2020年3月5日木曜日

理系の人間がまともな日常生活を送れない話 その2 娘が理系の道に進んで・・・




 以前、昔の私の職場にいた、ある意味、その道では、恐ろしく優秀な理系のトップの人たちが、なかなか、ユニークな人材の集まりでもあり、彼らが、ちょっと浮世離れした感じというレベルからも、かなり逸脱しており、往々にして、ごくごく普通の一般人の送る日常生活を普通に生きられないという話を書きました。

 そして、そんな昔の職場の理系の博士たちを懐かしく思い出した時に、自分の娘が理系の道に進み出したとたんに、まさかまさかで、その兆候が見え隠れし始めて、ヤバいというところまで、書きました。

 彼女は、小学校から高校まで、家の近所の私立の学校に通い、高校卒業後、プレパー(グランドエコールの準備学校)に進み、その後、グランドエコールに入学しました。彼女が選んだのは、バイオ系の理系の道でした。

 彼女は、高校生の段階で、すでに理系の道を選んでいたので、その時は、理系=以前の職場の博士たちの奇行・・という発想には、私の中では、まるで繋がらなかったのです。

 ところが、ここ数年、彼女は、ある程度、優秀であるはずにも関わらず、ごくごく普通の日常生活で、かなりの欠落した部分が目立ち始めたのです。

 毎日のことなのに、「いってきま〜す!」と家を出て、必ずといっていいくらいの割合で、何か忘れ物をしたといって、すぐに家に戻ってくるだけでなく、物を失くす、壊す、忘れる、転ぶ、駅を間違えて電車に乗り遅れる・・などなど、枚挙にいとまがありません。

 それも、年々、その度合いも頻繁になってきて、今回も、家に帰ってくるのに、鍵を忘れるし、定期券も何度失くしたことか、携帯も壊しては、失くし、歩いていれば転び、自転車に乗っていれば、車と接触事故を起こし、日頃の言動については、もはや、彼女の日常は、うかがい知れないので、わからないのですが、なかなか、きっと、一日、密着してビデオでも撮っていたら、さぞかしおかしなことをやっているのではないかと思われます。

 もともと、周囲の目を気にして、自分のやりたいことを控えるタイプではありませんでしたが、一人でも、自分のペースで堂々と自分を貫いて日常を過ごしているらしいのは明白で、いわゆる周囲の空気を読んで思い煩うといったことも一切ありません。

 きっと、この辺りが、常人との境目で、今から思えば、理系の博士たちの歩まれてきた道を着々と歩んできていたのです。

 普段は、親元を離れて学校の近くのシェアハウスで暮らしている彼女ですが、現在、冬休みでパリに帰ってきており、また、休み中に次の留学手続きの書類を揃えていたのですが、締め切りの期日を間違えており、今週中に提出しなければならない書類をシェアハウスに忘れてきており、あわや、TGVで数時間かけて、シェアハウスにトンボ帰りしなければならないところを、同居人になんとか連絡をとり、彼女の部屋にある書類をメールで送ってもらう手筈をなんとかつける算段をしているところに、彼女の部屋から、ガラガラガッチャ〜ンという派手な音。また、何かを破壊した模様。

 心優しい同居人のおかげで、留学手続きの書類は、無事に送ることができたのですが、万事がこの調子のズボラ加減で、一体、どうして彼女の学業に支障が出ないのかは、不思議でなりません。

 昔は、職場の博士たちの奇行に、呆気にとられて笑っていた私ですが、これが我が娘のこととなれば、笑ってばかりはいられません。

 親としては、そんなに優秀でなくてもいいから、無事で、つつがない人生を歩んで欲しいと思うばかりです。

 
⭐︎よろしければ、前編もご覧下さい。
「理系の人間がまともな日常生活を送れない話 その1 娘が理系の道に進んで・・」
https://rikakaigaiseikatsu.blogspot.com/2019/08/blog-post.html

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