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2026年4月6日月曜日

ちゃっかり娘との口ゲンカと彼女の向上心 

  


 世の中には、自分の力だけでは、どうにもないこともあるものの、自分の置かれた状況なり環境の中でも、どのように対応していくかで、その後の人生は大きく変わっていくということもあります。

 最悪と思われた状況(私の場合、若くして夫に突然、まだ小学生だった娘を残して先立たれた時がまさにその時でした)が長い目で見て、結果的には、あんな状況だったからこそせざるを得なかった経験などが、後に役立った・・というようなこともあります。

 ちょっと大袈裟な書き出しではありますが、今、日本で仕事をしているたくましい娘を見るにつけ、本人の努力ももちろんありましたが、周囲にいかに支えられてきたか?離れていた親戚や家族にもいつも見守ってもらってきたことを感じずにはいられません。

 娘は、今や親戚中からも、たくましい女の子として認識され、「〇〇(娘の名前)だけは、本当にどこでも生きていかれるね・・」と言っていただいています。

 リモートワークが良いのか悪いのか、日常的には、日本、アメリカ、ヨーロッパの時間に併せて仕事をしているために、家でも結局はものすごい長い時間を拘束されているんじゃないの?と思うほど忙しく仕事をしている娘は、親の私がいうのもなんですが、もの言いがキツいな・・と感じることが今回の私の一時帰国の間には感じられ、「あなたは、どうして、そんなことで、そんなに嫌な言い方をするの!!」と怒ったことがありました。

 娘はその時は、「人の言うことをそんなに気にすることない!気にする方がおかしいよ!」と私の言うことに反発していましたが、数日後、急に「昔、パリのラーメン屋でバイトしてた時、すごく人当たりがよくなったってみんなに言われたな・・また、単発で、そういうバイトでもしようかな?」などと言い出したのでびっくりしました。

 私が、「あなたの今の収入で、さらにバイトなんかしたら、税金とか、めんどくさいというか、大変なんじゃないの?だいたい、そんな時間あるの?」と言ったら、「いや、人との対応の勉強のつもりで・・・お金のためというより賄い目当てで・・少なくともお金を払わずに勉強になることだから・・」というので、「えっ?」と驚いたのですが、後から考えて、私が言ったことを後になって考えたのだな・・と思い至りました。

 なにより、ちゃっかりしたというか、少しでも自分に得るものがあるチャンスを伺いながら、そういった人としてのあり方についても、常に向上心を抱いて、行動に移していこうとしている彼女は我が娘ながら、すごいことだ・・と思った次第です。

 しかし、彼女のちゃっかりしているところは、日常のごくごく些細なことにも抜け目がないわけで、昨日、私が日本にいる間に買った食材を食べ尽くそうと、ちょっと家にあるダシを探していたところ、昨年、来たときに買った茅乃舎の「おでんだし」というものが半分残っているのを発見し(海外在住の場合は賞味期限が最低でも1年は自動的に延長されている感覚)、じゃあ、あるものでおでんを作ろう!とそのだしと、九州で買ってきたさつま揚げなどを煮始めていたところ、本当は大根くらい欲しいけど、大根重いしな・・もう大根買っても食べきれないしな・・と思っていたところ、娘が絶対に大根買う!と言い張り、一緒にランチをしに行った帰りに大根を買ってきたので、さっそく、味が染みるようにすぐ煮なきゃ!と大根を入れて、火にかけました。

 そこで、私は全然、味見をしていなかったことに気づいて、「あ!全然、味見していなかった!」と言ったら、娘が「ちょっと味、濃い目だよ!」と。「だから、大根入れたらちょうどいいと思って・・」と、ちゃっかり人の作ったものの味見をしていたのでした。

 まったく相変わらずというか、食べ物に関しては特に抜け目のない娘です。


口ゲンカ ちゃっかり


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2026年3月30日月曜日

娘の成長に戸惑うけれど・・     

  


 娘が日本での就職を決めて早や4年の月日が経とうとしています。学校を卒業して就職活動を始めたころ、(といっても、いわゆる私の時代というか、日本での就職活動とは違い、実際にスーツを着て、面接に行って・・というようなものではなく)、コロナ禍ということもあって、履歴書を送って、あとはリモートでというカタチでした。

 当時、娘もフランスで暮らしていたので、まあ、フランスのどこかで就職するのだろうな・・くらいに思っていて、特に就職先が見つからないということもないだろうから、あんまり親が口を出さない方がいいなと見守っていました。

 それが、日本の会社に就職することになって、勤務地は東京ということで、それなら、家もあるし、IT関係の企業ということもあって、ほとんどがリモートワークで出社しなくてもいいとのことで、最初の3ヶ月はフランスで仕事をしていました。

 それでも日本の会社ということで、これまで私が頑張って娘に日本語を教え続けてきたことが実質的にようやく役だった!と私としては、就職したのは娘自身であるにもかかわらず、私には、それなりの達成感がありました。

 その後、日本に行くことになったので、最初に日本で生活を始めるところまでは、いろいろな手続き等は手伝えることは手伝って、娘の門出を見送りました。

 それから、約1年後、娘は早々に転職先を見つけて転職してしまったのには驚かされました。しかし、その会社はフランスの超優良企業で、彼女の専門を活かせる会社でもあり、一時は、娘が「この会社もいいな・・」と言っていた会社でもあったので、「よかったね・・」という感じでした。

 当初は、その会社での仕事はフランスのV.I.E(Volontariat International en entreprise)(国際企業ボランティア活動)というシステムを利用したもので、フランス政府がフランスの若者たちに海外で活躍する人材を育成するためのシステムになっていて、ボランティアという名前がついていますが、しっかりお給料は支払われ、そのうえ、その収入は免税になるというなかなかよくできたシステムです。

 当初の期限?は2年間、その後はその会社で本採用になれば、別の契約携帯に移行するか、やめたければ、別の道を選ぶのも自由ということになっているのですが、娘の場合は、2年を待つことなく、その前に本採用となり、現在は、ふつうに就職した感じになっています。

 その間、時々、会社の話は聞いていましたが、時が経つにつれて、「ここにいても、これ以上の自分の成長は見込めない・・」などと言い出し、私としては、そんなに成長しなくてもいいじゃない・・もういい加減・・おちついてくれたらいいのに・・と思っています。

 一般的には、よい学校を卒業し、優良企業に就職し、それなりのポジションについて、かなりの収入も得られるようになり、もういいじゃん!と思うところだと思うのですが、まだまだ止まらない彼女の「もっと、もっと成長したい」という欲望。

 もう見守るしかないのですが、どんどん遠くにいってしまう感じの娘に半心は、寂しい気持ちもしている今日この頃の母なのです。

 しかし、考えてみれば、私の若い頃を顧みても、突然、イギリスに留学するといって、いってしまったり、その後、パートナーをみつけてアフリカに行ってしまったかと思ったら、今度はフランス・・なんてことをやってきた私。

 娘を見ていると、私のしてきたことなど、たいしたことないようにも思わないでもありませんが、当時としては、そんな人、あんまりいませんでしたから、私の親たちもさぞかし、心配したり、いろいろと思うことがあったんだろうな・・とも今になって、思わされてもいるのです。


娘の成長


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2026年3月29日日曜日

日本の旅館の外国人労働者  

  


 ここ数年は、日本に一時帰国するたびに地方の温泉宿に泊まって、今まで知らなかった地域を訪れていますが、ここのところ、日本に来るたびに感じるのは、地方の温泉旅館には、どんどん海外からの移民が働いている場面に遭遇することが増えているということです。

 もう、そこそこのレベルの旅館でさえも、必ず外国人が従業員の中の相当の割合を占めているのには本当に驚かされます。

 多くは若者(外国人)が多いこともあり、私としては、彼らに対して「頑張って!」という気持ちが強いのですが、もっと、日本社会全体として、大きく変わり始めている「働く人々」の層?の変化を感じずには、いられません。

 こうして外国人が働いていることを決して否定をするわけではないのですが、なんというか、景色が変わりつつあることを思うのです。

 彼らは一生懸命、日本語を勉強していて、特に、旅館のような場所ではたらくにあたって、「丁寧語」、「尊敬語」などの敬語をマスターし、日本独特とも思われる日本ならではの「おもてなし」重視の接客態度を身につけることは、相当、大変なことなのではないか?と思います。

 私たちは、特に食べ物に関心が強いので、出てきたお食事の食材について、質問させていただくことも多いので、季節の野菜や季節のお魚、〇〇牛とか、〇〇豚とか、お肉のことも尋ねたかったりもするので、大変、面倒臭い客だとも思うのですが、ただでさえ、言葉遣い等を厳しく指導されている中で、食材についての知識などを習得することも、日本人以上に大変なことなのではないか?と思うのです。

 今回、ある旅館の夕食時におさしみについていた、お刺身のツマのようなものが、大根ではなく、なんだかコリコリとした食感の良いもので、海草の一種なんだろうね・・これ、なんていう海草なんだろう?と思って、お給仕をしてくださっていた方(外国人の女の子)に「これは、なんという名前の海草ですか?」と聞いてみたら、「海草でございます」と。

 「ううん、そうではなくて、なんという名前の海草ですか?」再度、尋ねたら、「海草という名前でございます」と。ここで、もうその海草の名前を聞くことは諦めたのですが、外国で、しかも、旅館のようなところで働くことって大変なんだろうな・・と感じたのです。

