依然として、失業率が高く、若年層においてさえも厳しいフランスの雇用情勢の中、若者の学生アルバイトとて、見つけるのは、容易ではありません。
これは、フランスの経済が低迷していることはもちろん、その雇用形態と、本来ならば、労働者を守るための法律に起因しています。
つまり、一度、雇ったら最後、解雇することも容易ではなく、若者を含めた新規の雇用が難しい状態になっているのです。
そんな中、いわゆる日本には、有り余るほどある学生アルバイトのような仕事でさえ、なかなか、若者にもその機会が巡って来ないのが現状なのです。
こういった状況の中、娘は、一人暮らしを始めて以来、彼女の現在の住まいの近くの私立の学校と契約している、エチュード(正規の学校の授業が終了した後の補習授業)を提供する会社と個人契約して、補習授業の講師のアルバイトをしています。
ある程度、自分の学校の授業などのスケジュールと調整できることもあり、彼女は、やる気のない生徒に対しても、かなり厳しい、おっかない先生として、アルバイトを続けてきました。
それが、昨年末あたりに、もう一つ、土日をメインにしたバイトを見つけたといって、新しいアルバイトを見つけてきたのです。学校の先輩がこれまで続けてきたアルバイトで、彼女が留学を機会にその仕事を辞めるために、後任を探しているとのことで、何やらとにかく楽そうな仕事だとか・・。
果たしてそれは、ほぼほぼ、居るだけでいい、というアルバイトでした。先方は、「とにかく、時間だけは、きっちりしてくれればいい」ということで、駐車場のモニタールームで、モニターを監視して、たまにやってくる駐車場の利用者の質問に答えるだけで、その間は、勉強をしていても構わないし、食事もその場所で取ってくれれば、いつ、いくらでも食事の時間をかけても構わないという、またとない楽チンなアルバイトでした。
モニターを眺めて、何か問題があれば、連絡をするだけ、(しかし、問題など、そうそう起こるものでもありません。)決して危険なことに自分で対応しようとしてはいけないというお仕事です。
時間をキッチリ守ってくれる人というだけでも、フランス人の場合は、かなり絞られるのかもしれませんが、それにしても、そんなアルバイト、そうそうあるものではありません。
以来、彼女は、自分のパソコンやレポートを抱えて、せっせとアルバイトに通っているのです。アルバイトでお金をもらいながら、彼女は、せっせとレポートを仕上げ、自分のしたい勉強をし、たまにやってくる駐車場のお客さんから、「勉強していて、エライね〜!」などと、お褒めの言葉を預かるのだそうです。
この失業率の高い国で、こんなに楽チンなバイト、しかし、これも6月から始まる彼女のスタージュのためにあと3ヵ月ほど。
美味しい話は、そう長くは続かないものです。
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