2026年5月31日日曜日

あまりに暑くてアフリカ生活を思い出しました

  


 連日の酷暑に、もう息も絶え絶えの生活を送っています。

 もう一日のうちに何回、天気予報のアプリを開いて気温を確認していることか?自分でやっていて、愚かしいと思いながら、一縷の望みを込めながら(もしかして、急に雨が降ってこないかな?とか、少しでも気温が下がらないかな?とか・・)何度も何度も気温を確認してしまいます。

 考えてみれば、まだ5月なのです。なのに、これだけ暑いなんて!こんなことってある?とか考えだして、「そういえば、アフリカにいた頃は一年を通してほぼ、こんな感じだった・・」とアフリカ生活の一遍を思い出しました。

 赤い土、突き刺すような日差し・・。

 アフリカのアパートは、メゾネットになっている、とても広いアパートでしたが、冷房はあったものの、その冷房がしょっちゅう故障。修理を頼むと、ぞろぞろと10人くらいで修理にやってきました。

 イカツい男たちがゾロゾロと家に入ってくるのですから、なんだかとっても怖かったです。

 修理が終わって、しばらくは、冷房が復活するのですが、また少しすると、また冷房が効かなくなり、また修理・・を繰り返すうち、これは修理を頼んでもムダ。しかも10人くらいの男性が家にやってくるのですから、なんとなく不用心な感じもあり、さりとて、留守にするわけにもいかないので厄介でした。

 終いには、わざとちゃんとなおさないんじゃない?という気がしてきて、なので、しばらくしてからは、もう冷房はないものと諦めていました。

 パリの家ではもともとエアコンがないので、同じですが、家が狭いので、もっと室内が蒸している気もしています。

 今から考えるとアフリカでは、アパートの敷地内にはプールもあり、家にはボーイさんもいて・・と一見、優雅な生活な感じもしますが、とはいえ、日中はマラリアに感染するリスクのある蚊にさされる危険性があるために、朝の早い時間か夜しか入れないプールで、冷房はろくに効かない、一人で気軽に出かけるということもできず、不自由さも結構、ありました。

 なにせ、ボーイさんがいてくれるのはありがたかったのですが、とにかく他人が家に一日中いるということが、慣れていない私にとっては、けっこう疲れることでもありました。自分で何でもやるから気ままに一人で過ごしたい・・そんな風にも思ったこともあります。

 でも、私は当時はほとんどフランス語ができない状態だったので、とにかくフランス語の勉強に必死で、市内の大学に通って、帰ってくると復習と予習で、とにかく勉強の日々でした。

 年中夏で、夏服しかいらないというのはラクといえば、ラクでしたが、これほど味気ないものもありません。ましてや夏といっても、生半可な夏ではなく、お昼過ぎには、もうまともに外に出れない、仕事にならない暑さになってしまうという暑さ。

 ごくごくたま~~に、朝、起きて、曇っている日があったりすると、心の底からホッとしたことを覚えています。今のフランスもいささか、そんな感じ・・しかし、残念ながら、猛暑日が始まってから、曇っている日はありません。

 アフリカではフランス語でしたが、お昼過ぎには、あいさつも「ボンジュール」ではなく、「ボンソワール」なのです。つまり、午前中でほぼ終わりということです。アフリカでは、この気候のために、仕事にならない・・一日、半日しか仕事をしない・・発展しない・・んだな・・と思った記憶があります。人間、暑すぎると物事に集中して取り組めません。

 それでもアフリカでは7月8月にかけては、若干、気温が下がっていたりすることもあり、とはいえ、若干、暑さがマシになる程度でしたが、家に来ていたボーイさんが、ある日、その比較的、気温が下がっている日に毛織物のセーターを着てきたことがあったのに、驚いたこともありました。えっ?そんなに寒くないでしょ・・と言ったのですが、(比較的、低温といっても20℃台前半程度の気温です)彼にとっては、充分、寒いんだとか・・。

 フランスでも、年々、夏の期間が長くなり、以前は厳しい夏の暑さはせいぜい8月の1週間か10日間くらいだったのが、今では耐えきれない暑さが5月から・・。

 先ほど、近所のスーパーマーケットに行ったのですが、さすがのあんまりの炎天下に街中を歩いている人は、ほとんど見かけませんでした。さすがにね・・やっぱり、みんなしんどいのです。 

 まさか、このまま暑さが続くとは思えませんが、だんだんとアフリカみたいになってきた・・と思ってしまうのです。

 今は外出する時は、日傘と手持ち扇風機、ネックリングに凍らせたペットボトルの重装備で出かけるのですが、必ずなにか忘れているのです。今日は日傘を忘れて出かけてしまいました。でも、ネックリングだけは、もう手放せなくなっていて、今日、マルシェのおにいさんに、「それなに?冷たいの?いいなぁ~~」とうらやましがられました。

 ほんと、ネックリングは最近の私の命綱・・救世主みたいなものです。

 こんな暑さの中で、また、フランスは、まだまだこの猛暑に公共交通機関が猛暑対応できておらず、冷房の入っていないバスも多く、なぜかTGVなどは、事故・・というか、列車がストップしてしまうケースをここ数日、よく聞きます。

 この暑さの中、冷房もストップし、列車の中で缶詰め状態は、まさに地獄。見かねたSNCF(フランス国鉄)は、緊急対応として、待機時間中、乗客を野原におろしている様子が報道されていました。

 夏前から猛暑が訪れるようになったフランスは、まだまだ猛暑対応が行き届いていないのです。


猛暑 酷暑 フランス 


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2026年5月30日土曜日

年に一度の極上 SPA スパ 今年は Maison Albar Le Pont Neuf

  


 ここ数年、私のお誕生日には、娘がスパのチケットをプレゼントしてくれるので、私にとっては、年に一回の贅沢なひとときを過ごすことができています。

 この手のチケットはたいてい一年間有効なので、もう実際にプレゼントをもらってからは、かなり時間が経っていて、もう少し、気候が良くなってからにしようと大事にとってありました。

 自分の都合の良い日に予約を入れるのですが、気候が良いどころか、ここ一週間ほどは、驚くほどのお天気・・というか、猛暑の日々。しかし、一度、予約を入れてしまってから暑いから予約を変更する・・というのも何なので、しっかり行ってまいりました。 




 今回のスパは、パリのメゾンアルバーという5つ星のホテル(Maison Albar Le Pont Neuf)の中にあり、プールやジャグジー、ハマムも利用できて、その後にマッサージ、そしてランチまでついているものでした。

 パリの5つ星のホテルですから、それなりにゴージャスで静寂が保たれていて、とても良い雰囲気でサービスも行き届いています。

 予約の時間より、5分ほど前にホテルに到着して、受付を済ませると、すぐに地下にあるスパエリアに案内してくれます。なんと、他にお客さんはおらず、貸し切り状態。外があんなに暑かったのがウソのような適温。何気なく置かれている調度品も品よく洒落ています。

 スパエリアをひととおり案内してもらうと、ロッカールームで着替え。バスローブとスリッパ、タオルなどが備え付けられています。



 まずは・・プールへと直行。プールに入ってみると、一人だけお客さんがいましたが、静かで落ち着いた雰囲気の中、プールに入って、軽くひと泳ぎ。そして、本当に久しぶりのジャグジーに移動。かなりの水圧に、「これも立派なマッサージになるな・・」と思いながら、ジャグジーを堪能。

 優雅な雰囲気ではあるものの、貧乏根性が頭をもたげ、ハマムにも入らなくっちゃ!と次はハマムに移動。「外があんなに暑くてしんどいのにハマムの暑さは全然、不快じゃないのは、どうしてなんだろう?」などと思いながら、昔、私が通っていたジム(ひととおりのマシンとプール、ハマムなどもあって、超おしゃれできれいでした)は、よかったなぁ~・・などと思いつつ、ハマムも堪能。

 昔、私が通っていたジムはパンデミック後に潰れてしまったので、今度、あんな感じのジムをまた探して通おうかな?などと思いつきました。




 プール、ジャグジー、ハマムのエリアは、1時間ほど滞在し、次はマッサージへ。若い女性が担当してくれましたが、「本日、お客様の担当をさせていただきます」とごあいさつ。

 ソフトでやさしい感じの方で、「本日はインディアン・マッサージをさせていただきます」とマッサージの説明をしてくれた後、その後、マッサージ用の使い捨ての下着を渡されて、着替えて、ベッドにうつ伏せに横たわり、マッサージがスタートします。

 どこのスパでもそうなのですが、流されているBGMもほどよい音量で、リラックスを促してくれるような優しい音楽。室内の照明の色も自分で選ぶことができます。

 最初はマッサージを心ゆくまで味わおうと、おとなしく、半分、眠りそうな感じで身をゆだねていたのですが、少し、身体がほぐれたところで、彼女とゆる~いおしゃべりを楽しみました。

 こんなに快適ならば、お誕生日だけではなく、自分でスパを探して、色々、行ってみようかな?などと思い始めた私は、「あなたに聞くのも気が引けるんだけど、ここ以外に、パリで良いスパを知りませんか?」と尋ねてみました。

 すると、「「NUXE」もなかなか良いですよ・・」と。NUXEは、昨年、行ったところだったので、他には?と聞いてみると、もう一か所、別のホテルのスパを教えてくれました。

 それでも彼女には、「でも、パリにはスパがいっぱいあるから・・」と言われて、まあ、もっともだ・・と思い、スパに来て、他に良いスパをしつこく聞き出すというのも、気が引けてきて、そこまでで断念しました。

 マッサージは1時間ほどで、その後は、好みの飲み物とドライフルーツを出してくれました。

 このチケットには、ランチもついていて、ホテル内のレストランでフレンチも堪能しました。ホテル内のレストランとはいえ、ミシュランガイドにも掲載されているレストランです。




 
 別世界のように静かで、落ち着いたスペースに身を置くということは、身体だけではなく、心もなんだかほぐれる気がするものです。
 
 しかし、ランチを終えて、家に帰るのには、また鬼のような暑さの中に身をおかなければなりません。
 
 次回、行くときには、もう少し気候の良いときを選ばなければ・・と思いつつも、とっても満ち足りたひとときでした。

2026年5月29日金曜日

フランスでは欧州で初めて肥満治療薬「ウェゴビー」と「ムンジャロ」が保険適用になる

 


 フランスでは6月中旬から画期的な肥満治療薬として注目されている「ウェゴビー」と「ムンジャロ」が厳格な条件付きで健康保険により65%がカバーされることになりました。

 「肥満治療薬」、「保険適用」と聞いて、なんとなくダイエットのための薬が保険適用??と、一瞬、「いいな・・」とすら、思ってしまったのですが、これは、当然のことながら、病的肥満から重度の肥満患者を対象としており、その他の適用条件も厳しく定められています。

 つまり、肥満治療薬とはいえ、生半可な肥満には適用されないということです。

 これらの治療薬は、体格指数(BMI)が40を超える「高度肥満」、または、BMIが35を超える「重度肥満」で、かつ併存疾患(他の重篤な疾患)を有する患者のみに保険適用となります。

 このBMIが35~40とかとは、どの程度の肥満なのか?というと、身長170㎝の場合、体重が約101㎏~116㎏、160㎝の場合、約90㎏~102㎏程度なのだそうです。つまり、病的肥満の場合ということです。

 フランスでは、影響を受ける患者数は100万人~200万人と推定されています。

 そして、65%の保険適用は二次治療、つまり初期の栄養管理が奏功しなかった場合のみに適用され、低カロリー食と運動量の増加を補完するものとして適用されなければならないとされています。

 デンマークの製薬会社ノボノルディスクの「ウェゴビー」、アメリカの競合企業イーライリリーの「ムンジャロ」は、GLP- 1 アナログと呼ばれる薬剤で、ホルモンの作用を模倣し、食欲抑制剤として機能します。

 その効果は劇的とも言われ、数週間で数十キロの減量が可能であり、2型糖尿病の消失や心血管疾患、腎疾患リスクの低減といったメリットも期待できるそうです。

 これらの薬は約10年前に登場し、当初は糖尿病の治療に効果があるとされ、現在は肥満治療薬として存在しています。その効果は時に目覚ましく、ソーシャルメディアでは、「奇跡の薬」と謳って宣伝しています。

 しかし、一方では、これらの薬には、副作用がないわけでもなく、吐き気、嘔吐、便秘、下痢などの消化器系の問題から、膵炎のリスクもあり得るという話もあります。

 フランスにそこまでの肥満の人がそんなにいるのかな?と思わないでもありませんが、これらの薬剤の費用は月額250ユーロから400ユーロ(約46,000円~74,000円)。

 フランスの社会保障制度が既に多額の負債を抱えていることを考えると、これにかかると言われる年間約1億ユーロの出費も厳しいものになるのでは?とも思います。

 

肥満治療薬「ウェゴビー」と「ムンジャロ」が保険適用  


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2026年5月28日木曜日

ルーブル美術館強盗事件が映画化される!

  


 2025年10月に発生したルーブル美術館強盗事件も、当時はセンセーショナルに報じられましたが、最近は、すっかり鳴りを潜めてきていました。

 私も、この報道を耳にしたときには、「ウソ!そんなこと、あり得るの? 映画じゃあるまいし・・」と思ったくらい衝撃的な事件でした。

 実際にどこから、どうやって入れるのか?と野次馬根性で、侵入現場となったアポロギャラリーを見に行ったりもしたくらいでした。

 ところが、この事件は、どうやら後世に深く記憶が刻まれるようになるらしく、この事件を題材とした映画と調査報道を原作としたドキュメンタリーシリーズが発表されるようです。

 3人のジャーナリストによる調査報告書「Main basse sur le Louvre」(ルーブル美術館の占拠)はフランスマリオン社よりすでに5月27日に発売されています。

 そして、本書の映像化権は、フランスマリオン社から長編映画版が制作会社アイコノクラスト社に、ドキュメンタリーシリーズ版がイギリスのプロデューサーにそれぞれ売却されています。

 映画は、フランスの映画監督ロマン・ガヴラスによって映像化されますが、映画のタイトル、公開日、キャストはまだ発表されていません。

 既に発売された調査報告書「Main basse sur le Louvre」(ルーブル美術館の占拠)の中では、2025年10月19日の週末にルーブル美術館に強盗が侵入し、推定8800万ユーロ相当の王冠や宝石を盗み出した経緯を詳述しています。

 この事件により、ルーブル美術館館長が交代していますが、7ヶ月に及ぶ捜査と主要容疑者の逮捕後、宝石の捜索は複雑な謎、捜査官を困惑させる難問となったと同書には記述されています。

 そして、映像化される原作となるこの本の中で訴えている重要なことは、「この強盗事件は、美術品窃盗が多くの犯罪者にとって単なるビジネスの一つとなりつつあり、以前のような「巨大な美術館への強盗」といったどこか神秘的、神話的なイメージは消え失せたことを示している」、これまで強盗といえば、「装甲車強盗、銀行強盗」がその王道?象徴的なものでしたが、「犯罪組織は新たな金儲けの手段を見つけた!」と言っています。

 たしかに、この事件が起こった直後には、美術館強盗が注目され、パリの他の大きな美術館「オルセー美術館」、「フランス国立自然史博物館」などでも強盗事件が起こっていたことが浮き彫りになったりしました。

 このルーブル美術館強盗事件に関しては、実行犯は意外とあっさりと逮捕されていますが、実際に奪われた宝石類はほぼ回収できておらず、美術市場には宝石が一切、出回っていません。

 逮捕された容疑者たちは、最大懲役15年の懲役刑に直面していますが、彼らはほんの手先にすぎず、黒幕はまだ影に姿を潜めているということです。

 映画の中では、この黒幕は、どう描かれるのでしょうか?


ルーブル美術館強盗事件 映画化決定


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2026年5月27日水曜日

暑さ対策 準備万端・・ネックリングがスゴい!

 

 


 5月というのに、今週は30℃超えの日が続く暑さになることはわかっていました。それでも、ここ数年は夏になれば、40℃を超える日もあったりすることを思えば、まだまだ大丈夫・・と思っていました。

 それでも、私は今年の夏は、昨年、Amazonで購入した暑さ対策グッズを用意していたので、なんとなく、いつもの年よりは、ちょっと気持ちに余裕がありました。

 しかし、30℃くらいでは、まだまだこれは必要ないな・・と思っていたのですが、どうにも年々、自分自身の体力が低下しているためか、またラクラク35℃を突破しそうな勢いはやっぱりしんどい暑さです。

 先週までは、ダウンを着ている人もいたくらい、うすら寒い日が続いていたので、急激な気温の差が余計に身体には堪える感じがするのかもしれません。

 とはいえ、陽ざしの強烈さが尋常ではなく感じられるのも事実。バス停などで日陰を求めて動いて、日陰のある場所に身をひそめてバスを待っていると、足先だけは、日陰にならなかったりして、そうするとジリジリ太陽が照り付けるその強烈さがもの凄くて、これはオゾン層が破壊されている・・などと連想してしまうほどです。

 そんな中、乗るバス乗るバス、全て冷房のないバスは、蒸し風呂状態で本当にしんどいです。

 そんなわけで、もっと暑いはずの夏まで取っておこうと思っていた暑さ対策グッズを「なにもガマンすることないな・・」と引っ張り出してきました。

 この中で、まず試してみたかったのが、「ネックリング」です。

 これまではペットボトルに水とかお茶を入れて、凍らせたものを持ち歩いて、おでこにあててみたり、小脇にかかえてみたりしながら、冷たいものを飲んでしのいでいたのですが、この「ネックリング」は、なかなかの優れものでした。

 私が購入していたものは、「NASAが開発したPCM素材」とやらが使われているもので、24℃以下の涼しい場所に置くだけでOK!というもの。もちろん、冷凍庫で凍らせば、より冷たく、より長持ちするのですが、これがとても便利。

 凍らせても結露が出ないのも使い心地のよいところです。

 また、冷やしているのは首だけなのに、全身の熱が少し下がるような気さえして、首を冷やすということが、どれほど効果的かということも、身をもって実感しました。

 できれば、首だけでなく、腕や足などにもつけて歩きたいくらいです。

 地球温暖化のため、夏の期間が昔よりも長くなったにもかかわらず、家には冷房がないし、パリの公共交通機関は未だ冷房がない場合も少なくありません。

 これだけで、暑さ問題が解決するわけではありませんが、小さなものでも、想像以上に効果絶大で感動もの・・お試しの価値は十分あります。


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2026年5月26日火曜日

超高齢者のお買物

   


