2020年4月13日月曜日

注目されるマクロン大統領の決断 コロナウィルス・ロックダウン延長



 今晩、マクロン大統領からの発表があるというアナウンスがあり、今のフランスの状態で、外出禁止が解除されることはないことは、国民の誰もがわかっています。しかし、このマクロン大統領の発表が外出禁止の延長であるとしても、それが、いつまで延長になるのか、今後の見通し、政策は、どうしていくのか、大変な注目が集まっています。

 すでに、フランスがロックダウン状態になってから、1ヶ月近く経っていますが、ここ数日、ようやく一日の死者数、集中治療室にいる患者数が減少してきているものの、未だに、イル・ド・フランス(パリ近郊の地域)などの感染者の多い地域では、病院の病室の占拠状態は、300%以上と、悲惨な状況です。

 ロックダウンの宣言をする段階では、フランスの厚生省の関係者によると、国民のショックを最小限にするために、段階的に行われたそうですが、そのロックダウンの数日間の遅れが、どれだけの人の命を奪うことになったか、計り知れません。

 ここへ来て、国民への経済的な援助は、ありながらも、立ちいかなくなる会社も失業率も増加し、この先、ロックダウンがさらに長く続いていくことになると、経済的な逼迫も、より切実なものになり、大変、重要な局面です。

 大方の予想によると、5月の中旬までは、必須という話ですが、中途半端な状態で、ロックダウンを解いてしまっても、再度、感染が爆発した場合は、これまで以上の被害に及ぶことは間違いなく、かといって、このままロックダウンが続いては、経済的にも大変、厳しい状態に陥り、病人を支える経済力にも影響が出てしまうのです。まさに、崖っぷちの状態です。

 少なくとも、ロックダウンの解除は、検査体制の徹底と、全国民に行き渡るマスクの確保ができない限り、不可能と言われています。

 コロナウィルスの感染拡大が始まってから、私は、これまでにないほどフランスの報道と、日本での報道を毎日、見ているので、国や、状況が違うので、一概に比較はできないと思いつつも、ついつい、影響を受けていたのです。

 というのも、日本の政府の対応などを見ているせいか、マクロン大統領の声明は、とても明瞭で、説得力があると感じていたのです。

 ところが、翌日、マクロン大統領の発表を控えて、フランスのマスコミでは、「今回の発表では、なぜ、ロックダウンを延長するのか? その期間の設定の根拠は何なのか? 前回の彼のスピーチには、躊躇が感じられ、説得力がなかった。今回は、もっと、明瞭に説明してもらいたい!」と言っているのです。

 フランスの世論は、マスコミを含めて、とても厳しいです。
国民性の違いと言ったら、それまでですが、事は、多くの国民の命、国がこれ以上の大混乱に陥るか否かの重大事です。マスコミも含めて、厳しく政府を追求することも必要なのです。

 大統領の決断に国民が納得して、一致団結して、さらにコロナウィルスと戦っていくことができるかどうかは、彼の裁量にかかっているといっても過言ではありません。

 当然、フランスのテレビなどの報道では、フランス国内の報道でいっぱいいっぱいで、せいぜい、ヨーロッパ、イギリス、アメリカの現場などで、日本の様子が細かく報道されることは、ありません。

 むしろ、ところどころで、日本や韓国などのアジアの国々では、マスクをする習慣があるから感染者が少ないとか、日本は、マスクを国民に配ることにしたらしい(スゴい)などと報道される程度です。

 政府の対応が詳しく報道されずにいて、よかったかも???



 










 













 

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