フランスの学校は、とにかく、お休みが多いです。
夏は、2ヶ月強、11月には、トゥーサンといって、いわゆるハロウィンの期間に2週間、ノエル(クリスマス)に2週間、冬休みに2週間、そして、4月にイースターのお休み2週間、プラス、学校のある時でも、水、土、日は、お休みです。
学校に入った当初は、あまりにも、お休みが多いので、数えてみたら、一年の三分の一はお休みになっていることがわかり、唖然としました。
小さい時から、休みグセがこうやってついていくから、フランス人は働かなくなるんだ・・なんて、思ったりもしました。(これは、私の勝手な見解です。もちろん、すごーく働いているフランス人もいます。)
とにかく、常に子供のおやすみとバカンスに追い立てられている気分で、それでも、せっかくの空いた時間は出来るだけ有効に使えるようにと頭を悩ませたものでした。
特に、夏休みは長く、多くのフランス人の家庭は、2ヶ月のうち、3週間から4週間は家族で過ごし、あとは、Centre de loisir (サントロドロワジル)(休みの間に子供を預かってくれて、様々なアクティビティを体験させてくれます。)に預けるか、一ヶ月近くのコロニー(サマーキャンプのようなもの)に子供を行かせています。
我が家も夏休みは仕事の都合で、お休みが取りづらかった私は、フランスの学校がお休みになってすぐに日本へ連れて行って、日本の小学校に通わせるか、もっぱら、娘をコロニーに行かせていました。
夏休みのバカンスの予約は、3月頃に始まります。(バカンスの用意だけは、早いフランスです。)コロニーは色々なところが主催しているものがありますが、主人が公務員だった関係で、財務省主催のコロニーに援助があることもあり、毎年、参加させてもらっていました。公務員天国と言われるフランスの美味しい部分を享受させて頂いた次第です。
娘はスポーツがとても好きなので、夏、冬、春のコロニーで、随分とたくさんのスポーツを体験させてもらいました。ダイビング、サーフィン、カヌー、カニオニング(紐なしバンジージャンプのようなもの)、スキー、乗馬などなど。親にはとても付き合いきれないようなスポーツもたくさんありました。このコロニーのおかげで、娘は、本当に沢山の場所を旅をしてきました。
また、フランスの全土にいる財務省関係者の子供たちが集まってくるため、日頃は狭い世界で暮らして、限られた友達としか付き合いがない娘も色々な人がいることを学んだようです。
そんな中、中学に入ったばかりくらいの頃だったでしょうか? ある夏のコロニーに出かけている最中に、私の仕事場に直でコロニーのディレクトリス(責任者)から、電話が入りました。”あの、落ち着いて聞いてください。大丈夫なんですが・・本当に、大丈夫なんですが・・ある女の子におたくのお嬢さんが刺されそうになりまして・・” という一報に、私は、耳を疑いました。
どうやら、同室、4人部屋の女の子の中で、夜、部屋の電気をつけて寝るか、消して寝るかで、口論となり、その中の一人が持っていた小さいナイフを取り出して、襲いかかろうとしたとか・・。責任者の女性は、この件が、娘や他から私の耳に入る前に、先手を打って、いち早く私に連絡を入れてきたと思われるのですが、この話を聞いて、慌てて、財務省にいる知り合いの人に頼んで、手を打ってもらいました。
だいたい、子供がナイフを持って、旅行に来ていること自体も異常だし、それを取り出して、人に襲いかかるというのも、ちょっと普通では考えられないことです。
幸い、大事には至らず、その後も無事に旅行は続き、案外、娘の方は、ケロっとして、”ちょっと、いじけてる子がいただけだよ・・。”と言っていましたが、”感情のコントロールができない人もいるのだから、そういう人は、刺激しないようにしないと・・" と諭したのでした。
日頃は、私立のかなり、厳しい学校で育った子供たちだけの中にいる娘も、社会に出れば、色々な人と付き合わなければなりません。そんな経験も良い教訓となったのではないかと思うことにしました。
しかし、まあ、子育てって、本当にいろんなことが起こるものです。