 おそらく、そこでは、「確かめてまいります」といって、調理場の人に聞くのがよいのではないか?実際に、そういうところもあるので・・そうも思ったのですが・・。

 気の毒に思ったのか、そばで聞いていた娘が「もう無理だよ・・まだ日本に来て1年だというのに、日本語上手だよ・・ママのフランス語よりもずっと上手・・」などと、今度は私に対して、キツいひとことで、その場は終了しました。

 それでも彼らは一生懸命働いているのは、実際にとてもよく伝わってくるので、こんなに朝早くから夜遅くまで働いて、一体、いくらもらっているんだろう?とちょっと心配したりもしたのでした。

 日本語は難しいし、独特な日本ならではの行儀作法やサービスなども、日本で生まれ育った日本人にとっても難しいのだから、さぞかし大変なんだろうと思うのです。

 以前、泊まった日本旅館で完璧な礼儀作法や言葉遣いなどをマスターしているフランス人がいて、あのフランスで生まれ育って、よくぞここまでになられた・・ものすごい努力したんだろうな・・と思うこともありました。

 少子高齢化で労働人口が減っている日本の現実を、私の呑気な温泉旅行でも感じているのです。


日本の旅館の外国人労働者


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2026年3月22日日曜日

美容院で聞かされた現代の日本の若者事情の一端 

 


 毎回、日本に来て、まずすることは、お気に入りの美容院に行くことで、そこで美容師さんたちや、アシスタントの若い人たちとおしゃべりするのも、長らく日本を離れている私にとっては、楽しい時間です。

 ひとつ、残念なことは、ずっと私の髪を切ってくれてきたスタイリストの方が体調が悪くなってしまい、長らく闘病中だったのですが、もう復帰は無理だということです。

 彼のカットは神で、絶対的な信頼をもってお任せしていたので、とても残念です。

 とはいえ、他にも優れた方がいらっしゃるので、せいぜい年に1度か2度しか行かない私のカットやカラーリングの記録を保管してくださっていて、細かな説明をしなくとも、わかってくれているので、楽ちんです。

 その美容院は全てのスタッフがとても一生懸命で熱心で、特に若い子たちの頑張りには、毎回、「頑張れ!」と応援したくなる、もうお母さんになったみたいな気持ちで見守っています。

 美容院なので、鏡越しに表情が窺えるので、その顔つき、表情などで、どんな感じの子なのかを推しはかることができて、今回は、その中で、「たぶん、たくさんの親の愛情に包まれて育ったんだろうな・・」という感じの優しい表情の女の子がいて、何気なく、「おうちも美容院やってらっしゃるんですか?」と家族の話を聞いてみました。

 案の定、ご両親は東京の郊外で美容院を経営していらっしゃるということで、この道を選んだのだとか、彼女が自分の方から、「私は両親の愛情をたくさん受けて育ててもらってきたので・・」というので、「うん、そういう雰囲気あるね・・」と返したら、「私には、奨学金を返す必要がないのが自慢なんです・・」という意外な言葉が出てきました。

 最初、ちょっとピンとこなくて、「ん??」という顔をしていたら、彼女の方が察してくれたのか、「私の友人たちは、みんな大学や専門学校に行くのに奨学金を借りていて、その返済が40歳くらいまで続くんです!私にはそれがないので、とっても有難いんです・・」と。

 この学生の奨学金の話は聞いたことはあったものの、大勢の若者が自分の学費のための借金を40歳近くまで払っているなんて、大変な衝撃でした。

 それでは奨学金ではなく、ローンじゃない?と思うのですが、利率が学生用に考慮されているのでしょうか?

 私が日本で学生だった頃はそんな話、聞いたこともなかったし、自慢じゃないけど、我が家は突然、母子家庭になってしまったために、フランスでずっと奨学金のお世話になってきました。しかし、ありがたいことに返済の必要のない奨学金です。

 フランスでも、このローンのような奨学金?がないわけではありませんが、割合は非常に少ないです。

 40まで借金の返済があるならば、当然、結婚も難しいだろうし、日本はこんなふうになっているんだ・・と何よりも奨学金問題で衝撃を受けた、今回の日本での美容院でした。


日本の奨学金問題


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2026年1月18日日曜日

フランスのAI導入率が急速に成長している理由

  


 フランスはChatGPTなどのAI導入率において、急速な成長を見せており、アメリカ、ドイツ、イギリス、カナダ、韓国などを上回り現在世界第5位にランクインしています。

 マイクロソフトが発表したAI導入率の調査によると、シンガポール(61%)、ノルウェー(46%)、アイルランド(45%)、そしてフランス(44%)となっているようです。

 特にフランスはこの成長率が目覚ましく、2025年には、3.1%増加し、マイクロソフトが分析した30ヶ国の中でも、もっとも高い成長率を記録しています。(ドイツとアメリカはわずか2%の成長率)

 驚くべきことに、意外にもアメリカはわずか24位に留まっています。

 また、中国(16%)とインド(15%)は、人口が非常に多いため上位30位には、入っていません。

 フランスがAIをこれほど急速に導入できている理由は何でしょうか?

 その一つは、独自の高性能な生成型人工知能モデル(Mistral A社)を保有する非常に限られた国の一つであることが言えます。

 また、専門分野におけるAIの人気も理由に挙げられています。

 そして、もう一つは、政府が国家戦略として、継続的な投資と政策を続けてきた点で、フランス政府は2018年から段階的に国家AI戦略を推進しており、特に生成AIを含むAI普及・産業応用を重視した政策支援を展開しています。

 特に産業界への導入に関しては、公的投資銀行(Bpi france)が100億ユーロ規模でAIエコシステムを支援し、AI導入への企業支援を実施しています。

 また、AIの普及が進んでいるにもかかわらず、フランス人はAIの潜在的な悪用に対する警戒感を依然として抱いていることも特徴的なところでもあり、イノベーションと規制が足並み揃えて進んでいると言われています。

 つまり、国家機関が安全な利用を促進することで普及の担い手になるという取り組み方をしているようです。

 しかし、世界ランキングのようなものが出れば、やっぱり気になるのは、日本の状況です。高齢者がダントツに多い日本では、あまり期待はしていませんでしたが、なんと日本は19.1%と圏外。

 比較の対象にもなっていません。


フランスAI導入率 世界第5位 ChatGPT


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2025年11月28日金曜日

フランスが2026年から実施する志願制兵役・国家奉仕活動とは?

  


 マクロン大統領が来年から実施される志願制兵役の実施を発表し、具体的にフランスの軍事化に単に金銭的なことだけではなく、具体的な人的資源を集める手段に進み始めたことに衝撃を受けています。

 マクロン大統領の発表によれば、これは2026年夏から開始されるもので、大統領はこれを「国家奉仕活動」と呼んでいますが、これは、志願制に基づく純粋な軍事奉仕活動であり、志願者はこの10ヶ月間、最低月額800ユーロ(約 14,5000円)の手当に加え、その間の宿泊、食事、装備が提供されます。

 2026年には3,000人、2030年には10,000人、2035年には50,000人の若者を募る予定になっています。

 マクロン大統領が、『「国民奉仕活動」は我々を守るために動員されるため、国民奉仕活動は「国家の領土内」でのみ、奉仕活動を行う』と明言しているとおり、奉仕活動を行うこのプログラムに参加する者は、10ヶ月間の訓練プログラムにおいて、国内でのみ奉仕活動を行うことが基本となっていますが、「重大な危機が発生した場合」議会が志願者だけでなく、他の若者の参加を承認できるようになる・・という意味深な文言もついています。

 同時にマクロン大統領は、「我々が追及する目標は軍事的なものである」ということも同時に名言しています。

 また、この国家奉仕活動の中核は18歳から19歳の若者を中心に構成されるということで、政府は若者たちが高校時代に軍隊でのインターンシップを完了することを奨励したいとしており、同時にマクロン大統領は、「防衛・国際安全保障」の授業期間をこれまでの1年から3年に延長することも同時に発表しており、「そのため、若者は各学校で少なくとも年に1回は記念式典に参加しなければならない」と教育の場面から変えていこうとしているところが、なんとなく、空恐ろしい気もします。

 入学式や卒業式などの記念式典のようなものさえ、ほとんどないフランスの学校で軍事関係の記念式典だけは行われるというのもなんだか奇妙な気がするところでもあります。

 しかし、現実的に考えれば、18歳から19歳といえば、高校卒業後のそれぞれの進路を構築していくために必死な年代(つまり大学受験の年代)で、振り返ってみれば、うちの娘などは、勉強ばかりしていた年代でした。

 その年代の若者たちがそのような「国家奉仕活動」に参加するかどうかは大いに疑問ではあります。

 しかし、経済的にひっ迫している家庭にとってみれば、これに参加せざるを得ないような場合もあり得るのではないか?とも思われることには、まさしく格差社会を逆手にとったやり方のような気がしないでもないのです。

 この「志願制兵役」、「国家奉仕活動」には、20億ユーロ以上の費用がかかることが見積もられていますが、これまで政府は、軍隊に追加の人員を提供するための最善の方法を検討し続けていたとも言われており、今年7月14日に発表された戦略レビューによれば、これは、「危機発生時に動員できる人材プールを構築するため」のものであると見られています。

