2020年1月20日月曜日

「さすがフランス!」の意味が逆転する日 日本人は、なぜフランスを美化するのか?





 私が最初にパリに来たのは、単なる観光旅行で、私の好きな井上靖の小説に度々出てくる、パリのチュイルリー公園や、ロダン美術館などを訪れて、初めて見るパリの街並みに感激し、どこを撮っても絵になると、写真を撮りまくり、うっとりとパリの街並みを眺めながら、もう、二度と来ることはないんだな〜と思いながら、うるうるしたりしたのを一緒に来ていた友人に笑われた記憶があります。

 だからと言って、私は、特に、フランスに憧れていたわけでもなく、ましてや、住みたいと思ったことは一度もなく、それどころか、フランス語だけは、絶対に嫌だ!と思っていたくらいなので、逆に、まさか、フランスに住むことになろうなどとは、思ったこともなかったのです。

 それが、どういうわけか、相手をフランス人とも知らずに好きになり、海外で暮らすことになったかと思ったら、アフリカから、早々に、主人がフランスに転勤になり、以来、もう20年以上フランスに住むハメになってしまったのです。

 パリの街並みの景観の美しさとは、裏腹に、感じ悪いフランス人には、旅行の時でさえ、薄々、感じては、いたものの、実際に生活するとなると、その生活の不便利さ、不合理さなどのもろもろは、計り知れないもので、私の感情は、日々起こるパリでのトラブル満載の生活に対して、怒りから、諦め、そして、悟りの境地に達していったのです。

 そんな実際のパリでの生活事情とは、ウラハラに、日本でのフランスのイメージは、どんなことがあっても崩し難く、なぜ、フランスが日本でのこの美化されたイメージを保ち続けられるのか、不思議でなりません。

 日本のデパートに行けば、フランス語の使われたお店の名前が溢れかえり、食料品売り場などにも、どれだけフランスのお店があるか、ビックリするほどです。

 娘が小さい頃は、娘の洋服などは、ほとんど母や叔母が日本から送ってくれたものを着せていたにも関わらず、会う人は、皆、「さすが、フランスのお洋服、可愛いわね〜!」と「さすが、フランス!」を連呼するのです。

 日本の友人や親戚などには、帰国するたびに、私がどれだけ、フランスでの生活がトラブル満載かを訴えても、それは、あっさりと受け流され、彼らは、美化されたフランスのイメージを抱き続けるのです。

 フランスだって、綺麗なところも良いところもあるには、ありますが、フランスでの生活には、それを上回って余りある苦難と試練があるのです。

 いつの間にか、度々起こるトラブルに対しても、もうすでに、大して、怒ることもなくなり、逆の意味で、「さすが、フランス、やらかしてくれるな・・」、すんなり事が運ばなければ、「まあ、そうだろうな・・ふつうだな・・やっぱ、さすがだな・・あっさり行くわけないよな、フランスだもん!」と、「さすが、フランス!」の意味が、嫌味と自虐の意味を込めた、全く反対の意味になっているのです。

 










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