2020年3月19日木曜日

フランス(ヨーロッパ)でコロナウィルスが広まる理由




 当初、日本の方が危うかったコロナウィルスの蔓延が、一気に日本を上回り、ヨーロッパ(フランス)で蔓延したのは、なぜでしょうか? 

 当時、日本には、ダイヤモンド・プリンセスの対応で世界中の批判が殺到したものの、現在の状況は、ヨーロッパの方が危機的状況を迎えています。

 比較的気温が低く、乾燥している気候も原因の一つであると思います。

 フランスでも先週、木曜日にマクロン大統領からの、コロナウィルスに関する詳細な説明等の注意勧告の声明の発表があり、週末には、買いだめに走る人でごった返したにも関わらず、屋外とはいえ、土曜日には、感情的になり、興奮状態の黄色いベスト運動のデモが行われ、日曜日には、マルシェがいつもどおりに開き、大勢の人でごった返し、公園では、たくさんの人で賑わっていました。

 先週の木曜日の声明で、充分に、外出禁止のような気分になっていた私には、信じられない光景でした。はっきり言って、「この人たちは、バカなんだろうか?」と思いました。

 一昨日、再度、マクロン大統領からの声明では、「私たちは、今、ウィルスとの戦争状態にある!」と何度も繰り返し、更なる厳しい外出制限・外出禁止が発表されました。

 日本がヨーロッパのような蔓延には、至っていないのは、日本の優れた医療制度によるものも大きいかもしれませんが、私は、その国民性や文化に大きな理由があると思っています。

 日本は、とにかく清潔な国です。フランスから日本へ帰ると、慣れ親しんだ国ながら、毎度のように、空港のきれいなことに眩しいような気持ちにさせられます。きれいというのは、単に綺麗なばかりではなく、清潔という意味でもあります。

 日本の空港は、トイレでさえもピカピカで、フランスの公衆トイレを見慣れている私にとっては、眩しいほどです。フランスの公衆トイレは、ウォシュレットはおろか、便座さえないトイレが多いのです。駅のトイレに至っては、(場所によっては、駅自体)悪臭を放つほどです。

 それに比べて、日本は、常日頃から、テレビをつければ、健康に関する情報が常に流され、毎日、入浴し、除菌・抗菌と常に身の回りを清潔に保ち、少々、度が過ぎるとさえ感じていたほどです。

 衛生観念がヨーロッパの人とは、全く比べものにならないほど違うのです。

 また、挨拶するたびにビズ(お互いに頰を合わせる)したり、握手をしたりする習慣も関係あるでしょう。

 そして、何よりも大きいのは、日本人の真面目さです。人の言うことに従順に従う日本人の真面目さは、時に、ヨーロッパでは、バカにされることもありますが、こうした非常時には、とても重要なことです。

 フランスでは、コロナウィルスに対して、騒ぐだけ騒いで、実際の現実的な対応は、緩慢で、ついに、レストランやカフェが閉店されるという日の午前0時に大勢の人が集まって、その瞬間を楽しむような輩までいて、なぜ、閉店することになっているのかが、理解できない人で溢れていました。

 外出禁止になった今でさえ、パリのマルシェには、食料品の買い物なら、外出許可証さえ持ち歩けばいいんだろうと言わんばかりの日頃と変わりない人出の多さに、取り締まる警官でさえ、為す術もない感じでした。

 自分が感染するリスクは、自業自得ですが、もしかしたら、発症していないだけで、すでに自分が感染していて、他人に感染を広げる可能性だってあるのです。

 この意識の低さ、衛生観念の低さがフランス(ヨーロッパ)の現状を生んでいると私は、思うのです。

 今、私は、フランスにいて、改めて、思うのです。

 日本人の真面目さ、清潔さ、衛生観念、周囲の人を思いやる意識の高さは、とても、素晴らしいことなのだと・・。



<関連>
「コロナウィルスにも屈しないフランス人のデモ・ストライキ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2020/03/blog-post_4.html

「フランスの駅のトイレの先進国とは信じ難い臭さ」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post_27.html

 

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