 なんだか軍事化がどんどん進んで、正直、怖いです。


フランス志願制兵役・国家奉仕活動


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2025年10月3日金曜日

子どもを性的虐待から守る新システム正式稼働開始 子どもに関わる仕事に携わる人が提示しなければならない証明書

  


 すでに政府により、2024年9月から6つの県で試験運用され、2025年3月からは他の23県でも運用が開始されている「児童との就労に危険とみなされるプロファイルの特定」により、子どもを性犯罪者から守るシステムが10月1日から正式にスタートしました。

 これにより、幼児・児童に関わる仕事に就労する(ボランティア等も含む)ためには、採用時および、その後、定期的にこの「優良証明書(Attestations d'honorabilité)」の提示が義務付けられます。

 具体的には、この証明書は、当該者に犯罪歴がなく、性暴力犯罪加害者自動登録簿(FIJAIS)に登録されていないことを証明するもので故意に就労を妨げるものではなく、子どもを犯罪・特に性加害、性暴力から守ることを目的としています。

 フランスでの求人に応募する場合、児童に関わる仕事ではなく、一般の企業であっても、犯罪歴がないことを証明する証明書の提出を求められる(これもオンラインで簡単に取得できるようになっています)ことがありますが、今回のシステムでは、児童施設等の子どもと関わりのある仕事に就労する場合には、この証明書(子どもと共に過ごすことが不適切と考えられるような犯罪歴等がないこと)の提示が義務付けられるようになるということです。

 この証明書発行のためのオンラインプラットフォームが既に稼働を始めており、試験運用も含めて、これまでに34万2000件の証明書を発行しているということで、このうち、1,700人以上の申請者が証明書の発行を拒否されており、そのうちの80%が児童保護の仕事に従事していたという恐ろしい事実も明らかになっています。

 DGSC(児童社会サービス総局)は、この証明書の発行が拒否された就労者に関しては、雇用主は、「個人的な理由による解雇手続き」を行わなければならないとしています。

 このシステムは、児童保護サービス(ホームスタッフ・ファミリーアシスタント)および幼児ケアサービス(保育士・チャイルドマインダー)に勤務する専門家とボランティアもスクリーニングを受けることになります。

 この制度は教育者、家族介護者、保育士だけを対象としているわけではなく、性暴力のかなりの割合が未成年者によって行われることもあるため、家族介護者の家庭で暮らす13歳以上の青少年もスクリーニングの対象になっています。

 また、児童性的虐待画像を所持していたことにより、有罪判決を受けた者も多く、これは、特にこの類の画像を所持している者が実際の虐待行為に及ぶ確率が高いためと説明されています。

 このシステムで全ての性暴力から子どもを守り切れるものではないとは思いますが、特に再犯率が高いと言われる性暴力に関する犯罪から子どもを守るには、必用なスクリーニングではないかと思われます。

 また、児童養護施設などに関しては、家庭環境に恵まれない子どもが集まっているために、擁護施設であると同時に、悪質な人物からターゲットにされやすい場所にもなりやすい場所でもあるため、そのような場所での就労者のスクリーニングは慎重に慎重を期すべきであるのではないかとも思われます。

 国立児童保護庁もこの制度は、とても有意義であると説明しています。

 

児童に関わる仕事に携わるための証明書

 

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2025年9月13日土曜日

一体、何を食べたらいいのか?わからなくなってきた・・

  


 私は、若い頃は、あまり食生活について、真剣に考えることもなく、ただ、これ太るだろうな・・と思うものは、避けるくらいで、いわゆる身体に良い食品などと言われると、あまのじゃくな私は、「身体に良い食品」とか言われるだけで、「なんか、マズそう・・」な気がしてくるくらいでした。

 お酒もかなり飲んでいたし、気を付けるもなにも、そこまでしっかり食べていなかったような感じもしないではありません。

 ただ、非常に食べ物にこだわるというか、美味しいものには目がない家庭に育ってきたので、それなりに美味しいものを食べさせてもらってきたし、美味しいものを食べるためなら、手間暇を惜しまないという感じの家だったので、そこのあたりは現在の海外生活にも役立っているような気がします。

 そんな私も子どもが生まれてからは、子どもには、栄養バランスのとれた良い食事をとらせなければいけないと思ってきたので、ずいぶん、食事については、気を付けるようになりました。

 幸い娘は、本当に押し付けたわけでもないのに、非常に健康的な食品が好みで、小さい頃の娘の大好物は茹でたブロッコリーや高野豆腐や湯葉などの大豆製品で、高野豆腐や湯葉などは、パリではいつでも手に入るわけではないので、そんなに毎日食べられるわけではありませんが、ブロッコリーに関しては、どこでも買えるので、いつでも茹でたブロッコリーと人参は冷蔵庫にストックしてある習慣になっていて、学校から帰ってきて、お腹が空いたときには、お菓子などは食べずにモリモリ、ブロッコリーを食べていました。しかも、マヨネーズ(娘はマヨネーズが大嫌い)などのソースは一切つけずに、モリモリ食べるといったちょっと変わった子どもでした。

 長いこと、我が家の食生活は(特に夫が亡くなってからは・・)娘中心の生活で、大方、娘の好みに沿って用意していました。

 娘が独立してからは、私は一人暮らしになったので、私の好きなものだけを好きに食べていてもよい境遇になりましたが、反面、自分だけのために作る食事というものは、どうにも簡素になりがちで、リズムができてくるまでは、少し時間がかかりました。

 しかし、最近になって、身体のあちこちに支障が表れ始め、食生活にも充分に気をつけなければならないようになってからは、糖質制限やら、カロリー、これは食べた方がよい食品だとか、避けた方がよい食品などというものをずいぶん、考えるようになりました。

 野菜をできるだけ摂ることは言うまでもないのですが、私の食生活には、どうやらたんぱく質が足りないようで、最近は、自分の中でも「たんぱく質・たんぱく質・・」と思いながら、買い物をするようになりました。

 私は、全くベジタリアンなどではないのですが、どちらかといえば、お肉もお魚もなくてもまあ、いいや・・と思ってしまうところがあり、まあ、簡単にいえば、美味しいお米と美味しいお漬物があれば良い・・くらいで、お肉を食べるとちょっと重いな・・くらいに思っていたので、たんぱく質摂取というのも、それはそれで、少々、億劫なところもあります。

 そのうえ、このインフレでお肉も相当値上がりして、お魚となると、良いお魚は、なかなか手に入りにくいとなれば、あとは卵・・昔は、卵は、1日せいぜい1個くらいにしないと、コレステロールが・・とかいう話があったのですが、最近の説では、卵はもっと食べても大丈夫らしい・・との話。

 考えてみれば、色々な科学技術などは、信じられないくらい進歩しているのに、この種の身体に良い悪い・・という健康に関わる食生活に関する情報というものは、どうして、こうもくるくる変わっていくのか? と不思議な気がします。

 つい最近も、糖質制限はもとより、体脂肪を落とす食事・・などなど、色々な情報があって、ちょっとビックリしたのは、体脂肪を落とすためには、むしろ、油を採らなければいけない・・なんていうのもあったりして、もうどれを信じていいのかわからなくなりました。

 「健康のために良い食品」に関しては、「昔は、こんなふうに言われていたけど、実は、その節は違った・・それは誤りだった・・」というものがけっこうあって、そんなこと今さら言われても・・と思うことはけっこう多いのです。

 私の場合、そこまで厳しく制限しているわけではないのですが、それでも、できるだけ、これを食べた方が良いと言われれば、できるだけ取り入れようとは思うし、糖質等に関しても、甘いものはできるだけ控えるけれども、全くカットしてしまうのも寂しいので、高級品なら少しは良い・・ということにしていますが、それにしても、もう山のように薬を飲んでいる身としては、それでも体調が良くならないとなれば、あとは、毎日の食生活をできるだけ良いものを取り入れるということくらいしか、やることはないわけです。

 しかし、次から次へと、時には、これまでと正反対のような「油は摂った方がよい」などということを言われれば、一体、どうしたらよいのか?わからなくなってしまいました。

 ちなみに私のかかりつけのお医者さんは、食生活で体調を改善していこうというアドバイスはあまりなく、あくまでも薬で・・という感じ。

 もっとも、食生活に関しては、ふつうのフランス人と同じような食生活ではないので、アドバイスしてくれたところで、あまり役には立たないので、自分で模索してみるしかありません。

 食べることが何よりも好きな私ですが、現在、食事については、大いに頭を悩ませているところです。


食生活 健康に良い食品


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2025年7月28日月曜日

子どもに残すもの

  


 時間の過ぎるのが加速度的に速くなっている気がする今日この頃、自分の後始末についても、少しずつ考えるようになってきています。

 我が家は、すでに両親ともに他界してしまっているので、次は自分の番だな・・という気持ちが父が亡くなった後から徐々に頭のどこかにあるようになりました。

 我が家の場合は、母が先に亡くなってしまったので、母が亡くなったときの相続手続き等は、全て父が処理してくれたのですが、父が亡くなったときには、私も弟も海外で生活していたこともあり、もう自分たちだけでは、到底、無理な話で、人づてに、信託銀行を紹介してもらって、すべて銀行におまかせでやってもらってしまいました。

 父は、自分の財産について、何も説明してくれていなかったので、一体、どこに、どれだけのものがあるのかなど、全くわからなかったので、そんなことも含めて、全て銀行がやってくれました。けっこう取られましたが、これは法律上の知識もないため、仕方ありませんでした。

 ある程度の段階で、一応、手続きの原案のようなものが銀行から送られてきて、一度、サインをして送り返し、一度、帰国した際に正式な書類にサインして、終わりでした。

 私たちは、結局、全てを2等分ということにしたので、不動産に関しては全て弟と私の共同名義になっており、今度、私たちになにかあった場合には、私の場合は全て娘が相続することになるわけですが、私としては、できるだけ面倒にならないようにしておいてあげたいな・・とぼんやりと思っていました。

 とはいえ、私の場合、そこまでたくさんの資産があるわけではないし、相続人も娘一人だけなので、そんなに問題はないとは思うのですが、それでも、海外で生活している分だけ、関わっている銀行の数も恐らく、ふつうの人よりは多いため、それなりにややっこしいものになるだろうから、なんとか少しでも明解にしておかなければとは、思っていました。

 特に、弟と共同名義の分については、弟も同じように考えていたらしく、できるだけ簡単にして、少しでも娘(弟の)に残してあげたいと思っているらしく、その手続きの時だけは、少し、弟と話し合い、決めきれないでいたら、娘が、「別にちゃんとやれるから、心配しなくてもいいよ・・」と言ってくれたので、結局、そのままになっています。

 弟と今度は、自分たちの娘への相続について、話していたとき、弟がやたらと、「少しでも娘に残してやりたい」というので、もうそんなに心配しなくても充分に資産はあると思われる弟がなぜ?そんなに娘により多くを残してやりたいと思うのか?と、私は、ちょっと、疑問に思ったくらいです。

 私の場合、娘はもう立派に社会人として仕事をし、まずまずの稼ぎを得ているし、そこまで、娘に残すことを考えるよりは、娘と一緒に過ごす時間のためにお金は使いたいと思っているので、なんだか、そんなにお金残して、どうするの?と思ってしまったのです。

 お金をもらって嫌な人はいないでしょうが、まあ、そこそこのものがあれば、それでよいではないか・・と思ってしまうゆるゆるな私。お金は所詮、お金です。それよりも、「限られた時間を楽しく過ごすことに使いたいな・・」と言っている私に、「お金をより多く残してくれるより、その方が健全だよ・・」と娘は言ってくれているので、私は、そのようにしようと思いつつ、そんな私を理解してくれる娘に育ってくれたことを感謝しています。


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2025年5月24日土曜日

フランスの研究者らが薬剤耐性ガン細胞を殺す分子の開発に成功

  


 国立科学研究センター(CNRS Centre National de la Recherche Scientifique)の研究ディレクターで、パリ・キュリー研究所の所長でもあるラファエル・ロドリゲス氏の率いるガン治療研究チームは、「現在、使用されている薬剤に耐性のあるガン細胞を殺すことのできる分子の作成に成功したこと」を発表しました。

 この詳しい内容については、5月22日号のフランス・アンテル紙で説明しています。

 また、ガン転移細胞の除去に関する彼らの研究は、5月7日号の科学誌「ネイチャー」にも掲載されています。

 現在のガン治療に使用されている薬の多くは、原発腫瘍を標的にしています。なぜならば、原発腫瘍は急速に増殖する細胞ですが、小部分の細胞は休眠状態にあり、増殖が少なく、そのため薬に抵抗性で体内を移動する能力を持っているのです。

 この体内を移動する能力を持った小部分の細胞が転移を形成するものとなります。

 ラファエル・ロドリゲス氏のチームはこれらの耐性細胞を標的にする方法を13年間、研究を続けてきた結果、これらの難治性細胞が現在の治療法に対抗するには、より多くの鉄と銅を必用としていることを突き止めました。

 鉄と銅は錆びる金属なので、この鉄を捕らえ、細胞膜を酸化して、細胞を死滅させる能力を10倍に高める新しい分子を開発したのだそうです。

 この新しい分子は、すでに膵臓癌や乳がんの患者の生研でテストされており、結果は良好であり、この分子は、現在、臨床で使用されている薬剤に反応しない細胞を殺すことができることがわかっています。

 ガンという病と闘病中の人々には朗報ですが、現段階では薬の開発は困難で、まだ、人間への効果を妨げる要因が数多く存在し、また毒性が強すぎる可能性も否定できないため、これが実際の臨床の場に登場するには、道半ばのようです。

 ガン治療の際によく、原発巣を取り除いて、5年以内に再発しなければ・・などという話を聞きますが、ちょうど5年を過ぎた頃に再発してしまい・・ということもあります。

 私の友人の一人もまさにこのケースだったのですが、再発してからは、あっという間でした。

 おそらく、この転移というのが、もう薬ではどうにもならない細胞ということだったのでしょうが、今回の研究成果が実際の臨床に使われるようになれば、多くの人の命が救われることになります。

 「この研究のために人生を捧げているので、実現を信じている」というロドリゲス氏・・素敵な人だなと思います。

 

薬剤耐性ガン細胞を殺す分子


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2025年3月17日月曜日

フランス人の86%が兵役復活に賛成している?

 


 IPSOS-CESI Ecole d'Ingénieur 世論調査によると、フランス人の86%が兵役の再開、さらには、53%が義務的兵役 に概ね賛成していると答えています。

 この世論調査は、ロシアのウクライナ侵攻とトランプ大統領就任以降の国際的な緊張の高まりを背景に周囲の欧州諸国が防衛力を強化するために徴兵制や予備軍増強を検討している中で行われました。

 それでも、調査対象者の多くが概ねこれに賛成している中、14%は完全に反対であると答えています。

 また、これらの回答は調査対象者の支持党派によっても異なり、極左政党に近い人の31%が兵役義務の復活を支持しているのに対し、極右政党国民連合の支持者では67%が支持しています。そして、これは、年齢層によっても異なり、35歳以下の人では41%が兵役義務を支持しているのに対し、60歳以上では、63%が支持しています。 

 いずれにせよ、この数字は私が想像していたよりも、ずっと多い数字で、もし、これと同じ世論調査を日本で行った場合にどのような数字になるのだろうか?と思って、そのような調査がないかと少し調べてみましたが、みつかりませんでした。

 先週の段階でマクロン大統領は、国民皆兵制度(SNU)の大幅見直しについて、翌週にも発表すると公表していましたが、よもや徴兵制度の復活?かと思いきや、週末の数社の仏紙のインタビューでマクロン大統領は、「兵役義務の復活は現実的な選択肢ではない」、「作戦に重点を置いた軍隊の専門家に着手した瞬間から、80万人の若者を動員することは絶対に可能なことではない」答えており、彼が言っていた国民皆兵制度の大幅見直しは、別のところにあるようです。

 たしかに、この国民皆兵制度が停止され、縮小されていった背景には、これには、大変な費用がかかるためだ・・という話も聞いたことがあります。

 この兵役問題は、別としても、軍事予算の拡大は、すでにマクロン大統領は、増税なしに行うと宣言済みのこと。

 とはいえ、増税なしに行うとなれば、なにか別の予算が削られることは大いに考えられること。フランス国民は、この軍事費の増額のために、医療費の払い戻し、住宅手当、家族手当、学生助成金などの社会保障を削減したり、法定年退職年齢を延長したり、年間数日の追加労働などのすでに提案されている案には、全て反対しています。

 防衛に関して、フランス人が賛成していることと、反対していること、どちらもフランス人をよく表している気もしますが、多くの人が兵役復活に賛成するような状況は、尋常ではありありません。


フランスの兵役に関する世論調査


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2024年12月9日月曜日

フランスの教育レベル PISA(International Program for Student Assesement)ランキング

  


 PISA(International Program for Student Assesement)は、世界中の教育システムの有効性を測定するためにOECD(経済協力開発機構)によって国際的に実施される調査です。

 フランスはこのレポートでランク付けされる国のひとつであり、日本もまた、このランキングの中に登場する国のひとつです。

 PISAランキング(留学生評価プログラム、またはフランス語で学生の成績を監視する国際プログラム)はOECDのプログラムで15歳の学生の学力を読解力、数学、科学の3つのカテゴリーで分析し、これにより、さまざまな国の教育制度を評価および比較することができます。

 PISAの報告書は3年ごとに発行されていますが、最新のものでは、フランスは特に急激に数学の学力が低下していることが問題視されています。今回のものは、2022年のデータに基づいたものであると言われ、パンデミックによるロックダウンのために学校に通えなくなった期間の悪影響ではないか?とも言われていますが、ロックダウンになったのはフランスだけではないわけで、なにか別に原因があるような気もします。

 それでも総合的に見れば、参加国85ヵ国のうち、フランスは26位、読解力29位、科学でも26位となっており、フランスはOECD参加国の平均内にあります。

 この調査はフランスの335の教育機関が評価に参加し、これらの教育機関から無作為に選ばれた8,000人の学生のデータが使用されています。

 フランスが急激にそのポイントを落としているという数学に関しては、圧倒的にアジア諸国が上位を占め、1位シンガポール、以下、マカオ(中国)、台湾、香港、日本となっています。

