警察官の未成年射殺事件から1週間が過ぎて、ものすごい暴動で、一時は、どうなることかと思いましたが、どうにか、沈静化の兆しが見えてきて、マクロン大統領も「暴動のピークは過ぎたのではないか?」などと発言したものの、まだまだ、安心はできないという感じは残っていて、「そんなこと言って大丈夫かな?」とまだ心配な日が続いています。
しかし、この全国規模に及んだ大規模な暴動による甚大な被害は、(破壊されたり、燃やされたり、略奪されたりした被害)は少なく見積もっても、2億ユーロ(約312億円)を超えるだろうと言われています。
そんな中で、まあ、あり得るとは思っていたものの、さっそく、略奪された商品がLeboncoin(ルボンカン)や Vinted(ヴィンテッド)などの転売サイトに登場しはじめています。
一見、やたらめったら、とにかく破壊しているようにも思えていましたが、彼らはしっかり、後に捌きやすい、儲かりそうなものを選んで略奪していたふしもあり、携帯電話、洋服、バッグ、スニーカー、アクセサリーなどなどは、さっそくこの手のサイトに登場しているのです。
私も日頃から、これらのサイトは利用しているのですが(もっぱら、買ったまま、結局、使っていないバッグや洋服、子供の服や靴などなど、もっぱら断捨離したものを売る方ですが・・)、日々、便利に変化して、ちょっとしたお小遣い稼ぎになっています。
これらのサイトの運営側は、盗品の販売には、常日頃から目を光らせているとしており、「不審はユーザーの行動が制限されるように構成されている」「日常の数倍も警戒を強めている」と回答しています。
暴動後、明らかに目に見えて増えた全くの新品、未開封の商品、急いで雑な感じで同じ写真で、ろくな商品の説明もなく、同一人物からなど微塵も感じられることがないように、「明日はみなさんをルボンカンにご招待します!楽しみにしていてください!」などと、ツイートしていたり、「暴動のおかげで、半年間欲しかったバッグを破格の値段で手に入れました!」などというのもあったりで、暴動のおかげって? もう、この子たちは、どうなっちゃってるの?」と思ってしまいます。
私はどちらかと言えば、ヴィンテッドを利用することの方が多いのですが、毎回の取り引きには、評価がつけられるようになっており、コメントも入るようになっていて、この取り引き相手がどの程度、信頼できる相手であるかの判断基準の一つになっています。
ですから、この盗品転売のために新しくアカウントを作成した場合は、その評価が全くない状態であるはずなので、「これは!」というものを見つけても、それが盗品であったりする場合もあり得るかな?と警戒すると思うのですが、そもそも、「暴動のおかげで、欲しかったものが安く手に入った!」などといわれてみれば、ハナから、盗品を買うことに全く躊躇いがないということで、これに対しては、買い手側も盗品であることを受け入れて・・というよりも、むしろ喜んでいるため、よい評価をつけてしまうということなので、このサイトの評価の信頼性も低下することになりかねません。
しかし、サイト運営側には、盗品を販売している疑いがある場合に通報する権限があり、 アカウントの停止やブロックも可能になっているし、事実上、プラットフォームはユーザーに対して不審なオブジェクトを報告します。
これらのプラットフォームはこの問題を真剣に受け止めており、チームを結集しているとし、 盗品の可能性に関する情報を要求する際には「警察と緊密に連携」していると説明している。 盗品の売買(売った場合も買った場合も)には、5年の懲役と37万5,000ユーロの罰金が科せられる可能性があります。
ですから、しばらくの間は、これらのサイトでは、それが盗品であるかどうか、よく検討する必要があるということなのです。
ただでさえ、ネット販売に顧客を奪われている商店は、破壊、略奪行為にあったうえ、奪われた商品が破格で出回ることで、さらに、営業妨害を被ることになっています。
フランスでお店をやるのは、つくづくリスクが大きいと思ってしまいます。
盗品 転売サイト Vinted Leboncoin
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