エリゼ宮によると、マクロン大統領は、パリで34ヵ国の参謀長、欧州連合とNATOの代表、ウクライナ代表らを招待し、ロシアとの和平協定が成立した場合にウクライナにとって強固で永続的な平和が実現できるよう、信頼できる安全保障を定義するために、概念から計画へと移行するための非公開の会合を行いました。
これは、ウクライナがロシアとの一時停戦を受け入れ、米国がウクライナへの援助停止の解除を発表したことを受けた、ほぼ同時のタイミングで行われています。
ウクライナの停戦受け入れに対して、ロシアは現段階では明確な回答は発表はしていないものの、次はロシア次第・・という段になって、なにやら、プーチン大統領が軍服で会議に参加している様子がテレビで盛んに流されているので、言明はしていないまでも、それが回答の序章ではないかという気はしています。
しかしながら、あらゆる可能性に対応できる準備を具体的に進めていかなければならない欧州諸国にとって、ウクライナ、そしてヨーロッパの安全は自分たちの手で守る姿勢と体制を築かなければならないことは、必須、また、この停戦の具体的な交渉から欧州が排除されないように、この会合によって、少しでも確固とした姿勢を守り続ける欧州以外の国々も巻き込んでその連帯を強固なものにする必要があるという考えが見えます。
この非公開の会合には、なんらかの形でこの安全保障に貢献する用意のある国、英国やトルコなどの欧州連合各国、およびNATO加盟国、その他、オーストラリア、ニュージーランド、日本なども含まれています。
また、停戦が成立した場合にウクライナでの戦闘が再開することを防ぐ具体的な方法として「ウクライナの非武装化の拒否」に加えて、「欧州軍をウクライナに派遣する」という提案も検討されています。
停戦した場合とはいえ、「欧州軍がウクライナに派遣される」ということは、欧州がさらに積極的かつ深く、この問題に実践的に関わることになり、さらにそこにロシアの再侵攻があった場合、欧州全体との全面戦争にもなりかねず、このことは、停戦という決断からロシアを遠ざけることになりかねませんが、欧州の側からしたら、安全保障の面からは、譲れない部分なのかもしれません。
この問題については、欧州はまさに地政学的にも、捨て置くわけにはいかない大問題であるとともに、そもそもは、この軍事的侵略行為そのものがまかり通るものであってはならないという根本的な理念としてある国がこのパリでの非公開の会合に集結しているものと思われます。
この問題については、核抑止力を持つ欧州の代表としての立場を推し進めているマクロン大統領ですが、フランス国内、右派などからは、「恐怖を弄んでいる」などと批判の声もあがっています。
34ヵ国パリ非公開会合
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