 私は数学は好きではない科目でしたが、「日本人は数学が得意である・・」というイメージがあるらしく、大変、低次元の話ではありますが、アフリカにいた頃におつりの計算を暗算したら、家にいたボーイさんにひどく感心され、「あ~でも、日本人だから数学が得意なのは当然だね・・」と言われたことにビックリし、心の中でこれは数学ではなく算数・・などと思った(アフリカの人にも日本人は数学が得意だというイメージがあることを知ってビックリした)のを覚えています。

 ちなみに、ヨーロッパで最もこのランキングの上位にいるのは、数学では、エストニアとスイス(7位と8位)で、読解力ではアイルランドとエストニア(2位と6位)、科学ではエストニアとフィンランド(6位と9位)となっています。

 単にランキングだけだと、あんまりピンと来ないし、同じ国でも学校によって、ずいぶん違うので、一概には言えないと思うのですが、それでもきっと、けっこうな違いがありそうで、その内容にも興味が湧いてきます。



PISA(International Program for Student Assesement)


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2024年12月1日日曜日

最近、とみに思うことの一つ 母と話したい・・

  


 私の母親との関係は、そんなにべったりした親子関係ではなかったけれど、かといって、全く、冷たい関係などではなく、むしろ、特に幼少時は母はしっかり私を教育してくれていたし、その最たるものは母が私にしてくれた英語教育で、本当に私が幼稚園くらいの時から母は自分が英語好きであったということもあって、母自らが私に英語を教え、英語に慣れ親しめる生活を送らせてくれていました。

 母は私に英語を教え始めたことをきっかけに、近所の子どもたちにも英語を教えるようになり、その後は英語のワークブックを出版したりまでして、しまいには、英語教育をする人向けの講演会などまで開催するようになり、主婦業、家事とともに忙しい生活を送っていました。

 しかし、結局のところ、母の本業?というか、もっとも大事にしていたのは、自分自身が子どもに英語を教えることで、それは晩年まで続けていました。

 母は心臓病を抱えていたので、晩年は、入院さえしなかったものの、家で安静にする生活をしていたものの、子どもに英語を教えることだけは続けようとしていたのですが、他の生活を制限までしているのに、自分の仕事を続けるのは無理だろうという周囲の意見もあって、本当に最後の2~3年は、その仕事も諦めてしまいました。

 我が家は母が幼少期から私たち子どもに英語を教育してくれたおかげ?もあって、私たちは二人とも海外生活をすることになり(といっても私はフランス語圏なのですが・・)、結果的に母は寂しかっただろうと思う反面、私が職場で「英語、上手だね(フランスでだけど)・・とほめられたよ!おかげさまで・・」などと報告すると、とてもうれしそうに満足気にしていました。

 私は、現在はあんまり英語を使う生活ではありませんが、弟などは、ほぼ英語で仕事をしているので、やはり母にはとても感謝していると思います。

 歳を重ねるにつけ、女性特有?の体調の変化や体力の衰えを感じ始めると、たびたび、母がいてくれたら、色々と聞いてみたかったな・・そういえば、母が体調について、こんなことを言っていたな・・などということを思い出したりすることが増えてきました。

 先輩の女性としたら、私にはけっこう今でも仲良くさせていただいている叔母たちもいて、話そうと思えば話はできるのですが、そこはやっぱり母の方がいいな・・と思ってしまうのは、年がいもないことですが、やっぱり今さらながら親子の距離感なんだな・・。

 母が亡くなってしまってから、もうそろそろ20年近くなるし、その2年後には、夫が急逝してしまったので、特に夫が亡くなってしまったときなどは、「母が生きていてくれたら、絶対に何をおいてもかけつけてくれただろうに・・」などと恨みがましく思ったりもしました。私にとっては、あの時の2~3年は本当にダブルチョップを受けた感じでボロボロでした。

 あれから徐々に更年期やら、体調の変化に気付くたびに、たぶん、あの時、母が言っていたことは、こういうことだったんだろうな・・と思うことが度々ありましたが、最近は、また別の意味で、最後まで母が子どもに英語を教えることをやめたくなかったことがわかるような気がする・・というより、やらせてあげればよかった・・と思うようになりました。

 最近、自分の体調がいま一つであったりすることもあるのですが、一応、夫が亡くなって以来、一人で子育てしてきた娘もどうにか自立し、これまで娘のことを第一に暮らしてきたので、しばらくはなんだかぽっかりとした気分でもいましたが、自分のためだけの生活というものの心地よさも、すっかり、しっかり楽しめるようになりました。

 しかし、これを死ぬまで続けていくのかと思うとなんとなく虚しい気もしないこともなく、これで夫でもいれば、まだ、二人で何かするということもあったのでしょうが、本当に半分余生のような気がしないでもありません。

 まあ、考えてみれば、高齢の人々はたいていそんな感じなんでしょうが、みんなどんな感じで暮らしているんだろう?などと思ったりもします。

 そんなとき、母が最後まで体調を押してまで子どもに英語を教えることを続けたかった気持ちが今では、なんとなくわかる気がするし、そばに私がいたら、それに協力してあげることもできただろうに・・とそんな気持ちになっています。

 母は、今の日本人の平均寿命からするとかなり早くに他界してしまったので、余計に母との時間は短かったとは思いますが、海外生活をしていた分も母との時間が少なくなってしまいました。

 最後の数年間は、今のようなネットでいつでも電話できるというわけではなかったのですが、それでも一週間に一度は必ず母に電話するのが習慣になっていて、もしかしたら、下手に同じ日本にいるよりも話はしたかもしれません。

 私は父とは、険悪とは言わないまでも、あまり良い関係とも言い難い分、母方に傾く傾向があったかもしれませんが、母娘というのは、やっぱり特別な関係でもっともっと一緒の時間を過ごしたかったな・・もっともっと話をしたかったな・・と年齢を重ねた今、とみに思うようになっています。


母との時間


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2024年9月3日火曜日

新年度の始まりで開始される制服導入と携帯電話禁止のテストケース

    


 フランスにおいて、ここ数年、話題にのぼっていた小・中学校の制服導入の試験的試みが70校を含む90の施設で開始されているようです。

 2年くらい前に、最初に公立小・中学校での制服導入の話が上がり始めたときには、「フランスの学校で制服?冗談でしょ!」と思ったくらいあり得ないだろうと思っていたことが、あっという間に実現に向けて、とりあえずは試験的にとはいえ、開始されたことに驚いています。

 これは、全国的にこの試験的な試みを行う学校を募集したうえで、学校側の賛同が得られた学校で行われ始めたことで、自治体と州がこの費用を負担しており、保護者には、一切、資金的な負担がかかっていないそうです。

 この制服の組みあわせについては、以前の段階では、多くはポロシャツ、パンツ、スカート、セーターなど比較的ラフな感じと聞いていたのですが、地域によっては、これにジャケット、ブレザーなどが追加されており、一人につき、合計9点の衣服が支給されているところもあるようです。


      


 男女別でもあり、また、季節を考慮しなければならないこともあり、またサイズ合わせなど、また一年の間の成長の過程などもあり、その生徒一人一人用に合わせた制服キットを用意するだけでも大変な予算と労力が必用となり、労力の面は特に、これをフランスの学校の先生がよく了承したな・・とも思います。

 この制服導入のテストケースの運営には、最大50%がコミュニティによって資金提供され、残りは国家が担うことになっており、国の教育機関が発表した費用は制服キット1個あたり(1人当たり)200ユーロと言われています。

 各自治体は、地元のコミュニティと対話しながら、制服を定義し、細かい衣装ひとつひとつは、教師チームと生徒の保護者の間で数回の会議を経て選ばれているそうです。

 このテストケースに参加している自治体は、「学校の制服は単なる規制上の服装ではなく、教育環境においても重要な役割を果たすものでもあり、規律上の側面を越えて高品質の衣服としての紛れもない利点も備えている!」と胸をはっています。

 このテストは、少なくとも2年は継続される予定だそうで、これが成功すれば、2026年には、一般化する可能性があると言われています。

 また、この制服導入とセットのように語られているのが、「学校内での携帯電話使用禁止」の流れで、これには、具体的な予算等は、さほどかからないうえ、ネットによるイジメ問題の深刻化などからも比較的、好意的に受け取られています。

 今や小中学生、特に中学生ともなれば、携帯を持っていない子を探す方が大変なくらいですが、学校に入る際に学校側が携帯を預かり、まとめてロッカーに保管。子どもたちが帰る際に子どもたちに返却するという方法をとる学校が多いようです。

 これには、保護者側も、子どもたちの登下校の際に所在確認ができればよいので、校内にいる間に携帯を使用せずに、学校での授業や他の活動に集中できることは、よいことだ・・と受け入れている人が多いようです。

 携帯電話に関しては、そもそも、10年、いや15年くらい?前までは、そんなものは取り上げるまでもなく、子どもたちは、携帯など持っていないのがあたりまえだったのですから、本来ならば、全然、問題ないはずどころかじゃまなもので、学校にいるときくらい、携帯を覗かずに、授業に集中し、友だちと話したり、遊んだりする時間は、必要だと思います。

 私は、ほぼ日本で教育を受けて育ちましたが、制服のある学校に行ったことがないので、余計に制服というものに、ピンと来ないのですが、とりあえず、これが良いのか悪いのか?試してみるというのは、よいかな?とも思います。


新年度の小中学校制服導入と学校内携帯電話禁止


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2024年7月29日月曜日

オリンピックを開催している街ってこういう感じなんだ・・

  


 パリオリンピック開会式の日は、交通手段も限られていたし、その翌日もお天気が悪く、なんとなく、街中に出てみようという気もしなかったのですが、2日後、ようやく、ちょっとオリンピック色に染まった街の様子を覗いてみようか?と、パリにあるいくつかのスタジアムのうちの一つの近辺を少し歩いてみました。

 相変わらず、我が家の周辺のバスは通常運転にはなっておらず、「え~~?まだダメなの~~?」と正直ウンザリもしたのですが、セーヌ川へのアクセスは、場所にもよるのでしょうが、再開されていて、久しぶりにセーヌ川沿いも歩くことができました。

 スタジアムの近くの駅は、やはり警備は相当なもので、「メトロ、結構、混んでる?」と思ったら、警備隊(私が見たのは憲兵隊でしたが・・)がメトロの中にまで乗り込んでいました。


 おそらく、セーヌ川近辺に取られていた人員が今度は市内、メトロの中にまで配置されるようになったものと思われます。まあ、こんな警備隊がメトロの中にまで乗っているのは、多少、緊迫感もありますが、よく考えてみれば、安心なわけで、おそらく、日常のパリよりは、数段、治安がよくなっているのではないか?と思われます。

 お天気が良いだけで、パリは本当に格段に美しく感じられ、また、オリンピックのための表示や看板などが周囲の風景や緑の木々など、計算しつくされたようにマッチしていて、路肩に何気なく置かれたブロックなどまでもが、今回のパリオリンピックカラー(オリンピックの五輪の色とは別のパステルピンクとペパーミントグリーンなどなど・・)にペイントされていて、とってもいい感じです。



 開会式のための警備のための、あまりの規制の厳しさに逃避してしまったパリジャンも多かったわけですから、すべてのフランス人がオリンピックに好意的、またオリンピックに興味あるというわけではないとは思いますが、それにしても、やっぱりオリンピックを開催している街がなんとなく、次第に湧いてくる、なんとなく多くの人がワクワクしている感じというものを少しずつ感じています。

 テレビのオリンピック中継なども、いつもは要所要所に少しずつフランス人の分だけ・・という感じが多いのですが、今回は、時差もなく、何より開催国ということで、夜20時のニュースの時間なども、ほぼ一般的なニュースは最小限でオリンピックの中継やオリンピック関係の報道に割かれています。

 私は、オリンピックといえば、やっぱり日本人を応援したくなるのですが、ふだんはあまり日本人の分は放送してくれないので、日本人がいない競技はフランスを応援します、

 昨日はちょうど、水泳の生中継をしていて、フランス人も日本人も出てきた男子400メートルメドレーの試合でした。

 これは珍しいタイミング!と思って見ていたのですが、満席の会場の応援はほぼほぼフランス人の応援で、テレビ越しからでも伝わってくる観客席の大熱狂。各国からの応援団はそれぞれいるとはいえ、これはフランス人にはずいぶん有利、気持ちの上がりかたはずいぶん違うのではないかと思いました。

 その試合では、なんとフランス人が金メダル!日本人が銅メダルを獲得していました。

 ちょうど、その日には、たまたま行ったスタジアムの近くに時計メーカーのOMEGA(オリンピックの公式タイムキーパー)のパビリオンができていて、実際にオリンピックで使われているタイムを測るための装置や実際のプールの中の装置がどんな風になっているのかなどを見てきたばかりだったので、「ほんとに、あれ、使ってるんだ!」あの展示場に出ていた写真の人(奇しくも当日金メダルをとったフランス人選手)だ!などと、いつもよりは、興味深く見ることができました。






 このオメガのパビリオン、実際に自分で走ってみてタイムを計ってくれるゲームなどもできるし、わりとふらっと見て回れるので、機会があれば覗いてみるのも楽しいかもしれません。Parc de Bercyの中にあります。入場無料です。

 まだまだオリンピックは始まったばかりではありますが、街がオリンピックでなんとなく高揚していく感じというものは、こんな感じなのか・・というのを少しずつ感じています。

 と、同時に無観客のまま行われた東京オリンピックは、本当に残念だったな・・とも思うのです。


Paris 2024 パリオリンピック


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2024年6月18日火曜日

娘はけっこうなハードワーカー??

  


 「パリ行きの安いチケット見つけた!」と、かなりフットワーク軽くパリにやってきた娘は、現在、家で仕事をしています。

 6月末までにとりきらなければならないお休みが残っているから・・と聞いていたのですが、それは、今回の彼女のパリ滞在まるまるの日程の分のお休みをとっているわけではなく、最初の一週間は、ほぼほぼリモートワークで通常どおりの仕事をしているようです。

 彼女の仕事は、リモートワークが中心なので、日本にいても会社に行くのは、せいぜい週1~2日くらいなもので、行っても行かなくてもいいけど・・という私にはよくわからないもので、私が日本に行っているときも、彼女は家で仕事をしていたり、たまに会社に行くことがあったりするし、私が日本に行くときには、私の方は、かなりスケジュールがキツキツで彼女の仕事の様子は、あまり気に留めていませんでした。

 今回、彼女が今の仕事についてから、初めてのパリでのリモートワークの様子を見ていて、朝は日本時間にあわせて、朝6時頃に起きて会議などに臨み、その後も、自分自身の仕事をしながら、次の会議はドイツと・・その次はアメリカと・・などと、結局、ものすごく長時間、仕事をしています。

 パリにいても、私は私のスケジュールで動いているのですが、意外にもリモートワークというものは、どこにいてもいい代わりに、どこにいてもいいからこそ、世界のそれぞれの時間にあわせていると、結局、かなりの長時間労働になるわけで、この国際間のリモートワークをしている人々の仕事ってどうなってるの?とちょっとビックリしています。

 リモートワークというと、なんだか、通勤しなくていいので、楽な気もしていたのですが、これがけっこう大変そうです。彼女は、けっこうなサラリーを頂いているようなので、やはり、それなりにすごく仕事しているのだな・・と、あらためて、娘の仕事ぶりに驚いているのんきなママです。

 私も以前は、パリで日本の会社と連絡をとらなければならない仕事をしていたことがあり、しかし、その頃は、リモートなどではなく、日本に電話しなければならないから、午前中の比較的早い時間に電話しないといけない・・などということもあったのですが、それは所詮、電話だけの話で、ずいぶん、世の中変わったな・・としみじみ思ったりもしているのです。

 しかし、そんなことにも全然、めげずにそれを利用してパリに来ているのですから、若いエネルギーってすごいものだと思います。

 そのうえ、これだけハードに働きながら、ほとんど動いていないのに、私があれもこれもとここぞとばかりに色々買い込んでくるものを食べているので、これはヤバい!とひととおりの仕事が終わると夕方には、1時間くらい走りに行くので、もう帰ってきて食事をすると、ふわふわあくびをしだして、もう電池が切れたように寝そうになっています。

 しかし、大いに仕事をし、大いに遊び、健全だな・・と思います。これも、この先、子どもを持ったりしたら、さすがにできないことで、今のうちだからできること・・できるときに、できるだけ人生を謳歌してほしいな・・と思っています。


リモートワーク


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2024年5月30日木曜日

フランスでの子どものお稽古事 習い事

  


 絶賛子育て中の女性たちの会話を小耳にはさんで、特にまだ小さい子どもを持つママたちは、子どもに何をやらせてあげればよいのか?子どもにとって良い教育とはどんなことなのか? とっても一生懸命に話をしているのを聞いて、なんだか、昔の自分の子育てをしていた頃を思い出し、「私もなんかもう、無条件に必死だったな・・」と、なんか、そんなママたちを見て、「そうだよね・・子どもに少しでもよいことをさせてあげたいよね・・わかるわかる・・がんばれ!」という、なんかそのママたちがとても愛おしいような気持ちになりました。

 私の場合は、とにかく何よりも娘には日本語をしっかり身につけてほしかったので、娘に一番、最初に始めたのは日本語の教育でした。私の最優先事項は決まっていたので、とにかく私は娘には日本語のみで話し、日本語の絵本を毎晩、夜2冊を読み聞かせをし、日本語の単語のカードなどを自分で作ったりして日本語を教えていました。

 まずは、日本語の読み書きができるだけ億劫に感じにくくなるようにと、フランスの学校(実際には幼稚園ですが、フランスでは学校扱い)が始まるまえには2歳で公文に通い始め、えんぴつの持ち方から日本人の先生に(私以外の日本人の人からということも大切だと思って)日本語で教わり、最初は線を引くところから始まり、それから毎週1回、当時はシャンゼリゼにあった教室にしばらく通い、その後はオペラ座近辺の教室に通いました。公文は本当は週2回通えるのですが、スケジュール的に無理だったので、1週間分の宿題をもらって週1にしてもらっていました。

 送り迎えも大変でしたが、毎日の宿題をやらせるのがホント、大変でした。毎日、毎日の積み重ね・・我ながらよく続いたものだと感心します。これらのことは、私が子どもの頃に母から受けた英語教育にちょっと通ずるところもある気がしています。

