2020年1月23日木曜日

やっぱりフランス人は、肉食だなと思わされるパリのスーパーの魚売場




 買い物に行くと、フランス人は、肉食人種だなと、つくづく思います。

 我が家の近所には、マルシェがないので、買い物は、どうしても、スーパーマーケット頼りになってしまいます。

 スーパーマーケットは、比較的、値段も安定していて、買い物もしやすいのですが、肉か魚かと言えば、圧倒的に肉になってしまいます。

 なぜなら、ろくなお魚が売っていないからです。(マルシェに行けば、そこそこのものは、手に入ります。)
 しかも、パリのスーパーのお魚コーナーには、季節感がなく、クリスマスの前になると、生牡蠣の箱が積み上げられて、売られていたり、オマールやエビや貝が盛り合わせになったものなどが売られてはいますが、それ以外は、ほぼ、一年を通して、ほぼ、同じものが並んでいます。

 多分、彼らが一番、好きなのは、サーモンだと思いますが、サーモン以外だと、スズキ、ヒラメ、鯖、イワシ、茹でてあるエビ、ホタテ貝、ゴムのような肉厚のイカ、黒ずみかけたマグロの切り身、時にアンコウなどが、細かく砕かれた氷の上に、水と光を浴びて並べられています。

 魚が恋しい私としては、ろくなものがないと知りながらも、恨みがましく、スーパーに買い物に行けば、一応は、魚売り場を一回りして、間違って、新鮮で、美味しそうな魚がおかれてはいないかと、一巡してみるのですが、いつも結果は、虚しく、やっぱりないな・・と、諦めて、お肉のコーナーに戻るのです。

 日本のようにお刺身で生で食べるという習慣がなく、必ず火を通し、バターでソテーしたり、ムニエルにしたり、フランス料理のソースをかけて食べるので、新鮮さは、求められていないのかもしれませんが、日本なら、到底、売り物にはならないだろう代物が、しかも、結構な値段で売られているのです。

 それでも、何回か、買ったことはありますが、ことごとく裏切られ、最悪だったのは、大きな舌平目を奮発して買ってムニエルにしたら、牛タンのような味がしたことがあり、それ以来、ほとんど、このスーパーで、魚は買わなくなりました。

 我が家のお魚は、冷凍食品メーカーのPICARD(ピカール)頼り、ピカールの加工していないフィレになったお魚が唯一の頼みの綱です。特に、うちでは、鯖は常備しており、これは、なかなかの安定したクオリティーを保って、提供してくれています。

 最初に、多分、フランス人が一番、好きなのは、サーモンだと書きましたが、おそらく、フランス人が一番食べているお魚は、poisson pané (プアソン・パネ)といって、
冷凍食品で、(チルド状のものもありますが)細かいパン粉のついた、白身の魚のフライのようなもので、魚の切り身の形をしていることもありますが、その多くは、8cmくらいの棒状になったもので、軽くオーブンで温め直すか、揚げ直して食べます。

 これは、学校のキャンティーン(給食)などでも、定期的に登場するメニューでもあり、家庭でも(子供のいる家庭は特に)おそらく、一番、食べられている魚料理なのではないかと思います。

 ある時、フランスのマスコミで、「今の子供は魚を知らない、プアソン・パネが海を泳いでいると思っている子供がいる・・」などと揶揄されて、書かれていたことがありました。

 肉なら、まずまずのクオリティーで、たくさんの種類のものが簡単に手に入るのに、魚がこれほどまでに悲惨な状態なのは、やはり、圧倒的に、需要が少ないわけで、やはり、彼らは、肉食人種なのだと思わざるを得ません。

 うちの主人(フランス人)が、生きている牛を見て、「美味しそうだ!」と呟いた時には、思わず、主人の顔を二度見してしまいました。

 











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