2026年5月8日金曜日

1ユーロの食事が全ての学生対象になる

  


 フランスでは、これまで奨学金受給者や経済的に困難な状況にある学生のみを対象としてきた「1ユーロの食事」は、2026年5月4日から、全ての学生が利用できるようになりました。

 1ユーロの食事は、フランス全土のCROUS(通称クルス・地域大学・学校サービスセンター)傘下のレストランで、全ての学生が利用できます。また可能な限り、CROUSネットワークが運営するその他の施設(カフェテリアなど)でも提供されます。

 1ユーロの食事は、学生証保持者、職業訓練学生証保持者(見習い及び就労研修生)、博士課程学生、市民奉仕活動に従事するボランティアが対象で、いずれの場合も有効なIzlyアカウントを提示して身分を証明する必要があります。

 1ユーロの食事は昼食だけでなく、夜間営業しているCROUSレストランの夕食でも利用できます。学生は、1回の食事につき、1食のみ利用できます。

 1ユーロの食事は、メインコースの1品と最大2品のサイドディッシュ(前菜、チーズ、デザート、フルーツなど)で構成されます。

 これまでも大学食堂での一般学生への食事は3.3ユーロだったので(3.3ユーロというのも一般的な外食と比較したら、破格に安い)、それが3分の1以下に、つまり週5日行っても5ユーロで賄えるのですから、これは、学生には大変歓迎されることと思います。

 特にインフレで食料品が非常に高くなっている今、自炊をしていたとしても、学生にとっては、大変な痛手になっているものと思われます。

 政府はこの1ユーロの食事の適用範囲を広げることで、平均12.5%の利用者増加を見込んでおり、大学食堂の収容人数増加への対応、新たな職員の増員、そして、収入減の補填のために5,000万ユーロの予算を割り当てていますが、CROUS側は、これではとうてい賄いきれないであろうと予測しています。

 うちの娘は、高校卒業して以来、プレパー、グランゼコールと長い間、奨学金のお世話になってきたので、この1ユーロの食事を利用させていただいていました。

 フランスの奨学金というのはありがたいもので、授業料から住居費、最低限の生活費までをお世話になってきたので(これは返済不要)、もちろん、この1ユーロの食事の権利がずっとあったわけで、どのくらいの頻度かわかりませんが、けっこう利用していたのではないかと思います。

 ただ、あまりフランス料理が好きではない娘・・私は「別に無理しなくても、食費はママが出してあげるから、月末にママに請求してくれたら払うから・・」と言っていましたが、「だって、1ユーロだよ!食べられるものだけでも食べた方が買い物するより安いんだから・・」と、メニューによっては利用していたようです。

 これは、スタージュでパリの病院で働いていたときなどにも利用していた記憶があります。

 娘はしっかりしていて、大変、倹約家でもあるのです。

 今は、学生生活も終え、しっかり稼いでいる娘ですが、今回、「この1ユーロの食事が全学生向けになるんだって!」という話を娘にしたら、「だったら、奨学金を受けている学生は無料にしてくれなきゃね!」とサラッと返しが戻ってきたのには、恐れ入りました。

 そういえば、色々な援助金や補助金などにも、一律いくら・・というやり方はフランスには、少ない気がして、必ず、世帯の収入に応じて、とか、子どもの人数に応じて・・なんていうのが多かったのに、学生という括りだけで、みんな同じというのも、フランスらしくないような・・そんな気がしないでもありません。

 大多数ではないとはいえ、けっこう裕福な家の子どももいるのですから、全員にしなくてもいいかも・・?と思わないでもありませんが、まあ、学生は、圧倒的に質素な生活をしていることは確かです。


全学生に1ユーロの食事


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