 私が子どもの頃は、母が私に少しずつ英語を教えてくれていたので(これは外に習いに行ったわけではなく母がずっと教えてくれました)、毎晩、寝る前には英語のお話のテープを聞きながら、ベッドに入るようになっていたので、子どもの頃はそのお話を英語で暗唱できたりしました。小さい頃だったからこそ、できたことです。

 しかし、娘には私も少しだけ英語を教えかけたこともあったのですが、途中でギブアップ、ただし、夫が存命中は夫とは英語で話すようにしていたので、そこに娘がフランス語で割って介入してくることはあったので、ある程度は聞き取れていたかもしれません。

 そして、娘には、私の小さい頃の憧れもあり、バレエをやらせたいと思っていました。もともとは、ほんとに親の勝手な趣味的発想です。しかし、パリにいるからこそ、そんなに高くない月謝で、しかもラッキーなことに先生は、元オペラ座でソロで踊っていたバレエダンサーでした。

 パリで女の子のお稽古事といえば、バレエは定番なのですが、そんなこととは関係なく、これは、単に、私が子どもの頃にやりたかったのにできなかった・・という私の勝手な希望でした。最初、娘はあまり乗り気ではなく、「じゃあ、一回、行ってみて、嫌だったら、やめよう!」と連れて行ったら、娘はたった1回で「やっぱりやりたい!」と変わりました。

 それが4歳くらいだったと思います。当時、娘はピンクのお年頃で、もう何から何までピンクがいいという頃、ピンクのチュチュを着た、ちっちゃなナルシスト集団みたいなところでしたが、結局、彼女は高校に入るくらいまで続けていました。

 日本語はともかくバレエは特に将来なにかにはっきりと役立つというものでもないのですが、しいて言えば、バレエというものはあらゆるダンスの基本のようなものでやってみると地味にキツいもので、しいて言えば、体幹が鍛えられ、姿勢よく成長できたかもしれません。

 私はずっとフルタイムで働いていたので、とにかくどこへ行くにも送り迎えが必用なフランス(小学校卒業までは)で、彼女のお稽古事は私が送り迎えができる日に集中させる必要があり、これ以上は無理でした。

 水泳等は、休みの日、時間が空いていると近所の市民プールに連れていき、私が教えていたので、娘は、しっかり泳げるようになっていました。ただ、ある時、(8歳くらい?)夫が急に水泳をやらせたいと言い出し、自分が送り迎えをするからと、平日の夕方の時間で週1で水泳のクラスに通わせていたこともありました。

 その他には、学校の合宿等で、乗馬をやっていたこともあったし、これまた学校の中のアクティビティでフェンシングなどのコースを取っていたこともありました。フェンシングなどは、これは、性格的にも合ってるのでは?と私は思っていたものの、1年のみで、やっぱりあんまり好きじゃない・・と彼女はあっさりやめてしまいました。

 その後、夏休みや冬休みのコロニーでは春には乗馬の合宿、夏にはサーフィンやダイビングなどのマリンスポーツ、冬にはスキーと、お稽古事というわけではありませんが、色々なスポーツに触れさせることができました。

 これらのコロニー合宿は夫が亡くなってからの話で、長い夏休みをはじめとする学校のバカンスに私一人でお休みをとって付き合いきれなかった苦肉の策で、夫の元同僚だった人が、財務省(夫の勤務先)の職員の遺族補助が使えるから、通常よりもずいぶん安く行かせてあげられると紹介してくれたもので、まさに不幸中の幸いで、おそらく娘にとっては、私と過ごすよりも豊かな体験ができたのではないか?と思っています。

 ただ一つ、心残りといえば、心残りなことは、私が小さい頃からお稽古事としてやらせてもらってきたピアノをやらせてあげられなかったことで、当時、絶対音感は小さいうちに訓練しないと・・などと思っていたので、小さい頃に私自身が娘にピアノを教え始めていたのですが、どうにも彼女はピアノが楽しくないらしく、どんなに動いても決して音を上げない娘がピアノに関しては、すぐに「手が痛くなっちゃった・・」と言い始め、音に関しても、音ではなく、鍵盤の位置を数えて覚えようとする不思議な子で、他のスケジュールがキツキツだったこともあり、私は早々に「時間の無駄だ・・」と諦めてしまったのです。

 今から思えば、それをどう楽しく感じさせることができるのか?というのが親の力量だったのかもしれませんが、私には、当時、そんな余裕がありませんでした。

 後に「のだめカンタービレ」というドラマが流行ったときに、娘は「やっぱりピアノやりたかった・・」などと言っていたことがありましたが、結局、お稽古事とか習い事は、本人がやっていて楽しいかどうか?というのが続けられるかどうかの判断基準なのではないか?とも思います。

 「好きこそものの上手なれ」とか言いますが、なにをするにしても一定の努力が必用ですが、好きなこと、好きなものであれば、その努力がしやすいということで、それは、お稽古事に限らず、学業の専攻や職業を選択する際にも、よい判断基準なのかもしれないと思っています。

 その子どもの特性によって、合う合わないは色々あると思うので、一概にどのお稽古事がよいということも言えないと思いますが、とにかく少しでもとっかかりのあるものをとりあえず、やらせてみて、続けられるかどうか?本人が楽しんでできるかどうか?ということを試してみるのがよいかと思います。

 とりあえず、私が一番、優先的に考えていた日本語教育に関しては、小さい頃は、「日本語のできない子は日本に連れていけない」と言って、日本行きを餌にして、好き嫌いにうむをいわせない感じにして、とにかくやるのがあたりまえ・・という雰囲気になっていました。

 今となれば、私の念が通じ、彼女は日本でフランスの会社で日本語、フランス語、英語を使って仕事ができているので、結果的には、日本語教育はまことに頑張って続けた甲斐のあった習い事?となりましたが、結果として、はっきり見えるカタチではなくても、小さい頃に色々なことを経験し、一定の期間続けるということは、なんらかの意味があることだと思っているので、忙しい暮らしの中で送り迎え等、頑張っているママさんたちには、エールを送りたいと思います。

 本当に子どもの頃、スポンジのように様々なことを学習する、体験する時期をどのように過ごすかということは、その人の一生にとっても大きなことなのではないか?と思うのです。この時期を逃してしまうのは、本当にもったいないです。


子どものお稽古事 習い事


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2024年4月21日日曜日

「捕食者の巣窟」と呼ばれる危険なオンライン・チャットサイト

  


 4月の半ば頃に、グランド・シント(オー・ド・フランス地域圏)で未成年の少年(14歳・15歳)が路上で男性を襲い、殴り殺してしまったという事件が起こったことなどから、未成年の超暴力化が問題にされていました。

 この事件が注目されたためかわかりませんが、立て続けに似たような事件もとりあげられていました。

 グランド・シントでの事件を起こした少年たちは、すでに公判前拘留され、殺人罪で起訴されています。少年たちは、過去にも暴力行為や窃盗などで逮捕歴があったものの、今回は、殺人事件、彼らは、殺すつもりはなかったが、暴力行為を行ったことは認めているといいます。

 ところが、彼らのこの暴力行為についての計画が「coco.gg」というオンライン・チャットサイトで、「未成年の少女を装って被害者との面会を設定した」と供述したことから、このサイトの危険性に注目が集まっています。

 ココランドとして知られるこのサイトは、性別、年齢、ニックネーム、郵便番号を入力すれば、誰でも参加できてしまい、モデレータや会話のセキュリティやコントロールが全く行われていないサイトで、本人の身分をいくらでも偽ることができるため、このサイトを使って起こされている事件は少なくないようで、これが「捕食者の巣窟」と言われる所以のようです。

 ホームページの左側には、「料理」、「映画」、「60歳以上」などの、ある種のオーソドックスな感じのテーマに加えて、「異教徒の女性」、「女子高生」、「ふしだらな女」のようなわいせつで下品なテーマも並んでおり、小児性愛的なものや、同性愛嫌悪的なものなども含まれます。

 このサイトは、とても簡単にアクセスできるため、また匿名性という気軽さもあいまって、フランスでは85万人のユーザーが存在すると言われています。

 このような危険なサイトは、未成熟な未成年者には特に危険なうえに、その他、「小児犯罪者、強姦者、同性愛嫌悪者、武器、麻薬売買などの不法な交換の場にもなっていると警鐘が鳴らされています。

 Innocence in Danger などの児童保護団体は2013年からこのサイトの閉鎖を求める署名を集め、訴えているそうですが、現在、集まっているのは5,000人ほどの署名だそうで、85万人のユーザーに対しては、あまりにも少ないことは驚きでもありますが、私自身もこの事件が起こるまでは、このサイトの存在は全く知らなかったので、社会問題として、大々的には取り上げられてこなかったのかもしれません。

 しかし、このサイトはガーンジー島でホストされているために、フランス当局が必ずしも対抗できないかもしれないと児童保護団体の弁護士が語っています。

 近年、いくつかの事件がこのオンライン チャットにリンクされており、 ある男は10年以上にわたって妻に薬物を投与し、ココランドを通じて見知らぬ人に彼女とのセックスを持ちかけており、 この事件に関して50人の男性が2024年9月にアヴィニョンで裁判にかけられる予定になっているそうです。

 しかし、このココランドは、ある意味、そのような界隈の人々には象徴的な存在になっているものの、残念ながら、これは他の多くのSNSやチャット形式(ゲームなど一見無害に見えるものも含む)に存在する状況の一例にすぎないという見方もあります。

