2019年11月3日日曜日

フランスには、日本のような贈答品の習慣はない




 思うに、日本ほど、年がら年中、贈り物をし合っている国も珍しいのではないかと思います。お中元、お歳暮、お年賀、入学祝い、結婚祝い、結婚式の引出物、お香典、お香典返し、お見舞い、快気祝い、御礼、手土産、そして、旅行に出れば、旅先からのお土産。

 確かに私自身も日本に帰るときは、必ずお土産を持って行っていますし、パリに旅行に来る日本人なども、家族や友人、職場へのバラマキ用のお土産まで、きっちり買って行く人が多いです。

 フランス人は、自分たちがバカンスに行ったからといって、取り立てて、お土産を広範囲の知人に渡って配り歩くようなことは、ありません。

 たまに、日本に行くと、年がら年中、何かを贈りあっている印象をあらためて感じます。以前、私も日本にいた頃には、そのサイクルの中にいたはずなのに、そんなことを感じるのは、フランスには、そのような習慣があまりないからなのです。

 一度、帰国時に親戚の新年会に急に参加することになった際、従姉妹の車に乗せて行ってもらった時に、「ちょっと途中で、お年賀を買うから、和菓子屋さんに寄らせてね。」と言われて、初めて、お年賀というものの、存在を思い出し、慌てて、私もそこで、親戚の家族分のお年賀を買ったことがありました。

 果たして、新年会では、それぞれの家庭がお年賀を贈り合い、それらの家庭の数のお年賀が戻ってくるのでした。

 まことに日本らしい光景を久しぶりに見た気がしました。

 何かのお礼を送ったりすると、お礼のお礼がまた、送られてきたりして、なんだか、これって、エンドレス??と思ってしまったりもします。

 そこへいくと、フランスというのは、シンプルで、形式張った贈り物をしあうということは、ありません。まあ、あるのは、家族や親しい間柄での、クリスマスプレゼントやくらいでしょうか?

 それでも、どこか、日本の習慣を引きずっている私は、ちょっとお世話をかけたり、子供が頻繁に遊びに行って、ご馳走にばかりなっていたりすると、お礼にちょっとしたものを差し上げたりしていました。

 「こんなこと、フランスでは、いちいちしないよ!」と娘に言われながらも、受け取る方は、決して嫌な気がするものではないらしく、あとで、お礼の電話をくれたり、「これは、日本の文化なのね〜。」と言ってくれたりします。

 この日本の贈り物というのは、確かに、外国から見たら、日本独特な習慣、文化の一つなのかもしれません。











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