2020年1月16日木曜日

フランス人は辛いもの、熱いもの、かたいものが嫌い




 私は、およそ、胃に悪そうなものが好きです。

 熱いものは、アツアツで、冷たいものは、とことん冷たく、(例えば、グラスまで凍らせて、キンキンに冷えたビールを注いで飲む)そして、辛いものが好きです。

 主人に関しては、その真逆です。
 そして、それは、フランス人全般に共通する味覚の特徴のようです。

 熱いものは、出来立てのアツアツで食べたい私ですが、主人は、熱いものが嫌い・・というより、苦手、つまり、ねこ舌です。

 せっかく、出来立てのものを温かいうちにと思っても、わざわざ冷ましてから食べます。冷ましながら、待ちきれずに、「何とか、熱くしないで、お料理ができないのかな?」などと、言います。

 最近は、パリにもラーメン屋さんがたくさんでき、オペラ近辺にある日本食屋さんが並ぶ、Rue Saint-Anne(サンタンヌ通り)や、その近辺には、昼時などは、フランス人の行列ができるほど、人気です。

 現地の人に人気になれば、料理も、その国の人の好みに寄っていくのは、世の常ではありますが、それは、日本人には、到底、満足のできないものになる可能性があります。

 お店の名前は、差し控えますが、中には、熱すぎないラーメンを出すお店があります。
日本人の観光客が旅行中にラーメン食べたさに、飛び込んだお店に憤慨していたことがありました。

 「湯気のたたないラーメンってありえますか???」と。

 つまり、そのお店は、フランス人向けに、ラーメンを熱すぎない状態で、出しているのです。日本人からすれば、それこそ、湯気のたたないぬるいラーメンなどありえません。

 それこそ、お店からすれば、故意に、サービスで、熱すぎないものを提供し、しかも、熱い状態で、出せば、冷ます時間がかかるわけですから、それだけ、お客の回転も悪くなるわけです。

 また、日本には、やたらとあるカレー味のものも、フランスには、少なく、カレーソース、あるいは、カレー煮込み・・などと書いてあっても、およそ、カレーの味は、自らが、一生懸命、口の中で探さなければ、みつからないほど、あさっての方向で、カレーをどこかにかすかに感じることができる代物で、もちろん、辛くもありません。

 それは、カレーだけではなく、タコスのソースなど、他のスパイシーな食べ物に関しても同じです。「HOT!!」とか、「PIQUANT !(ピーカン)辛い」などと表示してあっても、全然、辛くなく、どこかに、唐辛子やチリパウダーの香りを感じるだけです。

 そして、彼らは、柔らかいものが好きです。
 野菜などは、形が崩れそうになる程、茹でます。最近は、健康志向で、サラダなどを食べている人も見かけるようになりましたが、概して、生野菜は、あまり好きではありません。

 主人の息子が家に遊びに来た時に、茹でたブロッコリーを出したら、主人が、「日本風だから、少し固いよ!」と息子に注意しました。その時、初めて私は、彼が野菜が固いと思っていることを知りました。

 茹で野菜や、炒めた野菜などは、微妙な火加減で、火が通り過ぎないように気をつけるのですが、どうやら、歯ざわりとか、歯ごたえとかいうものを彼らは、楽しまないのです。

 ですから、外食などで、パスタを頼んだりすると、下手をすると、茹で過ぎの、アルデンテとは、程遠いものが出てきたりします。

 味覚は、嗜好ですから、人それぞれですが、ぬるいラーメンを好み、グニョグニョになった野菜やパスタを好み、寝ぼけたような味のカレーを好む、彼らの国が、美食の国と呼ばれることに、私は、納得がいかないのです。












 











 

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