 最近、マルシェに良く顔を出してみるようになって、気になることがいくつかあります。置いてある商品についても、色々な発見はあるのですが、私は、そこに買い物に集まってくる人を眺めるのも好きです。

 マルシェにはお花屋さんも結構出ていて、すごくイカつい感じのおじさんが可憐な感じのお花のブーケを平然と買っていたりするのも、微笑ましい光景です。

 この一人一人にストーリーがあって・・という想像も楽しいのですが、目につくのは、けっこう年配の人が多いことです。なんとなく、昔からの風習というか習慣で、食料品の開門はマルシェですることを美徳としているようなところもあるのですが、考えてみれば、少量でも自分の必用な量を買いやすいということもあるのかもしれません。

 しかし、今はスーパーマーケットもけっこう宅配をしてくれるお店などもあるのですが、一定の金額以上だったりもするので、かえって一人暮らしの高齢者には利用しにくいのかもしれません。

 そして、彼らの買い物を見ていると、「歳をとっても彼らは肉食なんだ・・」とちょっと驚かされます。けっこうガッツリした鶏の丸焼きの半分とかだったり、かなりたっぷりしたステーキ用の肉とか・・圧倒的に魚より肉を買っている気がします。

 魚よりも肉の方が調理が簡単で食べやすいのかもしれませんが、日本人だったら、やっぱり年齢がいってくると、やっぱりあっさり目の魚系になりがちな気もするのですが、やっぱり違うんだな・・などと思います。

 以前、友人がガンで入院していた時に、お見舞いに行ったときに、「病院の食事はどう?」と尋ねたら、「あんまり食欲ないのに、今日もステーキで参っちゃった!手術したばかりなのに・・」と言っていたのを思い出します。

 一人でマルシェに買い物に来ている高齢者はけっこういるのですが、一人暮らしなのか?老夫婦で生活をしているのか?高齢者施設のようなところにいるのか?様々だとは思いますが、おそらく、90は過ぎているであろう、ガリガリに痩せた年配のご婦人が自分でキャディを引っ張りながら、歩いて買い物に来ているのは、大変そうです。

 中には車椅子などで、付き添いの人がついて買い物に来ている人もいるのですが、付き添いもおらずに一人でバスに乗って来ている人もいて驚かされたりもします。

 先日、マルシェの帰りにバス停のベンチに座ってバスを待っていたら、中年女性に、「このご婦人のために席をあけてください」と声をかけられたので、スッと席を立ったのですが、この時は当然、その声をかけてくれた女性が付き添いで来ているのだと思っていたら、なんと一人でやってきていたのでした。

 バスが来たときに、そのおばあさんが、「手伝って!」と自分で声をかけてきて、どうやら、バスに乗るのを手伝ってほしいということらしく、彼女の荷物をバスに乗せて、バスに乗り込む彼女の手を支えさせていただきました。

 この女性、ちょっと見には、とてもひとりで出歩けるようには見えないくらい弱っている感じで、そのままベッドに横たわっていたら、もう重病人みたいに見える感じだったのです。

 それでも、介助の人もつかずに一人でバスに乗ってマルシェに買い物に来ているのが、精神的には、とてもたくましいんだな・・と、複雑な気持ちになりました。

 自分で食べるものは、自分の目で見て、自分で確保しようとしている、そのエネルギーがスゴいなと思うのです。

 他人の助けを借りながらも自分で買い物をしようと、それを続けていることが長生きの秘訣なのかな?と思ったりもしましたが、私とて、一人暮らしの身、いつの日か、彼女くらいの年齢まで生きられたとして、彼女のように一人で買い物に来ているのだろうか?などなど、自分の身に置き換えて考えたりもしました。

 私の両親は既に他界していますが、周囲の叔父叔母たちに、一人暮らしをしている高齢者はほとんどいないので、日本ではどんな感じなんだろう?と思ったりもしました。


高齢者のお買物


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2026年5月25日月曜日

多くの企業が「連帯の日」に充てる聖霊降臨祭の月曜日 フランスの連帯の日とは?

  


 日本同様、フランスでも祝日の多い5月ですが、その祝日の中には、聖霊降臨祭(le lundi de Pentecôte)があります。今年は5月25日がその日にあたります。

 そして、この祝日は、多くの企業が「連帯の日」に割り当てることが多く、多くの人が祝日にもかかわらず、働くことが多い特異な祝日でもあります。

 このフランスの「連帯の日( la journée de solidarité )」は、2003年の猛暑で多数の高齢者が亡くなったことを受け、高齢者や障がい者の自立を支援する取り組みへの資金提供を目的として2004年に導入されたもので、無給労働日となっています。

 つまり、本来は祝日の日に休日返上で働く日ということです。これは、全ての従業員が対象であり(自営業者と研修生は対象外)、雇用主は連帯・自立支援拠出金(CSA)を支払う必要があります。

 もともとは、聖霊降臨祭の月曜日と決められていましたが、2008年以降、5月1日(メーデー)を除くあらゆる祝日に設定できるようになっています。しかし、そのまま、この聖霊降臨祭の月曜日を「連帯の日」に充てている企業が多いようです。

 この連帯の日によって、国庫には年間約25億ユーロがもたらされ、高齢者や障がい者への支援に充てられています。

 身もふたもない言い方をしてしまえば、余計に税金を払っているようなものですが、目的がはっきりしている税金ではあります。

 余計にお金を支払わなければならない制度?が、よく制定されたな・・と今になってみると思うのですが、2003年の猛暑の際の悲劇が、当時はかなり国民の心を動かしたのだとは思います。

 この悲劇を二度と繰り返さないためにも、また、高齢化社会に移行していこうとしている国でこのような財源は必要であると、多くの人が理解はしているし、基本的には、社会連帯(solidarité)はフランス的価値観でもあります。

 しかし、無給労働という点では反発も大きく、特に労組系や左寄りの人々からは、本来は税金で賄うべきものであり、なぜ労働者だけが負担するのか?solidarité(社会連帯)という美名で無給労働を正当化している!などとなど、反発の声もあります。

 フランスでは、有給休暇・祝日は社会的権利という感覚が強いため、実質、祝日を削るという抵抗はとても大きいものです。

 しかし、この「連帯の日」が設けられたのは2004年のことで、もう20年以上が経過した今では、実際には、この制度自体が形骸化してしまっており、実際には何をしているのかよくわからないという人も少なくありません。

 最近では、世代間不公平感も生まれており、特に若年層からは、「若者の方が生活が苦しいのに・・」、「なぜ現役世代だけが負担をするのか?」などという声も上がっており、実際に退職世代の方が資産を持っている場合も多いことも事実です。

 冷静に考えれば、支援が必用なことはいくらでもあるため、何か悲劇的なことが起こるその度に「連帯の日」を追加されていたら、だったら、税金は何のために払っている?ということになりそうでもあり、実際に、追加の「第二の連帯の日」を作る案が出た際には、反対が多数。2018年の調査では約65%が反対しています。

 逆に言えば、この日、何の祝日だった?という場合も、そういえば、あるな・・と思うのですが・・。


フランス 連帯の日  la journée de solidarité 


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2026年5月24日日曜日

フランス気象局 例年より早い猛暑の到来を警告

   


 フランス気象局は、速報で「例年より早く」、「異常に」、「長く続く」猛暑の到来を報じています。この速報によれば、猛暑の到来に伴い、5月末としては異例の急激な気温の上昇が見込まれています。

 フランスは聖霊降臨祭の週末を猛暑の中で迎え、国内のほぼ全域で気温が30℃を超えています。これは前週よりも10~15℃高く、平年より9~12℃高い気温です。

 本当に、先週までは、むしろ、「今年はいつまでも肌寒い・・」と思う日が多く、お天気もあまりすぐれず、早く暖かくなってほしいな・・と思っていたくらいでした。

 現在、パリは、30℃程度、晴天で街中の人たちは、すっかり夏の装いで、もう真夏のようです。いつものことながら、この気温の変化に彼らはとても上手に順応しているのには、感心します。

 そして、気象局の発表で、さらに驚くことには、フィニステール県(ブルターニュ地域圏・フランス北西部に突き出たブルターニュ半島の先端部でイギリス海峡に面している)に正午から黄色の熱波警報が発令されていることです。

 気象局が5月に熱波警報を発令するのは、今回が初めてで、予報官はこの状況を「前例のない事態」と表現しています。

 5月に熱波警報というのは驚きではありますが、ここ数年、毎年、毎年、こんな時期にこんな猛暑は未だかつてない事態・・と言っているような気もするので、あまりピンと来なくなっているのも事実です。

 この黄色の警報は、日が進むにつれてフランス西部の他の県にも拡大される可能性があるということです。

 フランス気象局はこの熱波は長期にわたると予想しており、日曜日から水曜日にかけて、ピークを迎えると警告しました。

 フランスは、現在、蓋のような機能をする「ヒートドーム」に覆われており、モロッコからの暖かい空気がイベリア半島上空を通過し、強力な高気圧の圧力下に閉じ込められている状態なのです。

