コンゴ民主共和国は、エボラ出血熱の急速な流行発生を宣言し、現時点ですでに死亡者は80件以上、感染者(感染が疑われる者も含めて)246件報告されています。
致死率が50%にも達するこのウィルスの新株・ブンディブギョ株はワクチンも特効薬もなく、致死率が非常に高いと言われています。
アフリカ連合の保健機関であるアフリカ疾病予防センター(Africa CDC)は、ウィルスの感染拡大のリスクが非常に高いと宣言しました。
感染の中心地は、ウガンダと南スーダンに国境を接するコンゴ北東部のイトゥリ州で、この金鉱山地帯では、採掘活動に関連した人口の往来が日常的に激しくなっている地域です。
また、さらに、多数の武装集団による暴力が蔓延する同州の一部地域は治安上の理由から立ち入りが困難であることも、医療が行き届かない原因にもなっています。
国境なき医師団(MSF)の緊急支援プログラム責任者は声明の中で、「これほど短期間に感染者数と死亡者数が増加し、複数の保健区域に感染が拡大し、国境を越えて広がっていることは、極めて憂慮すべき事態だ」と述べています。
この感染力の強い出血熱が過去、最後に宣言されたのは2025年8月に同国南部で宣言され、12月には、封じ込められましたが、その時は34人の死亡者を出していました。
コンゴ民主共和国で最も致命的だった流行は2018年から2020年の間に3,500人の感染者のうち、約2,300人の死者を出したケースでした。
近代、最近のワクチンや治療法にもかかわらず、依然として強力なこのウィルスは、過去50年間でアフリカで15,000人の死者を出しています。
このコンゴでのエボラ出血熱の流行がフランス国内で大規模な感染を起こす可能性は低いと考えられていますが、フランスは歴史的にも中央アフリカとの結びつきは強く、中央アフリカからの渡航者も少なくはなく、特に医療従事者、NGO職員、出張者などを通じて、単発の輸入症例が発生する可能性はゼロではありません。
このウィルスはヒトからヒトへも感染するウィルスではありますが、空気感染ではなく、主に感染者からの血液・体液との接触で広がると言われています。
エボラ出血熱がアフリカで多く発生するのは、ウィルスの自然宿主として最も有力視されている動物(果実を食べるコウモリ)(これらの動物は中部・西部アフリカの熱帯雨林地域に多く生息している)で、地域の人がこれらの野生動物の狩猟や解体、調理、食事などを通じて感染するためとも言われています。
また、コウモリだけでなく、サル、チンパンジー、ゴリラなどから感染することもあります。
このように野生動物との接触が多いことや、医療体制が充分でない地域があることなどが、アフリカでのエボラ出血熱の流行が広まりやすいと考えられています。
この病気は、感染後、2日から21日間ほどの潜伏期間のあと、突然、発症することが多いそうで、初期症状は高熱、強いだるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛、のどの痛みなどから始まり、インフルエンザのように見えることもあります。
しかし、進行していくと、数日内に、激しい下痢、嘔吐、腹痛、発疹、目の充血、肝機能・腎機能の障害があらわれ、さらに重症化すると、血液が固まりにくくなり、歯ぐきからの出血、鼻血、血便、吐血、皮下出血などの出血症状が現れることがあります。
ただし、必ず大量出血する病気ではなく、出血症状が目立たない場合もあります。
現在は、抗体医薬などの治療法も使われるようになり、早期治療で生存率が改善することもあるというものの、今回の新株・ブンディブギョ株はワクチンも特効薬もなく、致死率が非常に高いというのですから、恐ろしい話です。
コンゴ・エボラ出血熱 感染拡大
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