フランスの職場でのイジメと嫌がらせから、悲惨な結果になったリンダちゃんの話
リンダちゃんは、主人の姪っ子で、主人の兄夫婦の5人の子供のうちの一人で、暖かい大家族の中で、育った、明るく、大らかな女の子でした。
義兄夫婦の家族は、パリ郊外に大きな家を持ち、子供たちが独立した後も、兄弟姉妹が皆、近くに家を構えて、週末になると、皆が実家に集まってきて、食事をとり、仲良く暮らしていました。
リンダちゃんは、お兄さんと弟、そして、妹がいる、ちょうど、真ん中の子供で、私がはじめて彼女に会った時は、どちらかというと、たくましく、どんと構えているタイプの印象の彼女でしたが、その後、彼女は、あることをきっかけに、みるみる変わっていってしまったのです。
大方の兄弟は、若いうちから付き合っていた彼氏、彼女と結婚し、お互いを若い頃から知り合っていて、その家族とも家族ぐるみの付き合いをしている、いわゆる幼馴染みのような関係でした。
リンダちゃんも幼馴染みの彼と結婚し、フランスの大きなチェーン展開をしている洋服屋さんで、働いていたのです。
彼女の幸せな人生が崩れ始めたのは、子供が生まれてまもなくのことでした。
彼女の職場で、陰湿なイジメが始まり、彼女は、みるみる不安定になっていったのです。悪いことに、ちょうど、彼女には、初めての子供が生まれたばかりで、そうでなくても、育児の不安などが重なり、精神的にも体力的にもキツかったことが、彼女をますます追い込んでいってしまったのだと思います。
あっという間に、彼女は、重い、うつ状態に陥り、子供を育てられる状態ではなくなりました。しばらくは、ご主人が一人で、リンダちゃんと子供の世話をしていたのですが、そのうち、ご主人の方も音を上げて、リンダちゃんと子供は、実家に帰ってきました。
状態が、落ち着けば、元に戻るだろうと思っていたのに、そのうち、ご主人に女の人ができ、結局は、離婚することになってしまったのです。
そして、離婚してすぐに、今度は、ご主人との間での親権争いです。
フランスでは、共同親権が認められていますので、親権を奪われることは、なかったものの、結局、彼女が精神的に不安定な状態ということで、子供は、お父さんと一緒に暮らすということになってしまったのです。
職場での事件をきっかけに、明るかった彼女の暮らしは、あっという間に一変してしまいました。
職場でのイジメがどんなものであったのかは、わかりません。
一時は、職場のいじめた本人、あるいは、会社を訴えるという話も持ち上がっていましたが、その後の離婚、子供との離別を抱えて、さらに、うつ状態になってしまった彼女には、荷が重い話で、結局、裁判には、至りませんでした。
私も職場で、仕事が増えていく私に、嫉妬半分で、嫌がらせをする年長の女性に辟易したこともありましたが、私は、もっと図々しく、自分でも、大人気ないなぁ・・と思いながらも、どうにも腹が立って、ボスの元へとその張本人を引っ張っていき、「私は、あなたに依頼されたことをやっているのです。彼女がこの仕事をやりたいならば、どうぞ、彼女にやってもらってください!」と激怒したことがありました。
イジメや嫌がらせというものは、黙っていると、エスカレートしていってしまうのです。
それ以来、彼女は、一切、私に嫌がらせをすることはなくなりました。
話は、それましたが、人生、何がきっかけで、思わぬ方向に転んでしまうのか、わからない・・と、リンダちゃんの事件を見て、つくづく思わされたのでした。
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