 フランスでは、これまでも異常な高温の春?初夏?を経験しており、フランス気象局は5月の最も暑い日として、1947年5月29日、2005年5月27日、2007年5月28日、2022年5月18日、2025年5月30日の5日を記録しています。

 つまり、この5月の猛暑の現象自体は新しいものではありませんが、ますます激しさを増し、頻繁になっているのです。フランス気象局は、「このような熱波は益々頻繁に発生すると予想される」と警告しています。「発生時期も早くなり、強度も増すであろう」と。

 ある農業気候学者は、「フランスでは、どの月においても観測史上最も驚異的な猛暑に見舞われようとしている。これは、5月のこれまでの統計的な範囲を完全に超えている信じられない事態」と警告しています。

 今年は、年の初めからお天気の悪い日が多くて、お天気が悪いと、気持ち的にも鬱々としがちになってしまって嫌だな~と思いつつも、もう一方で、ひょっとして、お天気が悪い日が多いかわりに、今年の夏の猛暑、酷暑はないのかも?と甘い期待も持っていたのですが、夏が近づくにつれて・・というよりも、どうやら早い夏の訪れに、自分の微かな期待が早くも甘いものであったことを思い知らされているのです。

 とりあえず、パリも今週は毎日30℃超えの晴天の日が続くようです。


フランス フィニステール県5月の熱波警報


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2026年5月23日土曜日

なんかテイストが変わってきた気がするパリのユニクロ

  


 最近は、買い物といえば、食料品ばかりの色気のない私です。

 それでも日本に一時帰国した際には、ユニクロには必ずといっていいくらい寄ることにしていて、ヒートテックとか、下着類とか、靴下とか、インナーっぽいものをまとめ買いして帰ってくるので、かろうじてユニクロでは買い物をしてきました。

 ごくごくたま~に、パリでもユニクロがあると、覗いたりもしていたのですか、ここのところ、ずっとご無沙汰していました。

 最近は、ユニクロはパリでは、本当にどこに行っても見かけるくらい、店舗が増えているので、いちいち覗いてみることさえしなくなっていたので、かえってご無沙汰していた感じがあります。

 先日、たまたま、通りかかったユニクロが入口から華やかな色合いの飾りつけで「パリのユニクロは展示の仕方も美しいな・・」と思いながら、お店のショーウィンドーを眺めながら通り過ぎようとしたところ、「ん??これユニクロなの?」と思うような夏用のワンピースが並んでいて、ビックリしました。


         


 「ん??今はユニクロってこんな感じの服も置いてるんだ・・」と思って、久しぶりにユニクロの店内に入ってみました。ユニクロといえば、インナーとか、ラフな感じの服という印象だったのですが、どうやら、ちょっとテイストが変わった、もう少し普段にもラフに着れるようなワンピースなんかがあって、ちょっと興味を惹かれました。




 価格的にもユニクロ価格なので、そこまで高価なものではありませんが、シンプルなデザインで、しかも夏服ということもあるのでしょうが、エアリズムの素材で出来ている服などがあって、これなら、きっと着心地も良いだろうし、洗濯もラクラクできそうだし、なかなか良いな・・と、ちょっと見直しました。

 これ?ユニクロ?と思ったワンピースは、ずいぶん前にユニクロが買収したと聞いてはいたプリンセスタムタムのデザインのものでした。



 相変わらず、平日の日中にもかかわらず、店内はけっこう賑わっていて、しかも、店内を見て歩いている人々は、けっこうな数の洋服を抱えていて、買う気満々な感じです。

 ヨーロッパの他の国からの観光客もけっこうユニクロで買い物をしていくという人は多いらしいのもパリのユニクロの特徴でもあります。

 私が日本に行くのは冬のことが多いので、日本でユニクロに買い物に行っても、比較的、色合いも地味で華やかさとは程遠い印象があるのですが、今頃の季節は日本のユニクロも華やかになっているのでしょうか?

 いずれにしても、フランスの衣料品業界で、ハイブランドは別としても、中堅どころの衣料品メーカーは軒並み、業績不振で傾いてしまったり、倒産してしまっているメーカーが多いところ、ユニクロは堅調に業績を伸ばしている理由がお店に入ってみると、わかる気がします。

 圧倒的な品質の良さ、お手頃価格、その高品質な素材を使ったシンプルなデザインの洋服。お手頃価格とはいえ、激安というわけでもなく、価格設定は日本よりも高く、高級品とまではいわないまでも、日本のユニクロのイメージよりは、ちょっと高級なイメージにしていることは、店内の飾りつけなどからも感じられます。

 それが見事に成功しているわけですが、そんなユニクロも少しずつ変化していっているんだな・・だからこそ、廃れることなく、生き残っている・・どころか、どんどん勢力を伸ばしているような気がしました。

 私も、そんなお店のようすを眺めながら、「あっ!こんなの夏の暑いときにいいな・・」と思うようなワンピースが2~3着あって、なんだか勢いづいてしまって一気に買い物しそうになったのですが、そこはちょっと思いとどまって、「いやいや、ちゃんと試着してからにしよう・・」と。

 ビックリしたのですが、試着するときも、一旦、ユニクロがレジに使っているボックスに入れて、試着するものをチェックしてから試着室に入るようになっています。

 結果から言うと、「もうちょっとダイエットしてから買おう・・」と思い、即、断念。夏服試着のときにありがちです・・私の場合・・。こんなこと、すっかり忘れているくらい、洋服を買っていませんでした。

 とはいえ、試着室のすぐそばにあった帽子が妙に気に入り、帽子をひとつ買ってしまいました。

 帽子とはいえ、全然、買い物するつもりなんてなかったのですが、こういうのも、たまにはありかな?とさっそく買ったばかりの帽子をかぶって、ごきげんで帰ってきました。


パリのユニクロ


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2026年5月22日金曜日

珍しいロードサービス業者(レッカー車、車両移動、車両保管)のデモ


 


 昨日、午前中、11時頃だったか、ものすごいクラクションの音が鳴り響き始めたので、最初は、結婚式か何かかな?と思ったのですが、通過していく車にしては、あまりにも長く続き、そのうち、警察車両のサイレンまでが、けたたましく聞こえてきたので、「ん??これは違う・・事故??」いや、事故でもなく、渋滞しているからでもなく、どうやら、デモが行われている模様でした。

 デモの予定なんて、あったっけ?と思って調べてみたところ、今回の環状道路までを巻き込むデモは、フランスのロードサービスに携わる業界(レッカー車、車両移動、車両保管など)のデモのようでした。

 フランスでは、本当に定期的にというか、いつでもどこでも誰かがデモをやっている感じなのですが、デモの常連は、SNCF(フランス国鉄)やRATP(パリ交通公団)などの公共交通機関、航空機関係(飛行機会社、空港サービス等)、学校、病院などなど数多くありますが、私がこれまで四半世紀以上、フランスで生活をしてきて、このロードサービス業界のデモというのは、初めて聞きました。

 それくらい、地味な存在ではあるのですが、当然のように存在する目立たない業種、しかし、なくてはならない仕事でもあります。

 レッカー移動などというものは、警察の管轄なのかと思っていましたが、警察が直接、行っているわけではなく、実際の仕事はロードサービスが行っているものです。しかし、ある意味、法的執行機関の要請に基づく公共サービスであり、そのため、料金は国の指定する金額に定められているのです。

 止まらないインフレ、燃料費を始めとする諸経費の高騰に伴い、国で定められた料金はそれに追いつかないどころか、赤字になるばかりで、廃業するものが後を絶ちません。このロードサービスを請け負う企業が負担するコストは莫大に膨れ上がり、そのリスクを請け負うはずの保険会社まで見放している状況なのだそうです。

 この業界の約6,000社は利益どころか、赤字運営を余儀なくされており、もうこのままでは続けてはいけないと悲鳴をあげているのです。

 お定まりのようになると、季節行事のようにストライキやデモを行うSNCFなどとは違い、滅多にこのようなアクションをおこさずにいた人々が声をあげることは、説得力があります。

 レッカー移動、車両移動などと聞くと、あまり良いイメージを持ちませんが、車両押収の場合、違反者は撤去費用に127.65ユーロ、保管料として1日あたり6.75ユーロの支払い、パリの場合は、撤去費用は150ユーロ、保管料は1日あたり29ユーロになっています。

 パリはやっぱり、こんな費用も高いんだな・・と思う一方で、保管料1日29ユーロって、パリの駐車料金って1時間いくらだか知ってるの?と思わないでもありません。(パリ市内の駐車料金の相場は1時間あたり、4~6ユーロです)

 FNA(全国自動車貿易連盟)によると、これらの料金は25年間、ほとんど変わっていないそうです。だいたい、25年間変わらない料金体系が存在していること自体がおかしいのは、もう明白な話です。

