日本に一時帰国していて、帰仏して以来、しばらくはフランスの食べ物に食指が動かなくなっていて、その後、検査のために入院したり、その後の対応などもあったりして、とんと、外食や美味しいものへの探求心が損なわれていました。
先日、たまたま夜のニュース番組を見ていたら、最近(今に始まったことではないと思いますが・・)、ケバブが人気を増している・・というニュースをやっていて、ケバブ屋さんに行列ができている様子を流していました。
その番組の中でチラッと写っていたケバブ屋さんがちょっと気になって、「ケバブくらいだったら、行ってみようかな?」とふと思い立ち、行ってみました。
とはいえ、以前にとても美味しいケバブ屋さんを見つけて、感動してしまっていたので、あのケバブを越えるケバブは、なかなか難しいかも・・?と、あまり期待はせずにいたのです。
行ってみると、やっぱり、行列ができていて、周囲のレストランなどが、ガラガラだったり、昼時にもかかわらず、そこまで混んでいないことに、他のお店がちょっと気の毒に感じたくらいです。
混んでいるといっても、テイクアウトがほとんどで、小さいお店には、イートインのスペースはなく、外に簡単なテーブルとベンチが2セットあるのですが、ほとんどの人が持ち帰るようでした。
小さなお店は、人気店ならば、もうちょっと小綺麗にしてもいいんじゃない?と思うほどの外観ではありますが、無駄がなく、店内では、5人の男性が忙しそうに働いていて、1人が注文を受けて会計、もう一人は、サンドイッチを作りながら、お客さんに渡していく人、他の3人は中で調理を担当しています。
メニューは多くないのですが、恐らく最も人気なのはクラッシックというケバブです。ここのお店のケバブは、鶏肉であり、ともにパンに挟まれている野菜の種類がとても多くギッシリなのが特徴です。
通常ならば、ケバブといえば、子羊肉だったり、牛肉だったりするのですが、ここのお店は鶏肉。マリネされた鶏肉がケバブ用の大串で焼かれていて、それを削ぎ落していきます。
とにかく、ものすごく回転が速いので、行列ができていても、そこまで長時間待つことはありません。
スパイシー(といっても、辛いわけではなく、色々なスパイスがミックスされている感じ)な鶏肉がたくさんの種類の野菜に挟まれているのですが、この野菜もグリル野菜(パプリカ、人参、ズッキーニ、ナス、ジャガイモなどなど)と生野菜(レタス、トマト、きゅうり、レッドオニオン、パセリ、マリネされた赤キャベツなどなどが層になっており、その上から、ちょっとフィタみたいな感じの生タイプのフレッシュチーズがパラパラとかかっており、好みのソース(ブランシュ、ガーリック、アルジェリアン、サムライ、アリサルージュ(辛)、アリサグリーン(辛)など)の中から選んでかけてくれます。
パンは、その日の朝に焼かれたものというトルコのピデパン(ゴマつき)と薄めに焼かれたピタパンのようなパンでロールするタイプがあります。私は、このピデパンを選びましたが、この焼き具合が最高で、7㎜ほどの厚さのパンの外側がカリッとサクッとしており、中は、具材の旨味をしみ込んでくれる役割を果たしてくれているフワッとした部分で構成されています。
前回のケバブでいたく感動したので、あれ以上の感動は難しいと思っていたのですが、今回は、鶏肉(前回のお店は牛肉)、そして、挟まれている野菜の種類はおそらく今回のお店の方が種類が多いうえに、グリル野菜、そしてグリルされたスパイシーな鶏肉、そして爽やかな生野菜が見事に調和しています。
つまり、再び感動しました!
メニューには、今回、私が選んだ Classique(クラッシック)のほかに、ベジタリアンと「Halloumi」(ハルーミ)というメニューがあり、これには、鶏肉の代わりにグリルしたハルーミチーズ(キプロスのチーズ・熱に溶けにくく焼いて食べられるのが特徴)が使われているものがあって、これは、そのうち、絶対に試してみたいメニューです。
その他、フライドポテトやドリンク類などは、別売りか、セットメニューにもなっていますが、とにかくサンドイッチだけで、すごくボリュームがあります。
これは、絶対、すぐに食べた方が美味しいと思って、外のベンチとテーブルの一画を陣取って、さっそく、ひとくち・・がぶっと行ったところで、思わず目を大きく開けてしまう感じ・・伝わるでしょうか? そして、今、感じたことを確認するかのごとく、もうひとくち、もうひとくち・・と進みながら、うん!うん!とニッコリ顔になりながら納得していく感じ・・ちょっと味見のつもりが、止まらなくなりそうでした。
スパイシーなチキンに「これは、どんなスパイスがミックスされているのだろう? 他には、あんまりないかも・・」とか思いながら、一方では、パンのごくごく表面のサクッとした感じに感動したり、グリル野菜の多様さに、えっ?こんなに?これも?と思ったり、また、その下に敷かれている生野菜のシャリッとした食感や爽やかさ・・これもいいなぁ~と思ったり、一瞬のうちに、あれこれと頭が回転した感じがしました。
半分くらい食べたところで、あとは、家に持って帰って、ゆっくり食べよう!と思って、持ち帰ったのですが、歩き出すと、もうかなりお腹がいっぱいで、これ・・ずっと食べ続けていたら、本当はお腹がいっぱいになっているのに、全然、楽勝で食べきってしまっただろうな・・と思いました。
気になるお値段ですが、お店のサイト上では8ユーロとなっていましたが、値上げしたようで、8.5ユーロになっていました。セットメニュー(ケバブ+フライドポテトまたはデザート+ドリンク)だと、12ユーロ~のようです。
帰りにいくつかのケバブ屋さん(パリにふつうによくあるタイプ)を覗いて見たら、だいたい8.5ユーロというお店が多いようだったので、それだったら、このクォリティーでこのお値段、なるほど行列はだてにできるものではない・・みんな正直、良く知っているもんだ・・と感心した次第です。
前回、ご紹介したケバブ屋さんと、双肩する感じの感動でした。あっちは牛肉、こっちは鶏肉、また野菜のミックスの仕方も微妙に違いますが、どちらもかなりのものです。
鶏肉の分だけ、ちょっとはヘルシーかも?と思ったりもするのですが、どちらも捨てがたい逸品です。
パリで10ユーロ以内で食事をすることはなかなか簡単ではありませんが、探せば美味しいものは、あるものです。
機会があったら、ぜひ、お試しください。
🌟GEMUSE berliner kebap Paris 61 Rue Ramey 75018 Paris 日曜休
パリのケバブ
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