2025年3月5日水曜日

フランスにも広がり始めているアメリカ製品ボイコット運動

  



 « BOYCOTT USA : Achetez Français ! »(アメリカ製品をボイコットし、フランス製品を買おう!)そんな呼びかけがフランスで起こり始め、Facebookには、この類の文言を掲げるグループが立ち上がり、具体的にアメリカのメーカーや製品とそれに代替するフランス(あるいは欧州)の製品名を表示するサイトが立ち上がったりもしています。

 しかし、現実的には、アメリカの製品は驚くほど、フランスにも浸透しており、これらすべてをボイコットするとなると、スーパーマーケットに並んでいるドリンク類から衛生用品に至るまで、多くの商品が棚から消えることになります。

 例えば、ソフトドリンクに関して言えば、コカ・コーラとペプシコのブランドを取り除くと半分の棚が空になると言われており、また、菓子部門でフランスで、大きな位置を占めている「Lu」ブランドは、オレオやミルカのブランドも所有するアメリカの大手モンデリーズの傘下となっています。このアメリカのグループの傘下に属する製品を撤廃するとなると、この棚の3分の1が消えてしまいます。

 同様の現象は、衛生用品などでも同じことで、オールウェイズ、アリエール、パンパース、ヘッドアンドショルダーズ、プロクター&ギャンブルグループなど、誰もが知っているメーカーが全てアメリカに属するものです。

 これらの商品がこれほどまでに広まって存在しているということは、これまで、多くの人々がその商品を選んで消費してきたということで、巨大企業の彼らには、太刀打ちできない価格の問題等もあり、消費者側からすれば、これに代替する商品をボイコットし、他の商品を選ぶということは、より多くのお金を払うか生活習慣を見直さなければならないということになります。

 にもかかわらず、これらの商品をボイコットするということは、生活必需品以外のものは比較的可能なことかもしれませんが、そうそう容易いことではなさそうです。

 それでも、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の衝撃的なマスコミを前にしての交渉決裂から、その後に欧州全体に緊張状態が波及したことだけでなく、その他にも外交、軍事上の約束を撤回し、欧州連合(EU)に経済制裁をちらつかせるなどアクセルを踏み込んでいるトランプ大統領に対して、ただただ黙っているわけにはいかない・・少しでも何かアクションを起こしたいと思っている人は少なくないのも事実。

 そもそもフランスには、「アメリカからの自立というアイディアを実現する土壌がかなり肥沃である」と見ている人もいます。実際に、私の夫(フランス人)なども、アメリカを毛嫌いする世代の人で悉くアメリカのものを拒絶しようとする傾向がないでもありません。

 この問題がここまで深刻化する前から、トランプ政権に直接関係があるテスラのような企業に対しては風向きが強くなりはじめ、2月には、テスラの欧州での売り上げは3分の2減少したとも言われています。

 しかし、大きなところでは、GAFAと呼ばれる、Google、Apple、Facebook、Amazonなどに関しては、全くのお手上げ状態と言わざるを得ない感じ、そもそもこのアメリカ製品ボイコットグループの呼びかけが立ち上げられたのもFacebookで、なんだか、手のひらのうえで、踊らされている感がしないでもありません。


アメリカ製品ボイコット運動


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