2025年5月30日金曜日

7月1日からフランス全土で子どものいる場所は禁煙

  


 労働保健大臣は7月1日からフランス全土の「ビーチ、公共の公園や庭園、学校、バス停、スポーツ施設の周囲」での喫煙が禁止されると発表しました。

 禁煙に関しては、フランスは日本よりもずっと緩く、以前は歩きたばこ・・歩きながらタバコを吸っている人も多くて、危ないな~と思うことがよくありました。ただ、最近は、ずいぶん路上喫煙者も減った感じで、もしかしたら、電子タバコに移行している人もいるから、気が付かないのかもしれませんが、それにしても、やっぱり、ずいぶんとは減っていると思います。

 それでも、別に禁止されているわけではないので、たまに外での喫煙者を見かけることはあるし、バス停などから、数メートル?離れたゴミ箱などには、灰皿とまではいかないまでも、タバコの火を消すトレイのようなものがついていたりもします。

 これまでフランスはそんな感じに喫煙については、わりと緩かったので、日本に行くと、本当に街中で喫煙者を見かけなくなったのには、いつのまにか、すごい徹底しているもんだ・・と感心します。

 今回のフランス全土禁煙令?とも言われる勧告は、とりあえず子どものいる可能性のある場所では禁煙ということで、これに違反すると罰金135ユーロが請求されるそうです。罰金のない禁止は禁止ではないフランスならではの感じです。実際には誰が取り締まるのか?これもまた謎です。

 フランスには、この罰金つきの罰則はけっこうある気がしますが、例えば、恐らく各市ごとに、犬などの糞を放置すると罰金○○ユーロ・・などという看板を見かけますが、これを実際に罰せられている人を見たことはありません。

 この喫煙禁止令は、中学校、高校にも適用され、特に「中高生が校舎前で喫煙することを防ぐのが目的」というどっちがどっち?とよくわからない説明も添えられています。そもそも中学生や高校生の喫煙はどこでも禁止なはずです。

 フランス政府は遅ればせながら、「初のタバコのない世代を創出したい」と考えていると述べています。言うまでもなく喫煙者は見るからに減っていると思うので、そのうち、そんな時代が来るのかもしれませんが、そんなに言うなら、もうタバコ売るのやめれば?!と言いたくなります。

 またタバコの値段も値上げだそうで、もともとのタバコの原価というものはわかりませんが、ひと箱だいたい11ユーロ(約1,800円)くらいだそうです。これは、おそらく、その大部分が税金なのだろうと思います。この税収も政府にとったら、侮れないものなのかもしれません。

 また、一方では、タバコ以上に麻薬や覚せい剤などのドラッグの勢力がどんどん拡大しているらしいことは、なんだか片手落ちな気もしないではありません。

 なんといっても、フランスは欧州一の麻薬消費国と言われているそうで、そっちの方もなんとかすれば? こちらの方はタバコのような莫大な税収もありません。つい先日もテレビのニュースで莫大な量のメタンフェタミンの製造所を差し押さえたという話をしていました。

 とりあえず、政府関係者は、このタバコ禁止令を掲げて、「タバコが公衆衛生に及ぼす損失について」ひたすら言及しています。フランスでは毎年、10人に1人がタバコに関連して死亡しており、喫煙が原因で7万5千人が亡くなっているのだそうで、これは、1日あたり200人以上の死に相当するそうです。

 タバコも麻薬もドラッグもどれも身体に悪いことだと思いますが、とりあえず、喫煙者は目に見えるほど減っているので、こちらの方に罰則をつけて禁止の方向に向かうのは良いとして、どちらかといえば、増加の一途を辿っているような麻薬・ドラッグの方をなんとかしたらよいのに・・と思わないでもありません。


フランス全土禁煙


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