってみました。いつもなら、ここで、「これ、美味しいよ!」とかなんとか、立ち話が始まるところですが、そんなこともできません。

いつもは、たくさんの種類のチョコレートで満杯になっているチョコレートの棚

 それでも、スーパーマーケットの入り口を入った時は、相変わらず、ワインの木箱が積んであって、なんだか、いつもの光景にホッとしました。日常と変わりない光景がこんなにもホッとさせてくれるものだということを改めて思い知らされました。

どこかホッとさせてくれるワインの木箱


 レジでは、店員さんの安全のために、レジの前には、プラスチックの板が貼られ、さらに、レジの前の通路には、物々しいテープでレジの人には、近づけないようにテープが貼られていました。現金で支払うのは、躊躇われて、カードで支払いと言うと、カードの暗証番号を打つ、プッシュボタンにスプレーで消毒してくれました。

 買い物から帰ると、買ってきたものを全部、消毒して、手を洗って、うがいをし、着替えて、冷蔵庫、冷凍庫に納め、ヤレヤレとホッと一息つくと、買い物に行っただけなのに、いつもにはない緊張で、ガックリ疲れました。

 でも、毎日、こんな中で、働いて下さるスーパーマーケットのスタッフには、感謝しか、ありません。会計が終わった後に、店員さんに、「Merci, Bon courage !」(ありがとう、頑張ってください)と声をかけたら、こわばっていた店員さんが、一瞬、笑顔になってくれました。

 いつもは、店員同士がグチャグチャ話していて、なかなか進まないレジですが、やけにレジが早く進むことが、悲しく感じられる買い物でした。

 こんなに重装備をしたり、消毒をしたり、大げさだ!と思うかもしれませんが、ヨーロッパに住んでいる方には、何の不思議もないことだと思います。

 フランスもついに、死者が1万人を超え、一日の死者が、1417人(4月7日現在)とアメリカに次いで世界2位、未だ、増加の一途を辿っているのです。

 フランス人がマスクをすることが当たり前になり、行列にきちんと並び、外に出ても、ほとんど口を効かない異常事態が続いているのです。












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