川の字になって寝ないフランスの親子 フランス人の親子の距離
日本では、よく、「親子が川の字になって寝る。」とかいう、表現を使いますが、フランス人は、親子が川の字になって寝る・・という感覚はありません。
子供は赤ちゃんの時から、自分の部屋で寝る。
寝る時間になったら、子供は、”ボンニュイ” と言って、自分の部屋に行く習慣がつけられています。
寝かしつけるとか、寝る前に本を読み聞かせたりするということはあっても、決して川の字になって寝るということはありません。たとえ、娘がうっかり、私たちの寝室で、寝入ってしまうことがあっても、主人は、娘を抱きかかえて、彼女のベッドに連れていきました。
これは、住宅事情とか、ベッドと布団、とかいう違いもあるとは、思いますが、単にそういうことでもありません。それは、多分、親子の関係と夫婦の関係をきっちり分けて考えているからなのだと思うのです。
そして、そのことが、如実に表れていると思われることが、もう一つあります。
主人は、私のことを決して、ママと呼ぶことはありませんし、私も主人のことをパパと呼ぶことはありません。必ず、お互いの名前か、シェリー(フランスでの親しい相手に対して使う呼称のようなもの)と呼び合います。私は、彼のママではなく、彼は、私のパパでもないからです。
あくまでも二人は男女のパートナーであり、夫婦という関係だということが、意識の中にあるからだと思います。そこを親子の関係とごちゃ混ぜには、しないのです。
こうしてみると、なんだか、冷たい親子関係のように思われるかもしれませんが、子供との距離は、決して、遠いわけではありません。
学校の送り迎えなどは、手を繋いで、連れて行っていましたし、お休みの日もスポーツをさせたり、美術館に連れて行ったり、時には、テレビの公開収録などに連れて行ったりもしていました。
余談になりますが、主人は子供を美術館や博物館に連れて行くのを美徳としているようなところがあり、娘としては、どちらかと言えば、退屈で、” また、ミュゼ〜!?” とたいそう不服そうではありましたが・・。
何か、娘を叱りつけるようなことがあっても、その数分後には、サロンの前のソファーに仲良くくっついて、二人でケラケラ笑っていたりします。厳しく、子供を叱りつけた様子をそばで見ていて、ハラハラしていた私は、拍子抜けして、” ラテン系の人は、引きずらなくて、良いな・・” などと思ったものです。
親子が川の字になって寝る・・っていうのも、たまには、いいんじゃないの?・・なんだか、暖かい親子って感じもするじゃない!?・・と思っていた私でしたが、主人は、頑なにそれを許してはくれないのでした。
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