2019年7月27日土曜日

フランス人のビックリする日本食の食べ方

今、パリでは、お寿司は、日本食ブームを通り越して、かなり浸透、定着してきた感もあり、今や、どこのスーパーに行っても置いてあるようになりました。

 まあ、お寿司と言っても、フランス人好みにアレンジされているものが多く、サーモンやアボカドを使ったもの等が多く、中には、フランス人が苦手とする、海苔を使わない海苔巻き風のものなどもあります。
 
 そのクウォリティーと値段に関して(つまりコスパ)は、日本人の私としては、甚だ疑問ではあり、バカバカしいなあ・・とクビをかしげる私の思いをよそに、これがまた、結構、売れているのであります。

 パリには、中国人経営の日本食チェーン店がたくさんあり、また、おおよそ日本人からすると、おかしなメニューが並んでいます。お寿司はもちろん、焼き鳥、天ぷら、そして、餃子や唐揚げまでが、おいてあります。

 そして、その組み合わせや、それぞれのお料理も、なんとも奇妙です。

 例えば、にぎり寿司のセットにご飯が付いてきたり、天ぷら、と書いてあるのに、エビフライの写真が載っていたり、その天ぷらを頼むとマヨネーズが付いてきたりします。

 その類のお店には、お醤油が二種類、置いてあり、一つは普通のお醤油、もう一つは焼き鳥のタレを薄めたような、甘いお醤油です。

 例えば、にぎり寿司セットにサラダ、お味噌汁、にぎり寿司、ご飯、が付いて来れば、フランス人は、その一つ一つを順々に平らげていきます。サラダを食べながら、お寿司を食べる・・というような食べ方はしないのです。

 そして、サラダ、お味噌汁、にぎり寿司を食べ終わった後に、白いご飯に甘いお醤油をかけて、ご飯だけを食べるのです。

 ある時、近くにいたフランス人の様子を見ていると、お寿司を食べるのに、甘いお醤油を手に取ったので、側で見ていて、” あ〜違う!違う!” と思ったのですが、見知らぬ人に声もかけづらく、まあ、一つ食べたら、気がつくだろうと思っていたら、なんと、二つ目のお寿司にも甘いお醤油をかけるのです。

 これには、驚きました。
お寿司に甘いタレをかけて食べるとは!? アナゴじゃあるまいし・・。
 
 全ての人がそうするわけではありませんが、この甘いお醤油、キッコーマンでは、ヨーロッパで、大変な売れ行きなのだそうです。

 また、ラーメン屋さんでも、音を立てて食べることがタブーな国なので、フランス人はラーメンをすするということをしません。というより、麺をすするということができないのです。中には、わざわざ、並ぶほどに混んでいるラーメン屋さんに来て、ラーメンを注文し、” 麺なしでお願いします。" という人もいるそうで、フランス人は、ラーメンをスープだと思っている節もあります。

 また、主人の友人を家に招いた時に、お料理の中の一品として、海苔巻きを出したところ、フォークとナイフで器用に海苔を剥がして食べ始めたのにもビックリしました。
わざわざ剥がすなら、無理して食べなくてもいいのに・・と思ってしまいましたが、これがまた、結構、海苔が苦手なフランス人は多く、体質的に海苔を消化できないという話を聞いたこともあります。

 日本に外国から入ってきている食べ物にも、おそらく、本来のモノとは、まるで、違った食べ方や、違う姿に様変わりしているものも沢山あるでしょう。

 カレーなどは、その最たるもので、日本のカレーは今や、日本食ともいえるような堂々とした地位を築いています。

 フランスに浸透し始めた日本食もいつの日か、まるで、違った姿になっていることもあり得るのかもしれません。