2020年3月22日日曜日

在外邦人は、コロナウィルス対策への日本の状況を心配している




 フランス(ヨーロッパ)のコロナウィルスの事態は、日々、刻々と変わっています。イタリアでは、すでに医療崩壊を起こし、既に発症元の中国の死者数を上回っているので、イタリアの状態ばかりが報道されていますが、それは、イタリアに限ったことではありません。

 フランスとて、15000人近くの人が感染し、600人近い人が亡くなっています。つい、先週までは、黄色いベスト運動のデモが止まずにいたことや、フランス人の意識の低さを考えれば、致し方ないことかもしれません。

 外出禁止の措置が取られてもなお、従わない人が後を経たず、警察、軍、ついには、ドローンまで使っての監視が始まっています。

 当初は、若者には、脅威ではないと言われていたコロナウィルスも、若者でさえ、重篤な状態になりうることもわかっており、とにかく、いつまでたっても、外出禁止が徹底せず、市民の危機感の薄さに、マクロン大統領も、「とにかく、家にいろ!」と、必死で訴えています。

 そんな状況から、外出の縛りは、どんどん、キツくなっています。

 テレビ等の報道でも、パリの集中治療室の最前線で戦っている医師が、「この24時間で、集中治療室に入る患者が急増し、人工呼吸器が必要な重篤な患者が35%にも増えている。歩いてやってきた患者が2時間後には、集中治療室に入っている。事はかなり深刻だ。このウィルスは、最悪だ。だが、これは現実だ!外出をやめなさい!事の重大さは、あなたの想像を超えている!」と訴えています。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウィルスの感染者が世界全体で28万人を超え、3日間で約8万人が上積みされ、世界各地で、増加ペースが加速している実態が明らかになり、世界の死者は、1万1千人を超えました。

 日本は、これまで、高度な医療システムや、日頃からの衛生観念の高い、生活習慣や真面目な性格から、オーバーシュート(爆発的な感染)には、至っていません。

 しかし、このヨーロッパの(世界の)状況を目の当たりにしている在外邦人の多くは、逆に、日本にいる家族(特に高齢の両親)を心配しています。

 ここ数日の連休の日本の様子の映像を見ていると、オリンピックの聖火を東日本大震災の被災3県で巡回展示する催しに5万人以上が集まったとか、伊勢神宮や鎌倉の観光客が戻ってきているとか、テーマパークが再開したとか・・お花見気分でピクニックをする様子など、信じられない光景ばかりが目につきます。

 コロナウィルスのハッキリとした性質も解明されていない今、事態を舐めてはいけません。日本(東京)のように密集度が高い上に高齢化社会で、しかも、初期から感染者が出ていたことを考えれば、もうイタリア以上になっていてもおかしくないのに、重症化したり、亡くなった人が少ないという事は、そんなに酷くないと考えるのもわからないではありません。

 しかし、これまでも大丈夫だったから、これからも大丈夫だろうとの思い込み、日本なら、大丈夫だろうという過信は禁物です。オーバーシュートは、突然、起こるのです。

 本当に日本は、大丈夫なのだろうか? 世界の状況に比べて、あまりに緩い日本の状況を見ると、温度差を感じ、不安を感じます。

 人ごとではない状況ながら、コロナウィルスによる危機的状況を実感している海外に住む日本人は、日本の状況を心配しています。

 



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