 インフレの実態を反映していない価格設定では成り行かなくなるのは当然です。

 逆によくも今まで黙って我慢していたな・・そんな風に思ってしまいます。

 彼らの声が届いて、彼らへの待遇が少しでも改善されると良いな・・と思いますが、私がこのように思うデモも珍しい気がするのです。


パリ ロードサービス/レッカー車 業者デモ


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2026年5月21日木曜日

パリ7区 公立幼稚園関係者 子どもへの性加害容疑で身柄拘束16人

  


 パリ検察庁が100校以上の幼稚園、小学校、保育園で発生した可能性のある性的暴行・暴力事件について、捜査を開始したと発表した数日後、パリ7区にあるサン・ドミニク幼稚園の関係者16人の身柄を拘束しました。

 捜査開始を発表した際、検察官は、「現在、起訴に向けて、3件の予備捜査(捜査判事に委任された司法調査)と5件の刑事裁判所への出頭命令が出されている」と述べ、活動指導者1名が公判前拘留されていることを付け加えていました。検察官はこの事件を「極めて緊急を要する」と強調していました。

 その検察官の言葉を証明するような、この幼稚園の関係者16名拘束は、同校に子どもを預けている保護者たちからすれば、正直なところ、「ようやく動き出してくれた・・」という感じだと思います。

 拘束された者の中には、すでに停職処分を受けていた者も複数おり、性質や深刻度が異なる様々な事件に関する予備捜査の一環として拘束されているということです。

 今回、関係者16人の身柄が拘束されたサン・ドミニク幼稚園でのこの事件は、1月にフランス2で放送された調査報道番組「Cash Investigation」(キャッシュ・インベスティゲーション)で報道されていたものでもあります。

 放送されたのが1月とすれば、それだけでも、もうすでに4ヶ月は経過しているし、事件が起こっていたのは、テレビで報道されるよりさらに前の出来事なはずなので、少なくとも半年以上は経過していたと考えられ、その間、子どもを預けている保護者たちの憤りは、計り知れません。

 番組のある場面では、職員が幼い男の子にキスする様子が映し出されており、その後、多くの3歳児、4歳児が両親にこのことを打ち明けていました。この件については、数名の児童が少年課の事情聴取を受けています。

 このことが公になってから、子どもたちも、このことは、親に話してもいいこと、話さなければいけないこと、親の方も子どもに話させようとする動きが生じ始めたことによるのか、以来、この幼稚園では、児童に対するレイプ、性的暴行、身体的・精神的虐待に関する約30件の苦情が寄せられているということです。

 この短期間?に30件以上の苦情というのも、すごい話で、これだけの問題が生じていたら、クラスあるいは、学校の一時閉鎖などということになってもおかしくない話です。

 ただ、私自身の経験では、あれだけ、なにかあれば、決して黙っていないフランス人が子どもの学校に対する苦情というのは、意外に慎重で控え目なんだな・・と思った記憶があります。大きな国家権力などには、デモやストライキでハッキリ反発したり、モノ申すのに、子どもを人質にとられている感じがあるからなのかな?などと思った覚えがあります。

 にもかかわらず、1校でこれだけの苦情というのは、よっぽどの話です。

 しかし、これらの学校関係者の子どもに対する加害を加えている者たちの数があまりに多いのも驚きですが、これを他の子どもも見ている前で堂々とやってのけているのは、どういう心情なのか?と、とても不可解な気もします。

 昨年の10月(2025年)に、「子どもを性的虐待から守る新システム」として、「幼児・児童に関わる仕事に就労する(ボランティア等も含む)ためには、採用時および、その後、定期的に「優良証明書(Attestations d'honorabilité)」の提示が義務付けられる」ようになったはずなのですが、これは、全然、機能していなかったというか、役に立っていなかったということなのでしょうか?

 保育園、幼稚園、小学校などは、時が経過していけば、子どもはどんどん入れ替わってしまうので、苦情が同じ親からは続かないということで、問題が見過ごされてしまうのでしょうか?

 よく児童教育や、児童保育などに携わる職業の人々は「子ども好き」、「子どもが好きだから・・」という話は聞きますが、こんな意味での「子どもが好き・・」というのには、閉口してしまうし、幼い子どもたちが負う心の傷を考えたら、どうしても放置してはいけない問題です。


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2026年5月20日水曜日

終わらないネスレ・ミネラルウォータースキャンダル

  


 ネスレのミネラルウォーターが実は真のミネラルウォーターとは呼べない違法な濾過方法でミネラルウォーターを販売していることが明らかになったのは、2024年の初めのことでした。

 しかし、この事情が明らかになるにつれ、実は、フランス政府はこの件を2021年から把握していたにもかかわらず、法的措置を取るよりも、ひっそりと緩和することを選択していたことが明るみになり、事は、よりスキャンダラスになりました。

 ラジオフランスとル・モンド紙が2023年1月に、「保健当局が販売禁止を勧告していたにもかかわらず、エリゼ宮とマティニョンが規制に準拠せず、健康リスクをもたらすボトル入り飲料水をネスレが販売することを容認していたこと」を明らかにしたのです。

 これは、単にネスレが違法精製を行ってミネラルウォーターを販売していたことに加えて、国民に健康リスクをもたらすと保健当局が警告しているにもかかわらず、政府がネスレと結託して、この事実を伏せ、販売を続けることを容認していたという許しがたいことを行っていた事実はさらに深刻な問題として、取り沙汰されました。

 そして、そのことに決着がつく前に、2025年3月にはペリエのボトルから新たな細菌汚染が検出され、生産ラインが停止され、30万本のボトルが廃棄されるという事態が勃発しました。この際にも、ネスレは、法律で義務付けられている保健当局への即時通知を怠ったことが、のちに曝露され、問題をさらに大きくしています。

 複数の省庁、ガール県、オクシタニー地域圏保健局間のやり取りによると、ネスレに不利なミネラルウォーターの不正に関する保健報告書がネスレを保護するために、フランス政府によって改ざんされていることが明らかになっています。

 また、同2025年には、コントレックスとエパールのボトルウォーターからは、計り知れないレベルのマイクロプラスチック汚染が検出されています。これは廃棄されたプラスチック廃棄物の不法投棄が原因とみられますが、ネスレは、この汚染を否定しています。

 これらのスキャンダルに関して、水源であるガール県は、ネスレに対し、ヴィッテルとヴェルジェーズにあるペリエ、ヴィッテル、エパール、コントレックスのボトルウォーター工場から禁止されているフィルターを撤去するように命じています。 

 どうにも、問題が起こるたびに、隠蔽、揉み消しをしようとする体質であることが、なにか起こるたびに、浮き彫りにされるかたちになっています。しかも、政府がその手助けをしているとなると、これは目も当てられません。

 そして、現在は、再び、ネスレのペリエ工場とヴィッテル工場(分析工場を含む)で家宅捜索が行われているといいます。

 この捜索はNGOフードウォッチャーズがネスレを「水源で細菌や微量の化学物質によって汚染された水に対し、禁止されている処理を施した」として告発していることによって、フランス競争・消費者問題・不正対策総局(DGCCRF)から捜査員が派遣されて行われているのです。

 もう何度も同じことを繰り返しているような印象もありますが、ことが国家ぐるみの隠ぺいとなると、これが、本格的にクリアになる日は来るのだろうか?と思ってしまうのです。


ネスレ・ミネラルウォータースキャンダル


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2026年5月19日火曜日

フランスの庶民の見方のスポーツ用品店 DECATHLON デカトロン

  


 恐らくフランス人なら知らない人はいない有名なお店・・でありながら、考えてみれば、不思議な存在感のお店です。「DECATHLON(デカトロン)」はフランスのスポーツ用品のお店で、フランス国内に324店舗、世界中に82の国や地域で展開、全世界では約1,900店舗あるそうです。

 日本では、現在はオンラインが中心のようです。

 とにかく、広範囲にわたるスポーツ用品を扱っており、アウトドア、ウォータースポーツ、トレッキング、水泳、自転車、大半の球技、射的、馬術、ハンティング、ボルダリング、柔道、バレエ、スキー、スケート等の用品まで思いつくスポーツ用品はなんでもあります。



 スポーツ用品に関していえば、とりあえず、DECATHLONに行ってみれば、あるだろう・・そんな感じです。



 我が家は、娘が子どもの頃は、本当に定期的にお世話になっており、とにかくバカンスの多い国、バカンス期間のたびに、ありとあらゆるスポーツ合宿のようなものに参加させていたために、その度に、そのための靴やウェアなどを買いに行っていました。




 子どものものなので、サイズもどんどん変わるために高価なものを買っているわけにはいかず、比較的、庶民的なお値段のものも置いているDECATHLONには、大変、お世話になりました。

 低価格のわりには、品質が良いので、特に子どものスポーツ用品には、有難い存在です。

 新年度の始まり、また、シーズンごとに、どんどんサイズが変わっていく子どものもの(特に靴)には、ほんとうにウンザリするほどで、今でもその残骸が少なからず残っていて、乗馬のブーツやバレエの靴などは、一体、何足あるのか?と思うほどです。

 先日、そろそろ水着を買い替えた方が良いかも?と思い、DECATHLONに本当に久しぶりに行ってきましたが、相変わらずというか、スッキリきれいになったというか、たまに覗いて見るのも楽しいな・・と思いました。

