2019年11月10日日曜日

パリで犯罪から身を守る方法は、まず、犯罪の手口を知ること




 今年に入って、パリ市内の犯罪発生件数は、35000件を超え、昨年と比べて9パーセント以上、うち、暴力を伴う犯罪件数が増加傾向にあると発表されています。

 ことに、スリや置き引きだけでなく、盗難を目的とした暴力被害の増加は、深刻な状況にあります。スリや置き引きならば、ある程度、注意すれば、避けることは、可能ですが、身体的な危害を加えられての盗難は、狙われたら最後、避けることは、難しいでしょう。

 残念なことに、時には、昼日中、凱旋門の辺りにさえ、ナイフをチラつかせて、金品を奪おうとする一団なども現れたりします。

 特に、日本人観光客は、他国の観光客と比べて、高額の現金を持っている確率が高く、確実に狙われています。

 これから、クリスマス、年末年始に向けては、お金が欲しい人が多く、例年、犯罪件数も上がり、日本からの荷物が無事に届かなかったりすることが多いので、私自身は、12月の荷物の配送は、時期をずらすようにお願いしています。

 それでも、ある程度、犯罪には、こんな手口が、あったということを知っていれば、多少は、注意して、回避することができると思うので、ここでは、今まで私が耳にした犯罪を書いておこうと思います。

 メトロでのスリ被害で言えば、よく聞くのが1号線で、これは、パリの中の観光地をいくつも通っている線でもあり、日本語のアナウンスも入るくらいですから、きっと日本人観光客も多いのでしょう。

 一つ一つの駅の間隔が短いため、犯人が逃げやすいということもあるのだと思います。そして、メトロに乗る時には、ドア近辺には、できるだけ立たないことです。

 犯人が降り際にひったくって、逃げていくからです。

 また、最新型の携帯電話などは、狙われやすいので、注意が必要です。

 オペラ座界隈は、日本食のレストランや食料品などのお店も多く、日本人の集まることでも有名なので、常時、狙っているジプシーの子供達がいます。何度、捕まっても、子供なので、フランスでは、警察もすぐに逃してしまうのです。

 また、オペラ座前の広場には、アンケートを装って近づいてくるスリの一団もいます。親切にアンケートに答えていたりすると、仲間の一味がアンケートに気を取られている間にスリを働いていきます。

 また、スリがいるのは、路上だけではありません。デパートの中や、お店の中、レストラン、食料品店などにも、観光客になりすましたスリや、きちんとした身なりのビジネスマンを装った置き引きなどもいます。

 一時、日本人狙いなのか、日本食レストランや、日本食料品を扱うお店にスリや置き引きが多発して、必ずお店には、注意喚起の張り紙が貼られていました。

 よく、レストランなどでは、バッグを椅子の背にかけたりしますが、絶対にバッグは、そのように置いてはいけません。相手は、プロなのです。座って、おしゃべりをしながら食事をしている間にも、一瞬の隙を狙って、奪っていきます。

 駅では、切符を買うために並んでいたりすると、自分のカードが通らないから、その分の現金を渡すから、カードを使わせて欲しいと寄ってくる人がいます。その分の現金は渡すのですが、その間に、カードナンバーを控えられ、後日に多額の買い物で引き落とされていたりすることがあります。

 観光客の人は、あまり、パリで自分で運転をする方はいらっしゃらないと思いますが、パリで、自分の車を運転していて、運転中、うっかり車をロックし忘れて、車が停車した途端に車に強引に押入られたケースもあります。

 オートバイでのひったくりもあり、たすき掛けにしていたショルダーの紐が切れずにそのまま引きずられたり、高額の現金を持っていることを狙われたパリのガイドさんがホテルの前で早朝に強盗に殴り倒されて、死亡したという悲惨な事件も起きています。

 ここで、そのホテルの名前(パリの北部にあるホテルです)をあげることは、避けますが、驚くことに、日本の旅行会社は、その事故の起こったホテルの提供をやめていませんので、パリに来られる際は、ホテルの場所にも十分に注意された方が良いと思います。

 そういう私も、一度、知人のお葬式の帰りにお葬式でもらった花束を持って、ちょっと知人の亡くなったことに呆然としながら、歩いていたところ、(観光地でもなんでもなく、日頃、通勤で通っているオフィスビルが広場を挟んで立っているごくごく安全な場所です)、普通に黒人の男性が歩いてきて、いきなり、していたネックレスを引きちぎられたことがありました。

 お葬式だったので、そんなに派手な身なりをしていたわけではないのですが、どこか、我を失っているような私の様子が犯人には、目についたのでしょう。

 恐怖で、声も出ずに、一瞬、何が起きたのかもわからなかったくらいです。ハッと我に帰って、直後に「ぎゃ〜!助けて〜!」と叫んだのですが、時すでに遅しで、走って逃げていく犯人を追ってくれる人は誰もいませんでした。

 残念なことですが、パリの街を歩くときは、絶対に華美な服装は、避け、ブランド物などは、間違っても持ち歩かないことです。そして、ごく身近に知らない人が近寄ってくる場合は、避け、ある程度、他人とは、距離をとることが賢明だと思います。

 忘れ物をしても、かなりの確率で出てくる日本と違って、パリは、警察に被害届を出しても、(保険等の手続きに必要だと思いますが)戻ってくることは、まず、ありえません。

 何より、楽しいはずの旅行が気分、台無しになってしまいます。

 パリを旅行される方は、十分に気を引き締めて、歩かれることをおすすめいたします。

 


0 コメント: