2020年1月21日火曜日

メルカリとルボンカン(フランス版メルカリ)に見る、やたら礼儀正しい日本人とめんどくさいフランス人




 あらためて、家の中を整理すると、いらないものは、数多くあり、買ったは、いいけど、使っていないもの、頂いたけど、使っていないもの、なぜかわからないけど、家にあるけど、使っていないもの・・に溢れていて、実際に、今、生活をするのに使っているものなど、ごくごくわずかなのに気がつくと唖然とさせられます。

 現在、主のいなくなってしまった日本の実家の片付け中、パリのアパートでも断捨離中の私は、コンマリじゃないけど、もう、古くて、どうしようもないものは、「ごめんなさい、ごくろうさまでした。」と捨てさせていただき、それ以外は、少しでも有効に、と思い、知り合いに引き取ってもらったり、寄付したり、できれば、少しでもお小遣いになればと、買取業者に来てもらったり、日本では、メルカリに出品してみたり、フランスでもフランス版メルカリのようなシステムを利用しています。

 日本に帰国しても、滞在期間が限られているので、メルカリに出品するのは、なかなか大変ですが、これだけ、急激に普及したメルカリのシステムというものをちょっと体験するのも、今の日本人の一面を覗けて、興味深い体験でした。

 実際に、メルカリというシステムは、とても良くできていて、品物の配送などは、コンビニ等でも受け付けてくれるし、相互に人と人とが直接に会うことなく、個人情報なども保たれて、また、相手に対しての対応などの態度をお互いに評価するシステムが組み込まれ、メルカリという会社の監視下にあるために、基本的に安心できるシステムになっているのです。

 ネットに写真と商品の詳細を書き加えて載せた時点で、問い合わせや購入希望の連絡が入るのですが、評価を気にしてなのか、皆、大変、丁寧な言葉使いで、一見、とても礼儀正しいのですが、実のところ、そのメールの内容というのは、かなり執拗な値切りであったり、値切ったあげくに、お店でもないのに、お取り置きをしておいてもらえないかというような、訳の分からないものだったりすることにも、とても、日本らしさを感じるのです。

 一方、フランス版メルカリのleboncoin(ルボンカン)というサイトは、メルカリのような、ガチガチに管理されたシステムではありませんが、メルカリのように手数料を取られることもありません。

 お互いがルボンカンの中のアカウントのみに通用するメールで、メッセージを送りあって、品物について、質問したり、値段の交渉や引き渡しの相談をして、小切手を送ってもらうか、ルボンカンを通じて、入金してもらって、郵送したり、実際に待ち合わせ場所を指定して、直接に、引き渡しをしたりします。

 こちらは、フランス人相手なので、興味のあるものもなかなか、意外で、つい先日は、日本の「こけし」に結構な問い合わせと、値段交渉がありました。

 その中で、いかにも、フランス人らしい、めんどくさい人がいました。

 私が、品物の値段を決める時には、他にすでにサイトに載せられているものを検索してから、それを参考にして、値段を設定しているので、その「こけし」も、他に出品されている「こけし」を参考に値段を設定したので、そんなに法外な値段ではないと思うのですが、問い合わせをしてきた、「こけしマニア」のフランス人から、最初、あなたの出品している「こけし」は、大きさのわりには、高いのではないか?というメッセージが入ったのです。

 不思議なことに、その人は、だからと言って、値段を交渉するのでもなく、自分の方が一方的に自分は、これまでに何千というこけしを見てきたが、一般的なこけしは、こんなに小さなものではなく、どこかに展示されていたという人間よりも大きいようなこけしの写真をいくつも送ってきて、自分のこけしに対する思い入れと知識をとうとうと披露してくるのです。(何枚ものこけしの展示会の写真や何行にもわたるこけしについての見解)

 はっきり言って、一般的なこけしについては、おそらく、日本人の私の方が知っている(といっても私は、こけしマニアではありませんが、だいたい日本で流通?している一般的なこけしがどんなものかどうかは、私の方が知っているはず)のです。

 しかし、相手には、私が、日本人だということはわからないのです。

 結論の見えない議論を目的としたやり取り、やり取りというよりは、一方的に自分の知識と見解を相手の反応をお構いなしに延々としようとするのは、フランス人にありがちなことなのですが、こんな機会にそういう人に遭遇するのもフランスだなあと怒るよりも、苦笑するしかありません。

 付き合いきれないので、当然、無視です。

 フランス人は、意外なものに食いつくのにも、ルボンカンでさえも、とうとうと語ろうとするめんどくさい人がいるのもビックリしている次第です。

 こんな、ちょっとしたネット販売にも、国民性というものが垣間見えて、なかなか興味深いです。

 こけしは、今日、別の買い手が、現れ、近所まで、引き取りに来てくれて、けっこう、良い値段で、無事、売れました。










 











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