2025年5月19日月曜日

フランス政府 ギアナのジャングルの真ん中に厳重警備の刑務所開設

  


 麻薬密売人対応の厳重警備刑務所の設立については、かねてから発表されており、すでにヴァンダン・ル・ヴェイユ刑務所(パ・ド・カレ県)とコンデ・シュル・サルト刑務所(オルヌ県)が組織犯罪対策のために選ばれたのに続き、3つ目の厳重警備刑務所として、フランス領ギアナのサン・ローラン・デュ・マロニに新しい刑務所を建設することを発表されています。

 日本には島流しという言葉があり、熱帯雨林のジャングルの中の刑務所・・などと書かれているのを見ると、島流しに匹敵するようなイメージがありますが、それにしては、なかなか規模も大きく500名収容可能な施設というのですから、かなり大きなものです。

 もっとも、このうちの特別エリアを設け、厳重警備を必用とする60人~100人を特別隔離して、厳重警備体制を敷くということのようです。

 ここ数年で暴露されている現在の刑務所の様子を見ると、麻薬密売組織だったりすると、携帯電話なども使い放題だったり、刑務所の中から犯罪を指揮したりしているケースが見られたりもして、逃亡計画が綿密に練られて、実際に護送車が襲撃されて、逃亡が成功してしまったりする事件も発生しています。

 このような、実際に投獄されつつも犯罪行為が続行されることを阻止するために、この麻薬密売組織撲滅のために、彼らを本当の意味で隔離し、一般社会から隔離するために、このような特別厳重警備の刑務所を増やしていく意向のようです。

 しかし、実際には、これらの刑務所が選ばれている地域は実際に麻薬密売組織の温床となっている地域でもあり、今回のギアナに関しても、島送りというよりは、ギアナそのものが、麻薬密売県としての認識になっており、コカイン密売の主要拠点のひとつでもあるようです。

 フランス本土で消費されるコカインの少なくとも20%は、ギアナから来ていると言われており、毎年、何百人もの「運び屋」がカイエンヌ空港で逮捕され、彼らの荷物や胃の中には南米産のコカインが詰まっているそうです。

 荷物はもとより、胃の中にまで忍ばせてくるというのはスゴイ話です。

 当局は、フランス領ギアナとフランス本土を結ぶ航空便には約30人の運び屋が混ざっていると推定しています。

 このギアナの超厳重警備刑務所は2028年に開設される予定になっています。

 都市部にある刑務所とは異なり、電話やドローンの電波を完全にブロックできる場所に設置されるそうです。

 この麻薬密売組織撲滅のための厳重警備刑務所については、多くの批判の声と同時にこの麻薬密売組織と思われるこの計画への反発のために、フランス全土で同時に刑務所が襲撃されるという事件も起こっていますが、これらの動きに屈することなく、政府は着々と計画を進めていたようです。

 しかし、当然のことながら、これだけの規模の刑務所を管理するためには、相当数の厳格なルールを遂行できる職員が必用となると思うのですが、この人員をどこから確保するのだろうか?と疑問に思わないでもありません。


ギアナ ジャングル 厳重警備刑務所


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