海外生活が長かった夫は、英語、ドイツ語、イタリア語、アラビア語、とほんの少しの日本語を話せる、フランス人にしては、外国に対して排他的なところは、比較的、少なく、わりと、寛容な方であるとは思うのです。
好奇心旺盛で、アフリカにいた頃も、現地のスタッフの知り合いの村の村長さんの長寿を祝うお祭りに出かけたり、アグチとかいう現地の人が食べるというモグラのようなものを食べてみたりと異文化に対しては、果敢に挑んでいました。
しかし、そんな彼も対アメリカとなると、姿勢がガラッと変わります。
彼の年代より上の多くのフランス人のように、アメリカのものは、とかく避け、バカにする傾向があり、はたから見ても、しばしば、バカバカしいなあと思うのであります。
例えば、マクドナルドを異常にバカにしています。
本当は、ハンバーガーは、大好きなくせに・・・。
「あんな、手づかみで食べる食事なんて!!」 とめちゃくちゃなことを言い出します。
フランスのバゲットのサンドイッチだって、手づかみで食べるではありませんか!!
私だって、特にマクドナルドが好きなわけではないけれど、たまに、セットメニューを買うとコカコーラのグラスが付いてくる!なんていうキャンペーンがあったりすると、グラス欲しさにセットメニューを買ってきたりします。
うちは、三人家族なので、一人除け者にするのも何だな・・と思って、一応、3人分、セットメニューを買って、グラスを3つもらいます。すると、誰よりも早く、美味しそうに平らげるのは、主人なのに、やっぱり、「マクドナルドは、嫌いだ! 美味しいよ!でも美味しいけど、食事としては、ナンセンスだ!」などと言い張るのです。
その他には、コカコーラとケチャップとマヨネーズとポップコーンを異常に敵対視しています。まったく、無理矢理なこじつけが子供じみています。
しかし、これらも主人には、アメリカを象徴するような、食べ物に映るらしいのです。
彼の場合、ケチャップとマヨネーズの代わりは、フランスご自慢のマスタードが担っています。アメリカ人がとかく、何にでもケチャップやマヨネーズをつけるように、何にでもマスタードをつけて食べます。
私は、フランス人がアメリカを認めつつも、嫌うのは、ジェラシーに他ならないと思っているのですが、それは、同時に、伝統や歴史を大切にしているフランスへの愛情の裏返しのようなものだと思っているのです。
つまり、彼は、フランスが大好きな愛国心あふれるフランス人ということなのです。
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