2019年11月27日水曜日

フランスの学校の先生の仕事は授業を教えることだけ フランスに金八先生はいない




 フランスの学校の先生は、基本的に学校で授業を教える以外のことはしません。

 また、先生の研修なども、フランスの学校には、あれだけの長いバカンスがありながら、(年間でトータルすると3ヶ月以上はあるのではないでしょうか?)授業のある期間に行われるのです。

 つまり、研修は、仕事の一環であって、バカンス中は、先生も仕事をしないということなのでしょう。

 また、給食もキャンティーンには、キャンティーンの見張りをするような、職員がいるので、給食の世話をするということもありません。

 フランスの学校には、日本でいう、クラブ活動のようなものもないので、部活の顧問の先生なんていうものもありませんし、学校の外で起こったことに関して、一切、関知しません。個人の生活に関わることもありません。

 つまり、自分の受け持つ授業を教えるということが、彼らの仕事なのです。

 以前、私の勤め先の近くにあった中学校の生徒が、会社の入っていたビルの前に座り込んだり、暴れたり、いたずらをしたりと、あまりに酷かったので、会社の人が学校に苦情を言いに行ったら、「学校外で起こったことに関しては、学校は、一切、関知しません。」と言われたそうで、学校外のことを先生が生徒に注意したりすることもありません。

 日本でも、先生の当たり外れは、ありますが、フランスの学校の先生のハズレは、ケタ違いです。

 娘が小学生の時でしたが、一度、酷い先生に当たったことがありました。

 フランスの学校には、校内にプールがあることは、ほとんどないので、水泳の授業は、市内のプールを学校毎に交代で、割り振られて使います。なので、水泳の授業は、夏ばかりにあるとは、限らずに、真冬に当たることもあるのです。

 室内の温水プールですから、泳ぐ分には、問題は、ないのですが、その行き帰りの道は、寒い中、みんなで、ぞろぞろと歩いて行くことになるわけです。

 プールの室内と外の温度差が激しくて、風邪を引いてしまうのでは・・と、親なら、誰もが心配するところです。それなのに、「女の子のタイツは禁止」と、先生から、お達しが・・「え〜〜??なんで〜〜??」と思いきや、「着替えに時間がかかるから・・」とのことで、呆れました。

 また、授業中も、無駄に厳しい先生で、授業中にトイレにどうしても行かせてくれずに、漏らしてしまった気の弱い男の子もいました。

 極め付けは、授業中、具合が悪くなったと申し出た生徒に対して、「私は、医者じゃない!」と言い放ったとか・・。これには、さすがに、父兄の間で、連絡が周り、学校にも申し入れが入ったと聞いています。

 しかし、中学、高校と進むにつれて、進学校であったこともあるのかもしれませんが、素晴らしい先生もいて、年に一度、担任の先生が一年間の授業や進学の問題についてのレクチャーを父兄向けにする機会がありましたが、その中には、こんなに高い志を持って、教育に携わっている先生もフランスにもいるのだ・・と感心させられるような先生にもお世話になりました。

 その懇談会から帰ってきて、娘に、「素晴らしい先生じゃない!!」と言うと、娘は、シラっとして、「営業、営業!!だって、いつもは、あんなにいいスーツ着てないし・・」などと、半分、照れながら言うのですが、先生のお話は、そんな、営業で、付け焼き刃で話せるような内容ではなく、教育という仕事に対する情熱と信念を感じさせるようなお話でした。

 兎にも角にも、フランスの先生の仕事は、授業を教えることであって、クラブ活動などの世話をしたり、個人的な事情に関わって面倒を見たりすることはないのです。

 フランスの学校には、金八先生は、いないのです。

 











 

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