「なんでこんなにソーダ類の値段が上がったんだ!」という話題が上がっており、これは、甘い清涼飲料水等にかけられている「ソーダ税」が上がったため・・と言われていて、私は、初めてこの「ソーダ税」というものがあることを知りました。
この「ソーダ税」は、フランスでは、2012年から取り入れられている税制の一つのようですが、消費者に不健康な精製糖の摂取を減らすように促すことを目的として、甘い飲み物に国が課す税金です。ソーダや甘い飲み物の摂取は肥満や糖尿病、様々な心血管疾患などの予防可能な非感染性疾患の要因であると考えられているためです。
今回のこのソーダ税については、今年の春に、1ℓのコカ・コーラの場合、これまでの15.7セントから35セントへと2倍以上に跳ね上がっています。
このソーダ税は甘ければ甘いほど税率が高くなる仕組みになっており、1ℓあたりの税金(ソーダ税)が4セント、21セント、35セントの3段階が設置されているそうで、コカ・コーラは一番、甘い飲み物のカテゴリーに分類されているようです。
しかし、一つの商品にかけられている税金の内訳を消費者が詳しくわかっているわけではなく、これが直接的に甘い清涼飲料水摂取を抑える役割を果たしているとも思いにくい気がしますが、政府はこれでけっこうな税収があり、2023年には、このソーダ税で4億4,300万ユーロの税収を得ており、今回のソーダ税の値上げによりさらに3億ユーロほどの増収を見込んでいるといいます。
それにしても、そんなことはおかまいなしに、フランス人は実にコカ・コーラを始めとして、甘い炭酸飲料、清涼飲料水が好きだな~と思うのですが、たいていのスーパーマーケットには、いつでもドーンとこのコカ・コーラなどの大きなパック1ℓあるいは1.5リットルのボトルが山積みになっていて、多くの人々が大きなペットボトルを大量に買っていくことに驚きます。
私は、全然、この手のソーダ類を飲む習慣がないので、日本にいた時は、もっぱらウーロン茶や日本茶などの甘くない飲み物を飲むのがふつうだったので、フランスに来たばかりの頃は、フランスって甘くない飲み物ってないの?とビックリした覚えがあります。
アイスティーなどもないことはありませんが、たいていは、なんか、ピーチとか、レモンとか、フルーツのフレーバーが入っていて、甘いのです。甘くない飲み物が欲しかったら、水です。
そのうえ、日本のようにどこでも自動販売機やコンビニがあるわけでもないので、今では、ふつうは自分でいれたお茶をペットボトルに入れて持ち歩いています。
うちの夫なども娘には、非常に厳しく、「飲み物はダメ・・水を飲みなさい!水を!」と常々、言っていて、娘はそのとおり、非常に水をよく飲み、甘い飲料水を飲まない子に育ったのですが、たまに息子たちが家に来るとなると、いそいそとコカ・コーラを買って準備していたりしたので、「なんなんだ!この人は・・」と思っていました。
また、コカ・コーラではなくとも、「グレナディン」というシロップ(ザクロとバニラを合わせた真っ赤なシロップ)を用意して、水や炭酸水で割ったり、ミルクで割ったりしたものを彼ら(息子たち)が喜んで飲んでいたのを見て、「この子たち、ほんとうに甘い飲み物が好きなんだな・・」とビックリした覚えがあります。
でも、それは彼らに限ったことではなく、比較的、若い子全般に言えることでもあります。
これは、どちらかといえば、税金というよりは、食習慣の問題で、フランスに比べれば、ずっと日本の食生活は広範囲にわたって、健康的だと思います。
ソーダ税
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