日本同様、フランスでも祝日の多い5月ですが、その祝日の中には、聖霊降臨祭(le lundi de Pentecôte)があります。今年は5月25日がその日にあたります。
そして、この祝日は、多くの企業が「連帯の日」に割り当てることが多く、多くの人が祝日にもかかわらず、働くことが多い特異な祝日でもあります。
このフランスの「連帯の日( la journée de solidarité )」は、2003年の猛暑で多数の高齢者が亡くなったことを受け、高齢者や障がい者の自立を支援する取り組みへの資金提供を目的として2004年に導入されたもので、無給労働日となっています。
つまり、本来は祝日の日に休日返上で働く日ということです。これは、全ての従業員が対象であり(自営業者と研修生は対象外)、雇用主は連帯・自立支援拠出金(CSA)を支払う必要があります。
もともとは、聖霊降臨祭の月曜日と決められていましたが、2008年以降、5月1日(メーデー)を除くあらゆる祝日に設定できるようになっています。しかし、そのまま、この聖霊降臨祭の月曜日を「連帯の日」に充てている企業が多いようです。
この連帯の日によって、国庫には年間約25億ユーロがもたらされ、高齢者や障がい者への支援に充てられています。
身もふたもない言い方をしてしまえば、余計に税金を払っているようなものですが、目的がはっきりしている税金ではあります。
余計にお金を支払わなければならない制度?が、よく制定されたな・・と今になってみると思うのですが、2003年の猛暑の際の悲劇が、当時はかなり国民の心を動かしたのだとは思います。
この悲劇を二度と繰り返さないためにも、また、高齢化社会に移行していこうとしている国でこのような財源は必要であると、多くの人が理解はしているし、基本的には、社会連帯(solidarité)はフランス的価値観でもあります。
しかし、無給労働という点では反発も大きく、特に労組系や左寄りの人々からは、本来は税金で賄うべきものであり、なぜ労働者だけが負担するのか?solidarité(社会連帯)という美名で無給労働を正当化している!などとなど、反発の声もあります。
フランスでは、有給休暇・祝日は社会的権利という感覚が強いため、実質、祝日を削るという抵抗はとても大きいものです。
しかし、この「連帯の日」が設けられたのは2004年のことで、もう20年以上が経過した今では、実際には、この制度自体が形骸化してしまっており、実際には何をしているのかよくわからないという人も少なくありません。
最近では、世代間不公平感も生まれており、特に若年層からは、「若者の方が生活が苦しいのに・・」、「なぜ現役世代だけが負担をするのか?」などという声も上がっており、実際に退職世代の方が資産を持っている場合も多いことも事実です。
冷静に考えれば、支援が必用なことはいくらでもあるため、何か悲劇的なことが起こるその度に「連帯の日」を追加されていたら、だったら、税金は何のために払っている?ということになりそうでもあり、実際に、追加の「第二の連帯の日」を作る案が出た際には、反対が多数。2018年の調査では約65%が反対しています。
逆に言えば、この日、何の祝日だった?という場合も、そういえば、あるな・・と思うのですが・・。
フランス 連帯の日 la journée de solidarité
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