 近年、SNSを利用した犯罪が多発するようになり、コントロールが本当に難しくなっていますが、ある程度のセキュリティが保たれた状態でないサイトには、少なくとも未成年者だけでもアクセスできないようにしてもらわなくては・・と思います。


危険なオンラインチャットサイト ココランド


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2024年4月12日金曜日

3歳以下の子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用を禁止

  


 今週初めに国民議会にて、「保育園や保育所での3歳以下の子どものスクリーン(タブレットやスマホなどのデジタル機器)の使用を禁止する法案」が提案され、子どものスクリーン使用に関する健康に影響を与える問題についての議論が高まっています。

 今回の議会への提案は、3歳以下の子どもに対するものですが、児童へのこれらの電子機器の過剰使用については、小学生、中学生についても以前から取り上げられているものです。

 今回の提案では特に3歳以下の子どもをスクリーンの前に置くことは、「言語能力、コミュニケーション能力の発達の遅れ」だけでなく「運動能力の低下」、「睡眠障害」などを引き起こす原因となっていると説明しています。

 今やバスや電車の中でも小さい子どもがスマホでアニメを見ていたり、ゲームをしていたりするのを見かけるのは珍しくなくなりましたが、今回の議会への提案については3歳以下の子どもの保育園での使用禁止ということで、そもそも保育園でタブレットなどを与えて子どもを保育していたのか?とちょっと、驚かせられるところでもあります。

 しかし、これは、基本的には、保育園だけでの話ではなく、家庭内にも同じことが言えるわけで、フランス公衆衛生局は、2023 年 4 月に発表した調査で、2 歳児は 1 日あたり平均 56 分、3歳半の子どもの場合、1日1時間20分をスクリーンの前で過ごしていることを明かしています。

 以前は、テレビは1日〇時間まで・・などと言われたものですが、テレビの場合は少なくとも家にいる時間しか見られなかったものが、持ち運びのできるスマホやタブレットの場合は、四六時中、触れることができてしまうのですから、どこかでストップをかけ、その危険性について、保護者や監督者が認識できていない場合は、その視聴時間が際限なくなってしまいます。

 たしかに、公共交通機関などの中でむずがる子どもにスマホを与えておとなしくさせたりするのは、一見、ラクで良いアイディアのような気がしてしまいますが、やはり、幼少期には、自分の目で色々なものを見たり触れたり、感性を育み、そして、公共でのマナーを学ぶチャンスでもあるのです。

 娘が小さかった頃は、ここまでスマホやタブレットが浸透していなかったので、これほどまでに問題にはなっていなかったものの、それでも、当時、フランスの子どもの間でも大人気だったNINTENDO DSなどのゲーム機器を私たちは決して買い与えなかったし、スマホでさえも、かなりの年齢まで持たせていませんでした。

 私が子育てを始める頃に、子どもの家庭内暴力などの問題が浮上していて、こんなになっちゃったら、どうしよう?と親族にもいる教育関係の仕事に携わっている人々に相談したら、「色々と家庭によって、事情はあるんだろうけど、とにかく身体を動かすこと、スポーツなどをさせて、エネルギーを発散させることが大切らしい」という話を聞いて、私は、とにかく、娘の有り余るエネルギーを発散させることを心掛けてきました。

 タブレットやスマホに子守をさせている場合は、その正反対になってしまうわけです。

 そもそも我が家の場合は、私も仕事をしていて、ウィークデーは仕事帰りに娘を迎えに行って、家に帰ってくるのは、夜7時近く、それから公文の宿題をさせて、食事をさせて、娘が寝るまでの時間には、他のことをしている余裕はほとんどありませんでした。

 ただ、タブレットはありませんでしたが、テレビはあったのです。しかし、私は娘の日本語教育のために、娘の幼少期は、ごく一部のテレビ番組を除いて、テレビは日本の番組をDVDで見るだけのものでした。娘が当時、繰り返し、飽きることなく見ていた日本のドラマなどのおかげで娘はずいぶん日本語を覚えたと思うので、必ずしも、スクリーンを全て否定するつもりはありません。

 しかし、やはり、幼少期には、タブレットなどではなく、身体を動かしたり、家族と会話をしたり、本を読み聞かせたりと他にやることはいくらでもあります。

 このスクリーンの有害性については、幼児だけでなく、ティーンエイジャーや大人とて過剰な使用については、気をつけなくてはいけないことがたくさんあるような気がしています。

 個人的にも、ついついスマホを覗いてしまう習慣をあまり良くない、もっとスクリーンから得られる情報以外のものを自分の目で見たり、感じたりすることが必用だと感じ、日中はできるだけ、スマホやネットに接しないようにしています。

 スマホから得られる情報はとても便利で有効であると同時に他の者と接する時間や機会を奪っているということで、これが精神衛生上、また健康上あまり良いことではないような気がしているのです。

 ましてや成長段階にある幼児や子どもの場合は、他のものから子供たちの経験すべきこと、感性を育てることを遮るものとなっているような気がしてならないのです。


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2024年3月7日木曜日

フランスの飛び級と留年

  


 娘が小学生の頃、夫はやたらと娘を飛び級させたがっていたのを私は、反対していました。子供の能力に応じての飛び級や留年というものが、小学校という低年齢層でも、わりと珍しくなく行われていることに日本育ちの私は、今一つ理解できませんでした。

 実際に、娘の同じクラスにも下から飛び級して上がってきていた子がいたし(その子は娘と結構、仲良しで、小学校から高校まで同じクラスだったうえ、高校を卒業してその後の進路がバラバラになっていくタイミングでも、示し合わせたわけでもないのに、なぜかプレパー(グランゼコールの準備学校)まで同じ学校でした。

 彼女は小さい頃からとても小柄で、一つ年下だから、小さいのかな?などと思っていましたが、大人になっても小柄なままなので、年齢は関係なかったようです。

 彼女の親がなぜ?彼女を飛び級させたのかはわかりませんが、飛び級しても、何の支障もなく、その後の学校生活を優秀な成績で過ごしていたようなので、彼女の飛び級は成功だったのかな?とも思います。

 たしかに、あまりに優秀な生徒の場合、子どもの年齢に一般的に定められている学年のままだと、物足りなくて、つまらない・・その子の学力を充分にのばせないということもあるのかもしれませんが、私としては、学校で学ぶということは、学業だけではなく、様々なことを体験していく時間ということでもあると思っているので、その1年間をスキップしてしまうことが必ずしも、よいことばかりではないだろうし、そんなに急ぐことないじゃない!、その年齢に体験できる事柄を奪う必要はないだろうに・・という気持ちでもありました。

 しかも、夫に娘を飛び級させたい理由を聞くと、「あとで、留年してしまったときのために・・」というよくわからないことを言っていたので、「そもそも、留年した時のために・・とか、留年するかもしれないと思うような人が飛び級にふさわしいのか?」という話で、結局、夫は、娘の飛び級は断念してくれました。

 実際に、実年齢どおりの学年での教育を物足りないと感じる子供は、かなり珍しい存在ではあるとはいえ、そういう場合に、飛び級ができるのは、たしかに良いシステムなのかな?とも思います。

 娘が通っていたのは、小学校から高校まである私立のカトリック系の学校で、あまり一般的な公立の学校とは異なることも多かったと思いますが、多くの子どもがそのまま同じ学校にいるので、小さい頃は、学校の行事で親が学校に行く機会もあったり、お誕生日会やお稽古事などで、娘の友人の親子と顔を合わすことも多かったので、小さい頃からの知り合いが多く、中学、高校と進むうちは、子供の方はもう外で会ってもすぐには、誰だかわからなくても、親の方はたいして変わらないので、「ああ~あの人○○ちゃんのママだ・・」と思うくらいで、あとは、娘からの話をたまに聞くくらいでした。

 そんな、娘から漏れ伝わってくる話の中には、「○○ちゃん、留年したらしい・・」とかいう話も混ざっていて、「え~~?あんなに明朗快活な感じだったのに!」と驚いたりすることもありました。

 留年については、そんな話がポツポツとあり、内心、本人は心穏やかではないところもあるのでしょうが、けっこう朗らかに学校に来ているとのことだったので、飛び級とは逆に、必要ならば、2年かけて追いつくことがあってもいいような気がします。

 ただし、娘の学校はかなり厳しい学校でもあったので、留年は1年だけで、その後の結果が思わしくないと、やんわりと転校を促されるらしいということで、そういえば、いつのまにかいなくなっていた子もいました。

 ただし、いなくなっていた子どもの中には、「さらに良い学校に転校した・・」というのもあって(こちらの方はかなり珍しいケースでしたが・・)、飛び級ではなく、学校を変えるという方法をとる人もいました。

 いずれにせよ、子供の教育環境を子供に適したものにするということは、とても大切なことでもあり、とりあえず、私が娘のためにしたことは、私立の学校に入れ、あとは、日本語の学習を続け、できるだけ色々な体験をさせてあげることを心がけたくらいで、我が家には飛び級も留年もありませんでした。

 私の数少ない日本人の友人には、子供の学校のために引っ越しまでして頑張っている人がいましたが、我が家には、そんな経済的な余裕はなく、そこまではできませんでした。

 とりあえずは、健康で横道に逸れることもなく育ってくれただけで、私は充分に満足しています。

 

飛び級と留年


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