2020年4月16日木曜日

コロナウィルス ロックダウンの中、アマゾン フランス閉鎖 ポチッと買物できても配達するのは生身の人間




 WEBサービス会社・アマゾン フランスは、4月14日、ナンテール裁判所での略式審理において、コロナウィルスの感染が広がる中、従業員の安全と健康を保護する義務を明らかに無視しているとし、「食品、医療、衛生用品」を除き、24時間以内に全ての配達を停止するように命じられました。これに違反した場合、一日あたり、100万ユーロのペナルティが課せられることになります。

 アマゾンは、これを不服とし、上訴する意向を示しては、いますが、この判決により、アマゾン フランスは、5日間、フランス国内の全てのアマゾンの倉庫を閉鎖し、アマゾンフランスのサイトも4月16日〜20日まで、閉鎖することになりました。
 この閉鎖期間中、従業員には、報酬の100%が支払われます。

 そもそも、コロナウィルス以前から、アマゾンの労働環境の劣悪さは、フランスだけでなく、アメリカ、イギリス、日本など、たくさんの国で問題になっています。

 その悲惨な状況は、実際に配送の仕事に潜入したルポライターなどのレポートを目にすることがありましたが、安い賃金で、過酷な労働を強いられる人間扱いされないような社風には、疑問が上がっていました。

 フランスでも、アマゾンの倉庫や配達に関わる人から、犠牲者が出ていることがニュースに上がっていましたが、この労働者が強いフランスという国において、信じ難いことだと思っていたのです。

 しかし、今回、コロナウィルスの感染により、アマゾンに調査が入り、その労働環境、特に、このような非常時での会社側の労働者への安全環境が保たれていないことが確認され、今回の業務停止状態になったのです。

 現在のロックダウン状態で、通常以上の注文が入り、商品の管理も配達も煩雑を極め、飽和状態になっている最中の、このアマゾンのロックダウン状態。

 消費者にとっては、命綱とも言える状態でありながらも、実際に配達などの仕事に当たる人にとっては、私たちが今、家庭で受け取ったら、全てを消毒するようなダンボールを満足な装備もなしに、一日にいくつも、何人の人に接して配達し、感染の恐怖に怯えながら仕事をして下さっていることには、本当に言葉が見つかりません。

 アマゾンの配送をしている人は、この最中、安い賃金で、感染の恐怖に怯えながら、マッサージオイルとゲームソフトを配達していることに、絶望的な気持ちになると語っています。

 私自身は、普段から、フランスは、配送事情が悪く、頼んだものが、まともに届かないことも多いので、あまり、ネットショッピングは、しませんが、このような状況、買い物に自分で行けない人にとっては、大切なサービスの一つです。

 経済活動に貢献すると、大義名分を掲げて、気軽にネットショッピングを続ける人も多いようですが、注文は、ネットでポチッと簡単にできても、実際に配達をするのは、生身の人間なのです。

 この状態を放置していれば、本当に生きていくのに必要な配送さえも受け取れなくなってしまいます。

 5日間の閉鎖の後も、アマゾン フランスは、当面の間、配達は、「食品、医療、衛生用品」に制限されることが検討しているそうです。

 今回のアマゾン フランスの例は、実は、氷山の一角で、人命よりも、会社や国の経済状態を重視するところは、たくさんあるのではないかと思っています。

 フランスの死者数は、17167名(4月15日現在)に上っています。

 

 







 















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