 私がいつも行くのは交通の便も良いのでマドレーヌにある店舗なのですが、あの場所で、あれだけのスペースを維持しているのは、さすが・・。正直、マドレーヌ界隈は、有名な高級食料品店が目白押しの場所だったのですが、ここ10年くらいの間にフォションやエディアールなどの大きな店舗が消え、時代の流れを感じる中、このあたりに大きなお店を存続させているのは、すごいなと思います。



 とにかく、たいていのスポーツ用品はあるので、見ていて飽きることがありません。なんと柔道着まであるのには、驚愕しますが、柔道は、フランスの子どものお稽古事?の中でも人気のあるスポーツなので、それも当然かもしれません。

 とにかく、お手頃価格のものの品揃えがけっこうあって、(もちろん、高価なものもあるけど・・)しかも、品質もしっかりしているのが、人気の秘訣なのかもしれません。

 自社ブランドも、提携しているであろうオリジナルブランドもあって、ある程度、安心感があります。

 ちょっとユニクロ感覚でのお買物をしている感じにも似ています。

 しばらく来なかった間に、レジも無人のオートレジ、しかもユニクロのように箱に入れると全て清算されるタイプになっていました。

 しかし、箱に入れるまえからお買物リストに載ってしまったりするハプニングもあり得ます。



 このレジ、フランス語だけなの?と思ったら、英語表示にもできるので、フランス語がわからなくても利用できます。

 いわゆるハイブランドのもの等ではありませんが、なかなか良いお買物ができると思いますので、もしもパリで見かけることがあったら、覗いて見るのもいいかもしれません。


DECATHLON デカトロン

Decathlon Paris Madeleine 23 Blvd. de la Madeleine 75001 Paris 


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2026年5月18日月曜日

パリ検察庁84の幼稚園、20の小学校、10の保育園での性的暴行・暴力事件を捜査

 

 


 パリ検察庁は、合計84の幼稚園、約20の小学校、約10の保育園で発生した可能性のある性的暴行・暴力事件について、捜査を開始したと発表しました。

 そもそも、事件が起こった場合、その1件、1件に対して捜査が行われて然るべきところだと思いますが、なぜ、まとめて捜査しているのか?ということは、妙な話でもあります。

 しかし、今回の検察庁の捜査は、ここ1~2年で相次いで発覚したパリ市の学童保育・放課後活動(périscolaire)における性的暴行・暴力疑惑を受けて拡大した包括的捜査なのです。

 背景には、複数の幼稚園・小学校・保育園で幼児に対する性的虐待や暴力が繰り返し告発され、保護者集団・報道機関・市議会・検察が連動して問題化した経緯があります。

 発端の一つは、2025年末から2026年初頭にかけて、パリ7区、11区などの幼稚園で学童保育スタッフによる性的暴行疑惑が相次いで表面化したことです。保護者らは「市当局が以前から通報を把握していたのに十分対応しなかった」と主張し、集団告訴に踏み切り、73人の保護者による告訴も提出されています。

 さらにフランスの調査報道番組「Cash Investigation」が、学校内での暴言・体罰・性的逸脱行為の疑惑を放送したことで社会問題化したのです。

 その後、パリ市は職員の大量停職や内部調査を開始し、検察も案件を横断的に統合して捜査範囲を広げています。

 今回の統合的な検察の捜査には、これまでの対応には、「以前から苦情があったにもかかわらず、問題の人物が再配置された」、「停職後に子どもと再接触していた」といった行政上の不備、システム・構造の問題、不備に対し、保護者が責任の追及を求めていることもあります。

 特に検察は単発事件そのものだけでなく、長期間、このような事件がどこか曖昧に放置され、見逃がされてきた可能性についての捜査も含まれています。

 恐ろしいことに、2026年初頭以来、パリ市内の学校から78人の職員が停職処分を受けており、そのうち31人が性的虐待の疑いによるものと報告されています。

 このスキャンダルに直面し、パリ市は、4月中旬に学童保育・放課後活動(périscolaire)のための2,000万ユーロのアクションを起こす計画を発表しています。

 この計画には、専用のサポートホットラインを設置して通報手続きを簡素化し、家族への完全な透明性を約束するとともに、不安定な雇用状況にある保育士業界の専門性向上を図ることが含まれています。

 パリ市の保育士1万4000人のうち、大多数が非正規雇用者だという事実も驚きでもあります。

 職員による児童への性的虐待や暴力問題が炙り出される中、パリ保育士組合は「パリ市による抑圧政策」を非難しています。組合によると、パリ市は、慢性的な人手不足の保育士業界において、自動的な停職処分を行っていると訴えています。

 そして、組合は、また「ストライキ」を行うように呼び掛けているのです。

 いずれにしても、これだけたくさんの幼稚園・小学校・保育園でこんなに事件が起こっているなんて・・どの地域なの?と思いきや、パリ1区から20区まで全ての区に点在しているそうなのです。


パリ検察庁 84の学校での性的暴行・暴力事件捜査


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2026年5月17日日曜日

コンゴでエボラ出血熱の急激な感染拡大

  


 コンゴ民主共和国は、エボラ出血熱の急速な流行発生を宣言し、現時点ですでに死亡者は80件以上、感染者(感染が疑われる者も含めて)246件報告されています。

 致死率が50%にも達するこのウィルスの新株・ブンディブギョ株はワクチンも特効薬もなく、致死率が非常に高いと言われています。

 アフリカ連合の保健機関であるアフリカ疾病予防センター(Africa  CDC)は、ウィルスの感染拡大のリスクが非常に高いと宣言しました。

 感染の中心地は、ウガンダと南スーダンに国境を接するコンゴ北東部のイトゥリ州で、この金鉱山地帯では、採掘活動に関連した人口の往来が日常的に激しくなっている地域です。

 また、さらに、多数の武装集団による暴力が蔓延する同州の一部地域は治安上の理由から立ち入りが困難であることも、医療が行き届かない原因にもなっています。

 国境なき医師団(MSF)の緊急支援プログラム責任者は声明の中で、「これほど短期間に感染者数と死亡者数が増加し、複数の保健区域に感染が拡大し、国境を越えて広がっていることは、極めて憂慮すべき事態だ」と述べています。

 この感染力の強い出血熱が過去、最後に宣言されたのは2025年8月に同国南部で宣言され、12月には、封じ込められましたが、その時は34人の死亡者を出していました。

 コンゴ民主共和国で最も致命的だった流行は2018年から2020年の間に3,500人の感染者のうち、約2,300人の死者を出したケースでした。

 近代、最近のワクチンや治療法にもかかわらず、依然として強力なこのウィルスは、過去50年間でアフリカで15,000人の死者を出しています。

 このコンゴでのエボラ出血熱の流行がフランス国内で大規模な感染を起こす可能性は低いと考えられていますが、フランスは歴史的にも中央アフリカとの結びつきは強く、中央アフリカからの渡航者も少なくはなく、特に医療従事者、NGO職員、出張者などを通じて、単発の輸入症例が発生する可能性はゼロではありません。

 このウィルスはヒトからヒトへも感染するウィルスではありますが、空気感染ではなく、主に感染者からの血液・体液との接触で広がると言われています。

 エボラ出血熱がアフリカで多く発生するのは、ウィルスの自然宿主として最も有力視されている動物(果実を食べるコウモリ)(これらの動物は中部・西部アフリカの熱帯雨林地域に多く生息している)で、地域の人がこれらの野生動物の狩猟や解体、調理、食事などを通じて感染するためとも言われています。

 また、コウモリだけでなく、サル、チンパンジー、ゴリラなどから感染することもあります。

 このように野生動物との接触が多いことや、医療体制が充分でない地域があることなどが、アフリカでのエボラ出血熱の流行が広まりやすいと考えられています。

 この病気は、感染後、2日から21日間ほどの潜伏期間のあと、突然、発症することが多いそうで、初期症状は高熱、強いだるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛、のどの痛みなどから始まり、インフルエンザのように見えることもあります。

 しかし、進行していくと、数日内に、激しい下痢、嘔吐、腹痛、発疹、目の充血、肝機能・腎機能の障害があらわれ、さらに重症化すると、血液が固まりにくくなり、歯ぐきからの出血、鼻血、血便、吐血、皮下出血などの出血症状が現れることがあります。

 ただし、必ず大量出血する病気ではなく、出血症状が目立たない場合もあります。

 現在は、抗体医薬などの治療法も使われるようになり、早期治療で生存率が改善することもあるというものの、今回の新株・ブンディブギョ株はワクチンも特効薬もなく、致死率が非常に高いというのですから、恐ろしい話です。

 

コンゴ・エボラ出血熱 感染拡大


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2026年5月16日土曜日

9月3日からEUはブラジル産の食肉輸入を禁止

  


 EUはメルコスールと協定を締結し、5月1日から暫定的に発効させ、南米諸国からの食肉輸入を円滑化するとともに、食肉輸入を許可する国のリストを発表しました。

 今回、その中で注目されているのは、そのリストから「ブラジル」が除外されていることです。メルコスール加盟国のほとんど(アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイなど)は、リストに含まれているものの、ブラジルは例外となっているのです。

 ブラジルが除外された理由は、ブラジル産食肉が畜産における抗生物質の過剰使用を禁止するEUの基準を満たしていないためとされています。

 欧州委員会報道官は、ブラジルがリストから除外されたことで、牛肉だけでなく、鶏肉、卵、魚、蜂蜜などもブラジルはEUへ輸出できなくなると明言しています。

 実際、ブラジルがEU・メルコスール協定に署名したからといって、欧州の衛生植物検疫規則の遵守義務が免除されるわけではありません。

 EU圏内で生産されたものと同じ基準を満たしてなければならないのです。

 この問題に関しては、フランスの農業団体は、長い間、不満を爆発させていました。この非常に厳しい欧州規制を満たすために、フランスの農家や畜産農家は、高いコストを支払って生産してきたわけで、そこから、その規制を遵守しない輸入品が安価な価格でフランスの市場を脅かしてきたことに農民たちは、怒りを爆発させてきたのです。

 これは、非常に妥当な規制であると思うのですが、逆にブラジルが9月3日までに欧州規準を満たすことができれば、リストに加えることができるということでもあります。

 今回、ブラジルがこのリストから除外されたことは、EUが抗菌剤耐性対策に真剣に取り組んでいることを示す前向きな動きであるとも言えます。

 EUでは、動物の成長促進や収量増加を目的とした抗菌剤の使用は禁止されており、また、ヒトの感染症治療薬として指定されている特定の抗生物質も家畜への使用は禁止されています。しかし、ブラジルの畜産においては、これらが使用されている場合も少なくないということなのです。

 では、実際にブラジルからの食肉が入らなくなることが、フランスには、どの程度、影響があるのかを調べてみたら、フランスの食肉輸入は、主にEU圏内(アイルランド、ベルギー、ドイツなど)からで、ブラジルは主要供給国にはなっておらず、ほんの数パーセントにすぎません。

 ブラジルからしたら、メルコスール協定を締結したことで、販路拡大を見込んでいたのでしょうが、そうは簡単にはいかないということです。

 そもそもフランスは欧州最大の食肉生産国でもあるため、輸入依存は比較的少ないのです。

 私がスーパーマーケットやマルシェなどのお肉屋さんを見ている印象でも、ここ数年は特に、トリコロールのラベルの貼られたものがズラーッと並んでいて、どんだけフランスアピールするの?と驚くほどで、それ以外は、あまり目に入りにくいのですが、ブラジル産の肉というものは見た記憶がありません。

 全体として、フランスの食肉供給は、まず国内生産を優先、不足分をEU圏内で賄っているという感じになっています。

 EU・メルコスール協定は、関税を引き下げる、貿易手続きを円滑化する、市場アクセスを改善するための協定ですが、EUの食品安全基準、動植物衛生基準、残留農薬規制、トレーサビリティ要求などを無効化するものではありません。

 そのため、ブラジル側には、「メルコスール協定を結んだのだからEU市場に自由に輸出できる」という認識が一部にある一方で、EU側では、「輸入自由化≠SPS規制の緩和」という立場をとっています。

 つまり、EU側の要求水準は非常に高く、ブラジルの農業・畜産システムとの間に構造的な差があるというのが現実でもあります。

 ブラジルの生産規模とコスト構造は根本的にEUのそれとは異なっており、ブラジル側が欧州モデルに変換するには、生産コストが上昇し、輸出競争力が低下し、中小生産者の淘汰することに繋がるため、国内農業界の強い反発を受けます。

 しかし、EU側にも政治的事情があり、「EU農家だけが厳しい規制を課され、輸入品が安く販売されるのは許せない!」と農民を始めとする国民が強い反発。フランスでは、農民がトラクターで高速道路を封鎖したり、大暴動を起こしたりする騒ぎが数年間にわたり、発生しています。

 結果的に、ブラジルが欧州への輸出をしようとするならば、これらの規制に遵守するしかないか、一部の欧州向けの生産とその他の国内やアジア市場向けの生産を分けるというところで、譲歩することを提案するか?にかかっているような気がします。

 今回のEUの発表は、もちろんメルコスール向けの発表でもあると同時に国内、EU圏内向けの「ちゃんとやってるだろアピール」でもあるのです。


EUブラジル産の食肉輸入禁止


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2026年5月15日金曜日

カセットテープは完全に葬られている・・

 



 ここのところ、絶賛、断捨離中の私。断捨離は、これまでも、何度か試みて、ある程度、進んでは、いつのまにか、忘れてしまい、また、放置状態を繰り返し、現在,再び私の中で断捨離モードに入っております。

 なんといっても、苦々しいというか、やりにくいのは、家にある荷物の半分以上は、私のものではないことで、自分のものならば、思いきりが付きやすいものの、そうでない場合は、また、夫が亡くなってしまっているために、余計に踏ん切りがつけにくいのです。

 それでも、夫の洋服や靴などは、もうほとんど処分したのですが、それ以外のもの、今回は、膨大な本に手をつけています。

 夫は、数か国での外国勤務が長かったこともあり、語学習得に関する本もけっこうあり、私はずっと、手を付けることも触れることもないまま放置状態にしていました。その中にてっきり、本だとばかり思っていた(本のような様相をしている)けっこうな量の外国語習得用のカセットテープ付きの本があり、これも他の本と一緒に処分しようと思っていました。

 外国語習得に関しては、おそらく需要はいつの時代にもあるだろうと、古本屋さん(Bookoffのようなところ)に引き取ってもらえれば・・と思って、現在、他の本と一緒にせっせと運んでいるのですが、その中にカセット付きの本を加えていました。

 なぜか、場所ばかり取るような本ではあるのですが、これがパリの古本屋さん2軒を回ったのですが、両方で却下。なんだかもったいないなぁ~と思い、ついには、Emmaus (エマウス)(本だけでなく、不用品を回収してチャリティ販売している団体)に寄付しに行った(多のものと一緒に)のですが、ここでも、今回は、引き取りますが、今後はもうカセットテープは持ってこないでください・・と。

 古本屋さんの買い取りはともかく、寄付でさえも受け付けないというのですから、カセットテープはもう完全に社会から葬られているといっても良いかもしれません。

 考えてみれば、家にも、もうカセットデッキプレイヤーというものはないので、おそらく、どの家でもそうなんでしょう。

 自分だって、カセットテープなど聞かないくせに、なんなんですが、なんとなく、寂しい気がしました。

 昭和生まれの私にとって、子どもの頃はレコード、そしてカセットテープ、ウォークマンが出た頃は歩きながら音楽が聴けるなんて!なんて画期的な!それがオートリバースになっただけでも、感動したものです。それからCD、MD・・。

 今では、CDでさえも、「ん??」という感じで、今は配信、ダウンロードという時代。

 昭和、平成、令和と3時代を生きてきていることをカセットテープのこの葬られ方から、あらためて、実感させられた感じがしたのです。

 年齢の自覚が足りないということなのですが、幸いなことに昭和生まれの人は、期間が長かったこともあり、また、今よりも人が多かったので、まだまだ仲間がたくさんいるのだと甘んじていますが、このカセットのような、社会から葬られた過去の長物というか、無用の長物が我が家には、まだまだ眠っているのです。

 厄介なのは、それが私のものでもないために、その存在、用途すらよく知らない・・そんなものを片付けるのは、とても大変なのです。


断捨離 カセットテープ


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2026年5月14日木曜日

おかしなバスに乗ってしまった・・

  


 パリ市内で、いつもは、少しの距離ならば、歩いてしまうのですが、その日は、少々、荷物が多かったので、また、メトロは階段が多く、エスカレーターが工事中だったり、エレベーターが壊れていることも多いので、バスに乗ってしまいました。その路線の存在は知っていて、だいたい、この方面を通るんだろうということはわかっていたものの、ふだんはあまり乗らない路線だったのですが、少々、不安はありつつも、まあ、パリの中心部の綺麗な場所を通るので、バスから景色を眺めるのもいいな・・とそんな呑気な気持ちだったのです。

 ところがルーブル美術館を突っ切って、少ししたときに、いきなりバスの運転手さんが車を停めて、立ち上がり、「すみません、道を間違えてしまいましたので、この路線が停車する予定の停留所をいくつかスキップしますので、次に停まるのは、エコールです。その間に行く予定だった方は、降りてください。」と言い出しました。

 私は、内心、「お~っと!久々にこういうの出たよ!」と思っていましたが、いつしか車内はざわつき始めました。そりゃそうです。いつも、この路線を利用している人にとっては、いきなり「エコール」まで停まりませんと言われても、「あっそう・・」という感じでしょうが、観光客などの場合、土地勘もなく、それが自分の降りる予定だった停留所だったならばともかく、きっと、見当もつかずに面食らってしまいます。

 だいたい、バスの路線、電車のように線路の上を走っているのではないにせよ、道を間違えるなんてことがあるのだろうか?と不思議な気もしますが、しかし、間違ってしまった以上、たしかに他に方法があるとも思えません。

 一応、スマホで路線を確認しなおして、私は、「まあ、大丈夫・・」と思っていたのですが、乗客の中には、観光客らしき若い男性が乗っていて、運転手さんに、自分は○○に行きたいのですが、このバスにこのまま乗っていて大丈夫でしょうか?と英語で尋ねました。

 すると、運転手さんは、間髪おかずに、「NO ENGLISH !」と、かなり強い口調でその男性の質問を全面拒否。

 これを聞いて、私は、ふたたび、「でたでた!久しぶりに聞くな~NO ENGLISH ! 」、最近、このような言い方をする人がずいぶん減ってきたと思っていたのに、残念です。

 ましてや、この時に関して言えば、非があるのは、全面的に運転手の方です。もうちょっと他に言い方あるんじゃない?と思いました。

 幸い、すぐに運転手さんの近くに座っていた女性が通訳してくれていて、何なく、その男性は、救われたようなのですが、とにかく道を間違えるバスに私は、初めて乗りました。

 しかし、「道を間違えた」にしても、「○○まで停車しませんので、その手前に行く方は降りてください」という説明も、最初は、「正直に告白して、潔いな・・」くらいに思っていたのですが、考えてみれば、フランス語でしか説明してくれていないのですから、その観光客の人には、わからなかったわけです。

 バスが路線変更する場合、なにか、途中の道が工事中だとか、規制のために、ここは通れませんとか、そんなことは、たまにあるのですが、そういう場合は、予め、バスに乗るときに言ってくれるので、「え~~?」とは思うものの、そういう場合なら、なら、バスはやめて、別の方法で行こう・・とかなるのですが、今回のようなのは、初めてでした。

 こんなこと、滅多にあることではありませんが、パリのバスは、こんなことも起こり得るのです。


道を間違えるバス


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2026年5月13日水曜日

パリで見つけた「おいなり屋さん」Le Petit OINARI et OINARI PARIS

  


 最近、しばらく行かなかった地域に行くと、なんやかやと新しいお店がオープンしていてるのにびっくりさせられることが多いです。今回も別の用事で近くまで行ったところ、「ん??キョウト?オイナリ?」とビックリしました。

 とくになんだか、カタカナの縦書き、キョウト・・オイナリ・・という文字が目に付きました。

 「おにぎり」は、もうパリでは珍しいものではなくなり、「おにぎり屋さん」というものも、ところどころに見かけるようになりました。

 しかし、「おいなりさん」を見つけたのは初めてで、「なるほど・・」と思いました。

 私が立ち寄ったのは、昼食時よりも、けっこう早い時間だったので、まだ準備中だったのですが、お店の方にお話を伺うことはできました。

 おいなりさんと言えば、まず、気になるのが「油揚げ」、「お揚げ」ですが、これは、京都から取り寄せているものを使用しているそうです。

 正直、「わざわざ京都から、取り寄せてるんだ!」と驚きましたが、そこまでこだわっているのなら、きっと美味しいんだろうな・・と思いました。



 もちろん、おいなりさん単体でも買えますが、セットになっているものの方が売れているようです。

 お弁当タイプになっているものは、おいなりさん4個(うち2個はシンプルなおいなりさん、もう2つは、トッピングを選べるようになっています。

 トッピングには、きんぴら、漬物、ねぎ味噌、ガリ、サーモン、鯖、きのこなどの中から選ぶことができます。

 また、お弁当のおかずも、鶏のからあげ、鶏の照り焼き、サーモン、ねぎ味噌豆腐の中から選ぶことができ、その他に副菜が少しついてきます。



 それにお味噌汁がついてきて、その他に飲み物(コーラとかオレンジジュースとか、ミネラルウォーターなど)とデザート付き(19ユーロ)、飲み物かデザート(17ユーロ)です。



 デザートもどら焼き、大福、クッキー、たい焼き(+2€)から選べます。デザートの中にはほうじ茶のティラミス(+2€)なんていうのもあります。



 おいなりさんのお弁当としたら、なかなかいいお値段ですが、だいたいパリ市内で外食をすれば、こんなもんか・・というお値段、むしろ、他では食べられない、また、使われている食材も吟味されていて、チョイスもなかなかよく考えられていることを考えれば、まあまあ・・というところ。




 また、デザートもなかなか魅力的で、どら焼きやたい焼きなどは、どこにでもあるものでもなく(パリでは)、ほうじ茶のティラミスなんかもすごくいい感じです。

 この他にどんぶり、うどんなどのメニューがあります。

 私がたまたま立ち寄ったお店は、パッサージュの中にある小さなお店でイートインスペースもない小さなお店で、まだオープンして1ヶ月ほどということでしたが、本店は、もう少し広く、居酒屋スタイルのお店で、パリ9区にあるそうです。

 以前から思っていたのですが、「おいなりさん」は、以前、フランス人を家に招いたときに、太巻きとともに、お出ししたことがあるのですが、これがなかなか評判がよく、「これなに?」などと言いながら、「これ、娘に食べさせたいから持って帰ってもいい?」などと、お持ち帰りまでしていく方もいらしたので、きっとフランス人の好みには合うんだろうな・・と思います。

 フランスでは、お醤油にふつうのお醤油(しょっぱいお醤油)と、甘いお醤油が売っているように、フランス人には、この甘いお醤油味というものが好きな人がけっこういるので、もう少し、知名度が高まれば、おにぎりのようにポピュラーな存在になる日も来るかもしれません。


🌟Le Petit OINARI    49 Passage Choiseul  75002 PARIS

🌟OINARI      34 Rue la Bruyére  75009 PARIS


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2026年5月12日火曜日

フランス人の味覚の変化

 


 最近、スーパーマーケットにおいてある商品を見て、フランス人もずいぶんと食生活に変化が出てきたんだろうな・・と思います。

 もうフランスのごくごくふつうのスーパーマーケットでお寿司を置いてあるのは、当然のようになったし、最近は、スーパーマーケットもテイクアウト(主にランチ用)に力を入れているのは、どこのスーパーマーケットにもみられる傾向で、お寿司はもちろんのこと、おにぎりも大抵、置いてあるし(ただ、日本人の感覚からしたら、バカ高いけど・・)、ご飯におかずの入ったようないわゆる日本のBENTOタイプのランチボックスなどもけっこうある店舗も増えました。

 以前は、もっとランチに外食する人が多かったのだと思いますが、今はインフレの影響もあり、外食の値段は跳ね上がり、おまけにランチライムに以前のように時間を取りづらくなっているのか、時短の意味もあるのではないかと思われます。

 それに加えて、最近、タバスコのような辛めのソースを目にすることが増え、「えっ?フランス人って辛いものが嫌いじゃなかったっけ?」と驚いています。

 以前はこんな激辛ソースみたいなものは、置いてなかったし、なにか辛い食べ物などに表示されている「辛い!」、「とっても辛い!」などという文言も、ちょっと辛い香りがふんわりするだけで、実際には、ちっとも辛くないのがあたりまえでした。

 それが、こんな激辛ソースがごくごくふつうのフランスのスーパーマーケットにならぶようになったのは、驚きです。少しまえに、ボン・マルシェに行ったときにも、この激辛ソースの棚が2つもできていたので、これは、やっぱり大きな変化だと思います。

 フランス人は、「辛いもの、熱いもの、固いものが嫌い」というのが、一般的な傾向でしたが、少しずつ、色々な国の食事を受け入れるようになってきて、彼らの食生活にも変化が起こっているようです。

 私の夫などは、本当に典型的なフランス人の味覚の持ち主で、まさに辛いもの、熱いもの、固いものが苦手でした。野菜なども、しっかり火が通って、柔らかくなっているものを好んでいたし(私は、ちょっと歯ざわりを感じられる程度が好き)、料理仕立ての熱々のものをと思っていても、わざわざ、冷ましてから食べ、「熱くしないでお料理ってできないものなのかな?」などと言っていました。

 パリにまだ数件しか、ラーメン屋さんがなかった頃には、そのうちの一軒は、フランス人仕様になっていて、出てきたラーメンが湯気がたっていない・・ぬるいラーメンが出てきた!と憤慨していた話を日本人観光客から聞いたこともありました。

 今では、ラーメン屋さんもパリには、たくさんできましたが、さすがにもうアツアツのラーメンしかないようになりました。

 それだけ、海外の食品がフランスに入り込み、以前はかなり食べ物に関しては、フランス人は保守的で、なかなか外のものを受け入れない感じがあったのですが、最近は、さすがに、変わってきたようです。 




 冷凍食品などを見ても、AJINOMOTOの餃子(しかもエビ、野菜、鶏、牛肉、鴨肉などの餃子まである)や YAKITORI、KARAAGE、TSUKUNE、TATSUTAAGE、OYAKIなんていうのまであったりしてビックリします。

 まあ、日本のスーパーマーケットの品数や品揃えの豊富さに比べれば、まだまだではあるし、こんな外の国のものが、どんどん浸透してきたなんて、一体、いつの時代の話をしているの?と言われそうな気もするのですが、この顕著な変化は、せいぜいここ5年から長く見ても10年くらいのことなのです。

 辛いソースに関しては、移民が増えて、外国人が買うのかな?とも思ったのですが、ここまで大々的に置くようになったということは、フランス人にもそのようなものを好む人が確実に増えているのだと思います。

 外国からの移民が増えるということは、それだけ他の文化(食文化も含めて)も入り込んでくるということです。

 とはいっても、基本的に、彼らが好きなのはパンの類のものとチーズと肉が好きなんだというところは、変わらないんですが・・。


フランス人の味覚の変化


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