2019年11月1日金曜日

フランスの弁当(BENTO)ブーム


※写真は、パリ3区(マレ地区近辺)マルシェ・アンファンルージュ内にあるお弁当屋さんのお料理。
これは、イートインですが、テイクアウトの場合は、これをお弁当箱に詰めてくれます。
手前は、揚げ出し豆腐、奥は、アジフライ。トンカツや唐揚げなどが人気のようでした。



 娘は、小さい頃から、大の和食党、というよりも、フランス料理が苦手、白いご飯におかず・・という食事が好きで、たまに、学校で遠足のような機会があっても、サンドイッチではなく、「ご飯とおかずの入ったお弁当を持っていく!」と言い張り、周りの子供たちは、遠足、ピクニックといえば、サンドイッチだろうに、「自分だけ、違うのって嫌じゃないの?」と、私がいくら言っても、「他の人と違っても、全然、いいの!」と言い張って、私に、ご飯におかずの入ったお弁当を作らせるのでした。

 案の定、帰ってきた娘に聞くと、物珍しいお弁当には、みんなが寄ってきて、見せて見せて!と人だかりができたとのこと、それでも、全然平気な娘から、フランスは、みんなと同じじゃなくていいんだ・・(日本だったら、人と違うお弁当を持っていくことは、ためらいがちになりそうなところ・・)などと思わされたものでした。

 あれから、随分と時は、経ち、日本ブーム、日本食ブームからか、パリにも日本のお弁当屋さんが随分とできました。

 かつても、日本人街と言われるオペラ界隈ならば、お弁当屋さんもあったのですが、今では、その辺りでは、中華や韓国などのお弁当屋さんまでできました。(単なるテイクアウトではなく、それがお弁当の様相を呈していることからも、お弁当人気が伺えます。)

 そして、今では、日本人が特に多いと言われる地域ではない、サンジェルマンデプレやマレ地区などにもお弁当屋さんができ、お昼どきなどは、器用にお箸を使う地元のフランス人で賑わっています。

 トンカツや唐揚げなどの揚げ物が人気があるようでしたが、必ず、野菜をたっぷりと使った副菜が数種類、添えられており、健康にも気を配られているメニューが、フランス人にもウケているようです。

 お弁当の値段は、15ユーロ(1800円)前後と日本のお弁当と比べると高めですが、総じて外食の高いパリでは、昼食の値段としては、妥当な線だと思われます。

 また、お弁当箱も大変な人気で、パリのギャラリーラファイエットのメゾン館には、Mon Bento と銘打ったお弁当箱のコーナーが設けられ、フランス仕様に改良されたナイフ、スプーン、フォークなどがセットになったおしゃれでキレイなお弁当箱が、30ユーロ〜50ユーロ(3600円〜6000円くらい)のなかなかなお値段で売られています。

 それに目をつけた人がフランス人向けにネットでお弁当箱を販売し、大成功をおさめた人もいるくらいです。日本なら、100均でも買えるお弁当箱と比べたら、随分と高いですよね。

 ケチなフランス人がそれでも買うお弁当箱・・スゴいですね!

 ツイッターなどで、流れてくる日本人のお弁当は、栄養のバランスも配慮され、彩り豊かで、かなりのハイスペックですが、日頃、大したお料理をしないフランス人が、その高価なお弁当箱に何を詰めているのか、大変、興味深いところです。

 ちなみに、元同僚であったフランス人のお弁当は、ガサッとパスタが放り込まれているお弁当でした。

 お弁当は、日本の文化の一つだと思いますが、今や、BENTO(ベントー)は、スシやテンプラと同じように、フランス語に訳されることなく、そのまま、BENTOとして使われる言葉になり、親しまれるようになりました。

 日本のものがフランス人に広く受け入れられていることは、日本人として、ちょっぴり誇らしく、嬉しいことです。

 

0 コメント: