2020年3月30日月曜日

フランスのロックダウンは遅すぎた コロナウィルスと戦う大移動作戦




 フランスでは、コロナウィルスの蔓延から、病院が飽和状態に達している地域から、まだ余裕のある地域の病院への、重篤な状態の患者さんの大移動が、始まっています。

 日々、300名近くの死亡者が出ている状態が続いていると同時に、新たに、集中治療室のケアが必要な重症患者がそれを上回る数字で増え続けています。(+359名/4362名/3月29日現在)

 移動する患者さんは、既に、かなり重篤な状態なので、人工呼吸器等の装置をつけた状態での移動ですから、大掛かりな装置とともに、スタッフが付き添っての救急車、TGV(新幹線)、場所によっては、軍のヘリコプターを使っての大移動ですから、かなり、物々しい大掛かりな大移動です。

 日曜日は、3箇所の飽和状態の地域からのドイツなどの海外を含む大移動となりました。中でも、もっとも、被害者を多く出している Grand Est グランエスト(フランス北東部の地方で既にその地方だけで750名以上の死者が出ている)から36名の重症患者が、医療装置を備えられたTGVで、Poitier ポアチエ (フランス西部にある地方)や Bordeaux ボルドー(フランス南西部の中心的な都市)へ移送されています。

 現在は、それでも、まだ、移送できる地域が残っているので、まだ、大掛かりであろうが、移送も可能ですが、このまま、重篤な患者が増え続ければ、さらに悲惨な状況に陥るのは、明白です。

 このロックダウンの効果が現れ始め、感染者(特に重症患者)が、なんとか減り始めるまでに、この状態をなんとか、持ちこたえなければなりません。

 残念ながら、フランスは、ロックダウンのタイミングが遅かったと考えざるを得ません。そして、あまりにも国民が甘く見て、アジアの特殊な病気だろうと言わんばかりに、コロナウィルスを舐めていました。

 日頃からの衛生観念の欠如と生活習慣や、大人しく警戒に従わないという国民性もありますが、今から振り返って考えれば、もう少し、早いタイミングで、警戒して、ロックダウンをしていれば、ここまでの悲惨な状況には、なっていなかったと思います。

 フランス人は、従順な規律正しい人たちではありませんから、ロックダウンをしない限り、ウィルスの蔓延は防げなかったと思います。本当にギリギリまで、まるで、自分たちだけは、感染しないとでも思っているとばかりに、油断していました。

 もはや、フランスでは、感染しただけでは、入院できないのです。

 自分たちに火の粉が降りかからなければ、なかなか実感としてわからない、わかりたくないのが心情ですが、今や世界中に広がる惨状を見れば、自分だけは、大丈夫ということは、もはや、あり得ないことが、世界中が証明しているのです。

 日本は、衛生観念も優れた、規律正しい人の多い国です。ロックダウンにならなくとも、一人一人が注意して行動すれば、なんとか、この危機を乗り越えることができるかもしれません。経済がストップしてしまうことも深刻ですが、自粛ができない人が後を立たないならば、一刻も早く、外出禁止の措置を取るべきです。

 私の祖国である日本が、フランスのような、惨状に陥らないように、これ以上の感染者を広げることのないように、心から祈っています。

 

 

 

 

0 コメント: