パリ検察庁は、合計84の幼稚園、約20の小学校、約10の保育園で発生した可能性のある性的暴行・暴力事件について、捜査を開始したと発表しました。
そもそも、事件が起こった場合、その1件、1件に対して捜査が行われて然るべきところだと思いますが、なぜ、まとめて捜査しているのか?ということは、妙な話でもあります。
しかし、今回の検察庁の捜査は、ここ1~2年で相次いで発覚したパリ市の学童保育・放課後活動(périscolaire)における性的暴行・暴力疑惑を受けて拡大した包括的捜査なのです。
背景には、複数の幼稚園・小学校・保育園で幼児に対する性的虐待や暴力が繰り返し告発され、保護者集団・報道機関・市議会・検察が連動して問題化した経緯があります。
発端の一つは、2025年末から2026年初頭にかけて、パリ7区、11区などの幼稚園で学童保育スタッフによる性的暴行疑惑が相次いで表面化したことです。保護者らは「市当局が以前から通報を把握していたのに十分対応しなかった」と主張し、集団告訴に踏み切り、73人の保護者による告訴も提出されています。
さらにフランスの調査報道番組「Cash Investigation」が、学校内での暴言・体罰・性的逸脱行為の疑惑を放送したことで社会問題化したのです。
その後、パリ市は職員の大量停職や内部調査を開始し、検察も案件を横断的に統合して捜査範囲を広げています。
今回の統合的な検察の捜査には、これまでの対応には、「以前から苦情があったにもかかわらず、問題の人物が再配置された」、「停職後に子どもと再接触していた」といった行政上の不備、システム・構造の問題、不備に対し、保護者が責任の追及を求めていることもあります。
特に検察は単発事件そのものだけでなく、長期間、このような事件がどこか曖昧に放置され、見逃がされてきた可能性についての捜査も含まれています。
恐ろしいことに、2026年初頭以来、パリ市内の学校から78人の職員が停職処分を受けており、そのうち31人が性的虐待の疑いによるものと報告されています。
このスキャンダルに直面し、パリ市は、4月中旬に学童保育・放課後活動(périscolaire)のための2,000万ユーロのアクションを起こす計画を発表しています。
この計画には、専用のサポートホットラインを設置して通報手続きを簡素化し、家族への完全な透明性を約束するとともに、不安定な雇用状況にある保育士業界の専門性向上を図ることが含まれています。
パリ市の保育士1万4000人のうち、大多数が非正規雇用者だという事実も驚きでもあります。
職員による児童への性的虐待や暴力問題が炙り出される中、パリ保育士組合は「パリ市による抑圧政策」を非難しています。組合によると、パリ市は、慢性的な人手不足の保育士業界において、自動的な停職処分を行っていると訴えています。
そして、組合は、また「ストライキ」を行うように呼び掛けているのです。
いずれにしても、これだけたくさんの幼稚園・小学校・保育園でこんなに事件が起こっているなんて・・どの地域なの?と思いきや、パリ1区から20区まで全ての区に点在しているそうなのです。
パリ検察庁 84の学校での性的暴行・暴力事件捜査
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