2023年7月2日日曜日

大惨事となっているフランスの暴動とSNSの関係 

  


 今のフランスの状況は、現在のところ、ほとんど沈静化される様子はなく、日に日に、また、毎晩のように逮捕者が増加し、いたるところが破壊され、略奪行為、放火と信じがたい場面がどんどん増えていっています。木曜日の夜には917人、金曜日の夜には1,300人がこの暴動に関わり、逮捕されたそうです。

 個人的には、一昨日の夜、フランスに来たばかりの頃に住んでいたパリ郊外の地域のコマーシャルセンターがこの暴動のために全焼、全壊したというニュースを見て、愕然としました。

 7月に入り、そろそろバカンスシーズンに入り、またソルド(バーゲン)が始まった最初の週末は、本来ならば、普段は日曜日休業日にしているデパートなども特別に営業するくらい、多くの来客を期待できるかきいれ時の週末でもあります。

 しかし、フランス中の多くの都市では、この暴動による被害を恐れて、午後の早い時間には店じまいの準備を始めるどころか、ショーウィンドーにバリケードを張ったり、この暴徒たちの破壊行動に備えて営業ができなくなっています。

 商店(だけではないけれど・・)のウィンドーを壊して、中に入って強奪して、最悪、火を放つという、極悪非道な暴動をやっているのは、下手をすると12~13歳の子供まで混ざっているそうで、多くがティーンエイジャー、若者が中心で、しかも時間帯も夕方から、午前2時、3時という時間にまで及ぶので、いくら警察官が警戒しようとも、警戒しきれるものではありません。

 しかし、一方では、この暴動を起こしている若者たちのツールの一つとして、Snapchat(スナップチャット)やTikTokなどのSNSが使われていることが明らかになりつつあり、SNS上も警戒が強化され始めました。

 彼らはこのツールを暴動の人集めの呼びかけとして利用しているだけでなく、各地の暴動、破壊行為、強奪行為などをライブで、または録画動画で公開することで、その手段や方法を共有して、破壊行為、強奪行為などを模倣しあい、ついには、競いあうようなことになっているのです。

 大変、不謹慎な話で質も違うとは思うのですが、日本のスシロー事件とは、桁違いの狂暴さです。

 例えば、Snapchatでは、Snapmapといいう機能により、現在、起こっていること、公開されたコンテンツの数に応じて多かれ少なかれ赤い点で「ホット スポット」が表示され、そのポイントをタップすると、そこで起こっていることが見られるようになっています。

 もうこうなってくると、ライブのゲームのようです。警察の警戒の間をかいくぐって、器用に?破壊行動に及ぶことができるのも、彼らがこのツールを使って、警備体制の有無の連絡をとりあったりすることもできてしまうのです。

 このSnapchatやTikTokの公開映像は、多くのメディアなどもより新しいニュース映像収集のために利用したりもしているもので、必ずしも悪用されることばかりではないとも思いますが、今回ばかりは、フランス政府は、SnapchatとTikTokに対して「機密コンテンツ」を削除するよう呼び掛け、2つのソーシャルネットワークに「責任の精神」を期待すると要請を出しています。

 しかし、SnapchatとTikTokは、フランスのユーザーに関する限り、本社は英国にあるため、外国企業にはフランスの司法徴用に有利に応じる義務はありません。とはいえ、これらの会社は、今回のフランスでの暴動状況を重く受け止め、「フランス当局と常に連絡を取り合いながら、監視部隊を設置し、事前の検出によって、または当社に報告され、この種のコンテンツを見つけた場合、それらを削除し、適切な措置を講じる」と発表しています。

 このSNSの発達は、これまで考えられなかったようなことを起こし、警備している警察の側さえも一般大衆に監視されている妙な関係が生じています。

 今回の事件では、特に利用者が多すぎて、一つ一つの動画などのコンテンツを追跡することはとても困難です。

 フランス・デジタル移行省は、デジタルサービスの規制やデジタル空間の安全と規制の法案を通じて、問題を引き起こすプラットフォームを制裁するための法的手段が強化することを呼び掛け、フランス議会も木曜日、TikTok、Snapchat、Instagramなどのプラットフォームに対し、ユーザーの年齢確認と15歳未満の場合の親の同意を義務付けることを可決しています。

 今回の暴動のきっかけは、警察官が検問拒否した未成年を射殺したという、たしかに警察側に問題があると考えられる悲惨な事件でしたが、だからといって、こんな何もかもを破壊するような暴動が許されるわけはなく、このようなSNSを使った暴動の拡散には、早急に手立てを講ずる必要があります。

 さもないと、これから、たびたび、なにかきっかけがあるたびに、フランス中で破壊行為が横行することが常態化してしまいます。

 しかし、彼らはなぜ?こんなに狂暴なのでしょうか?また、窓の外ではサイレンの音が響いています。


フランスの暴動 Snapchat TikTok


<関連記事>

「手がつけられなくなっているフランスの暴動に巻き込まれて、しばし、お店に閉じ込められた・・」

「燃え上がる警察への怒り 燃える炎は全国に飛び火」

「服従拒否で警察官発砲 17歳の青年死亡の後、警察官のウソがばれた・・」

「一日にして、フランス中のヒーローになったバックパックの男」

「フェイスブック(Facebook)でマクロン大統領を「ゴミ」と呼んだ女性が逮捕・拘留」


 

0 コメント: