5月1日午前10時半頃、パリ14区でフードをかぶった男たちが一人の男性を誘拐しました。この誘拐の様子は、かなり派手に行われたようで、この男性が配達用のバンで連れ去られるところを多くの人々が目撃しています。
この男性は、莫大な資産を築いた仮想通貨会社の社長、いわゆるデジタル億万長者の父親で、誘拐されるとまもなく、この社長は身代金数百万ユーロ(500万~700万ユーロと言われている)が要求されました。
そして、この誘拐犯たちは、身代金の要求にプレッシャーをかけるため、この父親の指を切断した画像を送っていました。
この父親が誘拐された時点では、この社長はマルタにいたものの、この身代金要求を受けるとただちに警察に通報し、自分もパリに戻って、捜査官とともに警察に詰めており、父親の切断された指の画像を受け取ったときに、彼はすでに警察とともに、その脅迫状を見ていました。
この捜査には、特別捜査隊が設けられ、この父親の捜索には、BRI(Brigarde de Recherche et d'Intervention)が介入し、誘拐から約60時間後にパレゾー(エッソンヌ県・イルドフランス地域圏)に監禁されているところを救助されました。
誘拐された父親の年齢が50歳だった(若い)というのにも驚いたのですが、父親が50歳ということは、この億万長者の社長は何歳だったのでしょうか? そして、今回の事件で逮捕された7人の男たちも、1998年から2005年生まれの20歳から27歳の若者たち?ということで、その年齢層での集団誘拐・・恐ろしい話です。
今回は、特別捜査のおかげで、監禁場所の特定ができ、比較的早くに救出することに成功しましたが、誘拐犯たちは、他にも、銃器、刃物、鈍器などを所持していたことがわかっており、これがさらに時間が経過していれば、指だけでは済まなかったかもしれない・・とも言われています。
ここ数年にわたって、急速に拡大したこの仮想通貨システムにより、莫大な資産を築いた新たな富裕層が生まれ、彼らは非常に有名で、羨望の的となっていることから、この財産を狙った今回のような極めて暴力的な手段でそれを奪おうとする犯罪が増加しているようです。
この社長は、脅迫を受けたのは今回が初めてでなかったようですが、誘拐(父親)、身代金要求を受けたのは、初めてのことで、彼の父親は身の安全を脅かされ、指を失っています。
それでも、彼は身代金は全く支払わずに、父親を救出できたそうですが、仮想通貨で身代金が支払われた場合には、その後、仮想通貨の追跡が難しく、痕跡が残りづらいために、このような犯罪を企てるのではないか?とも言われています。
巨額の富を得て、幸せだと思いきや、自らの、またその家族の安全な生活が脅かされるという恐ろしい事態。いったい、巨額の富は幸せなのか?と考えてしまいます。
仮想通貨会社社長の父親誘拐 指切断
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